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王弟が愛した娘 —音に響く運命—  作者:


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今夜だけは、隣で眠りたい

今夜だけは、隣で眠りたい

出発前夜の夜。いつものようにレオが寝室を訪れた。あの不安は解消されてくれただろうか。

正直セラだって不安なわけじゃない。自分の社交界、レオの外交。どちらも無事に終わって欲しいと思うけれど、何かそうはならないような予感がする。

「今日はお前が不安そうだな。」

「全てうまくいくだろうかと。考えても仕方のないことですが。」

「.....侍女のことなんだがな、やはり受け入れられないそうだ。エティは約束通り俺が連れて行く。」

「そう、ですか。やはり.....エルシウス様は何を考えているのかを推し量るのが難しい方です。」

「そうだな。セラ。」

俯いていた顔を上げる。そこにはしばらく見ていなかった穏やかで優しい顔があった。

「大丈夫だ。お前なら上手くやる。」

この顔でそう言ってくれると、本当に大丈夫な気がする。

優しく触れられるキス。最初、その先がないことに不安で堪らなかったけど、今はこのキスで幸せな気持ちになってしまう。

(もっと.....欲しい)

そう思ったのはきっと明日出発してしまうからだ。レオの胸に縋りキスを求めれば驚いた顔で応えてくれる。

「レオ様.....好きです。」

「は、お前ほんと........」

耳まで赤いレオ。私の一言で、こんなに乱れてくれる唯一の人。

「愛してる、セラ。ちゃんと待ってろよ。」

頷いた。待ってる。待つのが苦手なセラが、そう思いたくなるほどに大事な人。

「レオ様、気をつけて行ってきてくださいね。向こうの宰相とやらは油断ができません。」

「分かってるよ。アラリックと話してくる。また今度あいつにも紹介しないとな。」

「レオ様と仲がいいぐらいですし、良い方なのでしょうね。またいつかお会いできるのが楽しみです。」

「ああ。......なあ、今日ここで寝てもいいか?」

「え?」

「何もしないから。ただ....朝までお前を近くに感じていたい。」

「それは.....構いませんが.......」

「ならセラ、おいで。」

誘われるがままにレオの隣に横になった。

抱きくるめられるとどうしようもなく安心する。聞こえるレオの鼓動。

(早い.....)

緊張、してくれているんだろうか。

いつでも強くて、怖いものなんてなさそうな彼が、あんなに不安そうな顔をする。

それがずっと、私だけであって欲しい。

(随分欲深くなったな....)

レオは何も言わない。セラも何も言わなかった。

ただ、触れる体温を、感じていた。

 

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