表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王弟が愛した娘 —音に響く運命—  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

113/162

弱気な王弟殿下

弱気な王弟殿下

「何故今離れねばならないんだ....」

ぼやくレオに大して動揺もせずクシェルが仕事を進めている。

手を、眺めてみる。セラが自ら取って、キスした手。

あの死の淵から目覚めてから、セラは変わった。レオへの言葉は正直になり、以前常に纏わりついていた怯えのようなものが半減した気がする。

セラは元々強い女だ。強くて、素直で可愛い女の子。セラに言った言葉は嘘じゃない。これからベルシュタインの令嬢として傷を隠し、社交界に出ればそのハープの腕と美しさは瞬く間に話題となるだろう。王族とまではいかずともセラの好むような武人のような男から言い寄られないとも限らない。今まで、セラの世界の男はライとレオしかいなかった。だがこれからは違う。セラが今純粋に俺にむけてくれる好意が、永遠のものではないかもしれないと言う恐怖。

ベルシュタイン辺境伯はだからあんなことを言ったのかもしれない。俺に取っては数多の女の中から選んだ1人だが、セラにとっては俺以外の選択肢がない中から選んだのだから。

「最近の殿下は悩みが絶えませんね。」

「.....仕方ないだろう。」

「セラ様は社交界でさぞ話題になるでしょうね。侍女として連れて行った時ですらあれだったのですから。」

「......お前は俺の味方なのか?」

「勿論です。セラ様は殿下のダメなところを見ても尚好意を寄せてくださっています。私としても逃げられてほしくはありません。」

「.....お前がそう思っていたとは。」

「セラ様に振られた殿下など想像するだけでやってられません。セラ様はご自分が強いだけに強い男性を求めておられるように思います。」

「.....俺では物足りないと?」

「最近の殿下はすっかり弱気です。これでは逃げられても文句は言えません。今もどうせ社交界に出て揺れるセラ様のことを想像していたのでしょう。」

図星だ。セラが、俺の何をいいと思ってくれているのかが最近分からなくなってきた。あれだけ俺を望めだの溺れろだの言っておいて。

「コアルシオンに行く前にその不安の芽は摘んでおいてください。外交で殿下が使い物にならなければ困ります。」

「.....分かっている。」

触れられた重い手を動かして、書類に手を伸ばした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ