朝の補充、恋の続き
朝の補充、恋の続き
朝、目が覚めると腕の中にはすやすやと眠るセラがいた。
(いや、待て。何で.....)
必死に昨晩を思い出す。確か膝枕をしたまま眠ってしまった。そしたら――――
そうだ。思い出した。夜中ぼんやりと目覚めるとセラが眠ってしまっていた。寒そうだと思って布団を掛けて寝ぼけたまま抱きくるめて寝てしまったことを。
(何も、していない。はずだ....)
服も乱れていなければ記憶もない。間違いは起きていない。少なくとも。
セラの寝顔を見るのは2回目だ。数え切れないほどの傷を負ってきた彼女が安心しきった顔をして自分の腕の中で眠っている。その事実だけでも嬉しい。
(だがそれでもこの状況はな...)
寝込みを襲う趣味はない。セラを起こさないようベッドから抜けなければ。そう思い力を緩めると聞こえてくる声。
「レオ様.....?」
寝ぼけた顔。こんな顔すら可愛いなんてどうかしてる。
「セラ、疲れてるなら眠ってろ。」
「ん....あれ、私......え?」
ようやく覚醒したセラは状況に気づいたらしく青ざめている。
「私、寝ちゃって....でも、なんで?」
「俺が夜中寝ぼけて目覚めたらお前が寝てた。寒そうだったから抱きくるめて寝た。心配するな。それ以上は何もしてない。」
「そう...だったのですか。一瞬、動揺してしまいました。」
「大丈夫だ。俺もした。もう少し寝なくていいのか?」
「はい、もう目も覚めました。」
「そうか。ならもう少し。」
起きているなら気を遣わなくていい。緩めた腕の力をもう一度込める。
「レオ様、起きるんじゃ...」
「少しだけだ。どうせすぐ仕事に行く。その前に補充させてくれ。」
大人しくなったセラをしっかり数分間、堪能するとやっと仕事に行く気が湧いてきた。
「さて、行くか。」
「....今のは?」
「俺のやる気を出すまじないだ。毎日してくれるか?」
「レオ様がそれで仕事に行きたくなるのであれば....」
「ほう?言ったな。ならこれからは夜だけじゃなくて朝も来よう。どうせ最近は夜遅くてロクに来れないしな。」
「あまり無理はなさらないでくださいね。」
「ああ。大丈夫だ。お前も、まだ全て片付いたわけじゃないから気を抜くなよ。」
「はい。」




