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王弟が愛した娘 —音に響く運命—  作者:


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【番外編】馬車に揺られて

本編が離れている期間が長いのでifっぽい話が書きたくなりました。時系列としてはベルシュタイン家に婚約の申し込みに行くところになります。


「レオ、おかえりなさい。」

「ああ。」

抱き締めたセラの温もり。こうやって話してくれる日を、どれだけ夢見ただろう。

「視察はどうだったの?」

「ちょっとした諍いだ。俺が来た途端へこへこと。次はないと釘は刺したがな。」

洗濯の赤切れがない手、柔らかい表情。

「レオは外では怖い顔してるものね。」

「……お前に見られたくはないな。」

「今更何言ってるのよ。」

「……なあセラ。」

「ん?」

「幸せか?」

「どうしたの?急に……幸せよ。」

「王族になった。不自由だって多いだろ。」

「分かってたことだし……剣を振ることを許して貰ってるのよ。十分だわ。」

「それならいいんだ。」

柔らかい、セラの濡れた唇。もっと触れていたい。ずっと――――

「ねえレオ」

「何だ?」

「私、幸せだけどレオとは寝たくないの。」

「は?何言って……」

「だってレオ、触れたいばっかり。私は娼婦じゃないのよ。」

「待て、セラ。そんなつもりは……!」

幸せそうに笑っていたセラの顔が歪んでいく――――

ガンッ!

「痛っ……」

「殿下!?何かありましたか!?」

「いや、何でもない……」

「もうすぐベルシュタイン家に着きます。それまでお待ちくださいませ。」

狭い馬車の中。飛び上がったら頭を打つのは必然だ。

いつの間にか眠っていたらしい。

(それにしても何とも言えん夢だったな……)

婚約の申し込みに行くのを、思ったよりも緊張しているようだ。ため息と共に苦笑いが溢れ出た。

「レオ……な。」

いつか来るのだろうか。あんな風に話して、名前を呼んでくれる日が。

「最後はいただけんがな……」

結ばれたとして、その結末だけは避けたいものだ。

「その前にあの男に納得してもらわねばならん。」

呟く独り言が聞こえたのか否か、御者は馬車の速度を僅かに早めた。


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