表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王弟が愛した娘 —音に響く運命—  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

102/171

美しき川の誘い

美しき川の誘い

美しい、川が見えた。

広い草原を2つに隔てる澄んだ川。

川のせせらぐ音だけが聴こえる静寂の中で、感じたのは平穏だった。

川に足を入れたら心地良さそうだと思った。冷たい水は、身体を浄化していくようだ。

最後見えた彼の顔は焦燥と悲しみに満ちていた。それだけが、気がかりだった。

よく生きた。今ならそう思える。痛かった。怖かった。殴られた時も、切られた時も、母が嫉妬と嫌味を常に向けてきた時も、男に手を掴まれた時も。

生まれてしまったことは変えられない。それならばせめて生まれたことを後悔しないように。

そう願って生きた。けれど。

私は間違っていたんだろうか。父の家に残るべきだったのかもしれない。ベルシュタイン家に残るべきだったのかもしれない。

だけどそうしたら、私の守りたいものは守れなかった。重ねた罪を、償うことはきっと許されない。こんな私が、最後貰ったものは私の罪を更に重ねてしまう物だったんだろう。それでもいいと思った。愛しい人に触れられて、愛された時間は苦しみに満ちた人生の中で見た、唯一の光だった。その光の元に戻りたいとおもった。だから崖から飛び降りた。だけどもう――――

もう一歩。川を進んだり光の反射する水面はあまりにも美しく、その先へ進みたくなる。

反対側の岸まであと数歩。ふと後ろを振り返った。未練はない。

「さようなら」

川を上がろうとした。その時だった。誰かの手が、私の腕を掴んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ