父と娘、交わらない瞳
「失敗した?」
「は、はいお父様。申し訳ーーーー」
「ああ、もういい。お前の謝罪は求めてないよ。どうせ母に似て男を誑かすことしか才能のないお前だ。それも失敗してしまっては使い物にならないと言う意味だ。分かるだろう?」
「わ、分かっていますわ。次は必ず.....」
「いや、王弟殿がお前に揺さぶられることはないだろう。誰か大切な人でもできたかな?」
「そ、そんな噂は一つも......」
「調べてみようか。彼はいい動きをしてくれるからね。グラテシア、もういいよ。」
「お、お父様、あのーーーーー」
「グラテシア。」
「は、はい。」
「私はね。忙しいんだ。時間がないんだよ。君に構っている時間なんてない。」
興味のない目。お父様の、向ける全てのものに対してする、つまらなさそうな目。
グラテシアの行動を制限もしない。だけど偶に試すような行動をしてはつまらないと言う。
お父様の地下室からは時折爆発音が聞こえる。何も、聞かない、見ない。それが屋敷で生き残る唯一の方法だ。
なんだかグラテシアが可哀想になってきました。




