叶わぬ蘇生を求めて、血は流れる
叶わぬ蘇生を求めて、血は流れる
「逃げられた?」
「は、申し訳ありません.....」
「15人いたはすだが?念には念を押して。それが帰ってきたのはお前たち5人。残りはどうなった?」
「それが.....女がかなりの手練で箱からも自力で出て来まして....崖まで追い詰めたのですが、飛び降りたのです。まさか生きてはいないと思うのですが......」
「生きてなきゃ意味がないからな。確認もせず帰って来たのか?」
「向こうのほうから捜索の声が聞こえて来て.....捕まるのは時間の問題でしたので。」
「役に立たんな。役に立たんものを雇ったのは私だが。そうだな.....丁度いい、お前は地下に来い。残りは殺せ。」
「そんなっ.....慈悲を.....」
「慈悲?生憎私の辞書にそんな言葉はない。つまらない戯言は終わりだ。殺せ。」
後ろで血の爆ぜる音を聞きながら男を連れて地下室に向かう。
「お、俺は今から何を.....」
「何、一度半殺しにして実験に付き合ってもらうだけだ。」
「実験......?」
「ああ、もう2つ手に入った。効果を見たいと思っていたところだ。」
「何を.....するつもりだ.....」
「だから言っただろう?まずは半殺しだ。さて、脚からいくか。」
脚の外側、肩、腕を切って血を抜いていく。致命傷は避けねばならない。
「ぐあぁぁぁぁぁっ」
叫ぶ男の声など、気にもならなかった。
エイマールの特殊な葉にコアルシオンの宝石。
古文書通り円陣を描き中央に男、両側に葉と宝石を置く。
「solve dolorem, coagula carnem… nunc!」
放った詠唱と共に音を吸うように陣が静まり返る。
被験者の男を見ると傷口が閉じているかのように見えた。
「成功か......?」
その刹那、黒い筋を走らせながら硬化していく皮膚。硬化は心臓まで達し、結果など確認するまでもなかった。
「やはり、必要だ。あの獣が.........」
隣の部屋へ向かう。
「フェスタナ..........。必ず私が君を連れ戻す.....待っていてくれ......」




