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王弟が愛した娘 —音に響く運命—  作者:


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手放せば、落ち着く心

手放せば、落ち着く心

「セラ様、起きてらっしゃいますか?」

エティの声が聞こえる。返事をしたくなかった。せめて今日が何もない日であれば、1人にしてと言えたのに。

「....起きてるわ。」

「セラ様、おはようございます....もしかして、眠られていないのですか?」

「そう見える?」

「目の下に大きな隈が出来ています。商人の方が来られるまで少し時間がありますし、もう少しお休みになられますか?」

エティの気遣いが痛い。エティが気遣ってくれる度、自分にそんな資格はあるのかと問いたくなる。

(これは....よくない。この思考を何とかしないと...)

昨晩はどうかしていた。レオと会ってからどうかしてばかりだ。

『殿下は朝帰りなんてしょっちゅうだったのよ!』

アメリスの言葉が頭に響いた。そんな彼がセラは抱こうとはしない。

それは2つ選択肢を意味する。

1つ目は遊びであること。

2つ目は本気でセラと結婚する気であること。

どちらも違う気がした。遊びならあんな顔はしない――――多分。余程レオが役者なら話は別だけれど。だが遊びの割には手間をかけ過ぎだ。それに....

『愛してる、セラ。』

あの声は、嘘じゃなかった。

それなら本気で結婚する気だろうか。それはあまりにも非現実的だ。今更ベルシュタイン辺境伯がセラを養子にするメリットなどない。万が一王族をやめるなど酔狂なことを考えているのなら手早く抱いているはずだ。

だとしたらやっぱり――――

自分の身体の傷。それ以外の理由が見当たらなかった。

(それなら...仕方ないか。)

抱いて欲しいと思った。それが分不相応な望みであることは分かっていたはずだ。

レオはセラを愛してくれている。それだけで十分なのに。

(困らせちゃったな...)

側にいることを望んだのは自分だ。それなら彼が抱きたいと思わなくても関係ない。

(ライが見つかって、レオ様に結婚相手が見つかったら)

自分は姿を消せばいい。

(ああ、なんだ。こう思えば....)

楽になった。一晩悩んだのが嘘みたいに。

「エティ、休まなくても大丈夫だから支度を手伝ってくれる?」

「本当ですか?」

「ええ、そんなに疲れてないわ。」

本音は、吐き慣れた嘘に覆い隠された

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