触れて欲しい、触れられない
あの日からレオは部屋に呼んでも髪に触れなくなった。
「触れて間違ったらダメだからな。」
そう言う彼は以前より遠くなった気がする。あんなこと、言うんじゃなかった。そうすれば前のままでいられたのに。
(触れられたいなんて...)
いつからこんな風になってしまったんだろう。
どこで、何を間違えたのか。
「明日は友人の婚約式がある。幼い頃からの友人でな....出席しないわけにはいかない。夜、少し遅くなるが構わないか?」
「私は構いません。そんな早く寝る方でもないですし。」
「それなら待っててくれたら嬉しい。どうせ宴なんて疲れて帰るのがオチだからな。」
「ああいった場は気疲れしてしまいそうですね。余程遅くない限り起きていると思うので大丈夫です。」
「夜はお前の香りと音で寝たいんだ。早く帰るようにする。」
冗談は減った癖にたまにこんなことを甘い顔で言う。それが人をどんなに乱しているかも知らないで。
「最近早く帰られていますしたまには羽目を外しても良いのでは?」
「侍女が言うことじゃないな...別に窮屈だなんて思ってない。帰りたいから帰ってるだけだ。」
「そうですか...」
そんな会話をした。次の日、いつもと同じように会話をして、ハープを弾くと思っていた。
さて、明日は爆弾が落ちそうですね。




