動揺の朝
朝、目を覚ましたベッドが異常に広いことに気づき青ざめた。隣には誰もいない。残る体温も一つ。何も、何もなかったはずだ。ただ寝ただけ.....
それでも十分に粗相だった。昨日はどうにかしていたのだ。過去のことなんて話したから。
どうすればいいんだろう。レオの私室から出るところなど見られれば何と言われることか。
半ばパニックに陥ったセラは開いた戸に更に動揺した。
「目が覚めたかしら?」
「グレータ様!申し訳ありません!殿下の私室で朝まで眠るなど....!」
「殿下がそうさせたのでしょう。他の侍女には上手く言っておいたわ。落ち着きなさい。」
「は、はい.....。」
「着替えも、ここに用意してあるものを使いなさい。」
「着替えまで....ありがとうございます。」
「構わないわ。着替えて仕事に入りなさい。」
「すぐに参ります。」
過去のことを掘り返した割に気持ちよく安眠し、身体はスッキリとしていた。今日は人の倍働かねばならない気がする。侍女も新しい人が入り、屋敷は落ち着かない。しっかりしなければ。
廊下を歩きながら思考を切り替え、執務室へ向かう。
深く息を吐き、散らばった書類に手をつけた。




