表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王弟が愛した娘 —音に響く運命—  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

177/209

悟ってしまった侍女、知らぬ王弟

悟ってしまった侍女、知らぬ王弟

なんだか恥ずかしい。レオが、不安そうに見えたのだ。それでつい頬にキスをして出てきてしまったのだけれど……

「セラ?」

「アラリック様……」

「大丈夫ですか?顔が少し赤いようです。熱などは?」

「ありません。少し火照ってしまったようです。」

 こんな季節にどんな言い訳だ。アラリックの誠実な目が痛い。

「部屋まで送りましょう。ここで迷子にでもなったら大変だ。」

「私、迷子には定評があるのですよ。」

「おや、そうなのですか?冗談のつもりだったのですが。」

「お屋敷もお城もいつも迷ってばかりで侍女を困らせているのです。」

そう言うとアラリックは楽しそうに笑ってくれた。笑った顔は、初めて見た気がする。

「セラは面白いですね。貴女と話していると心が落ち着きます。」

何か、違和感がよぎった。そんなはずないと違和感を奥に押し込める。

「私は話も上手い方ではないので、そう言っていただけると嬉しいです。」

「そんなことはないですよ。セラはそのままで十分だ。……さあ、着きました。また明日。」

「はい。おやすみなさい。」

アラリックを見送っていると中からアシュレイが出てきた。

「セラ様!やっとお戻りに……ってあの方はこの国の王ではありませんか!?」

「ええ、そうよ。部屋まで送ってくださったの。」

「え、それは……その、王弟殿下はご存知で?」

「いいえ、知らないわ。レオ様のお部屋から出てきたところで会ったのよ。」

「そ、そうですか……」

何故アシュレイはこんなに気まずそうなんだろう。アシュレイに何かあったわけでもないのに。

「どうしたの?中に入っていいかしら?」

「は、はい!お湯浴みの準備ができております。入られますか?」

「ええ。ありがとう。」

湯浴みを終え、少しだけハープを弾いてみる。

「いつ聴いても心休まりますわ……これだけでもセラ様の侍女になった価値があるというものです。」

「私にはサリアの声の方が癒し効果が高いと思うのだけど。」

「明日は視察に行かれるのですよね?確か王弟殿下もご一緒に。」

「ええ。それからエルナ様も同行されて、アラリック様が案内してくださるそうよ。」

「アラリック様というとまさか現王では?」

「ええ。朝お礼とお詫びをいただいた時是非にと。」

「そうですか……私は王弟殿下に同情します……」

明日の行く末を思い、アシュレイは1人嘆いていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ