横槍を沈める、信頼の一閃
横槍を沈める、信頼の一閃
「何がどうなってる!?」
「エルナ様!それが、いつものように軍事演習かと思いきや本当に開戦の音が鳴り、軍がカルディアに雪崩れ込んでいったのです。」
「お前たちは続いていないな?」
「勿論です。戦争はエルナ様の意に反するでしょう。」
「当たり前だ。だが飲み込まれた軍もあるようだな。」
「アラリック王子が床に臥せているのも大きいでしょう。そこを弱みに従わねば殺すと脅された軍もいるようです。」
「あたしらは勿論屈しませんでしたよ!睨みつけてやりました!」
「お前のそのいらんガン飛ばしはなんなんだ……。なら準備はいいか。今からあの横に突っ込む。……死ぬぞ。いいな。」
「仰せのままに。」
「エルナ隊!今からあの大軍に横槍を入れる!少しでもアラリックが回復し、指揮する時間を稼ぐ!いいな!」
「はっ!」
エルナが初めて出陣した15の時から共に戦ってきた軍。そこに余計な言葉はいらない。家族より信頼する友。その表現が正しい気がした。
「はあぁぁぁぁぁ!!!」
一閃。差し込んだ横槍にアンツェルーシュの軍は驚いている。流石にこれは予想していなかったようだ。
「やれ。」
エルナの軍はコアルシオン国内でも1.2の強さを誇る。
それはつまり、エルナ自身がそれだけ強いということだ。
「はぁ!」
かつて共に飯を食べた奴もいた。だが戦争に甘いことは言っていられない。ただ、生きるか、死ぬか。生き残るためにただ、剣を振るのだ。
奇襲は成功した。陣形は乱れ、アンツェルーシュの軍はカルディアとエルナの軍の相手で一杯一杯だ。
(頼む、アラ……ここに来てくれ。)
青白い顔をした兄弟を呼ぶなど恥だ。だがそれでも……
(お前でなければ、この戦争は止められない。)




