第57話「オカルト倶楽部」
──天ヶ原高校・部室棟、最上階。
「ようこそぉ〜、オカルト倶楽部──通称オカルンへぇ〜」
雫はほんわか笑顔で二人を迎え入れる。
部室には、年代不明の地図や水晶玉、よく分からない骨格標本が所狭しと置かれていた。
「ほぅ……ここが?」
リリスが興味津々に室内を見回す。
「ここは、オカルト倶楽部の部室、です!」
雅が元気よく胸を張る。
「世界の理を解明する秘密結社、です!」
「なにっ!? ここは禁断の叡智を操る──」
「……あー、そんな危ない事はしないよぉ」
雫はにこっと笑いながらも、やんわり遮る。
「うちはねぇ、超常現象とかUFOとか、未確認生物とか……まぁ、そういうのを研究するクラブなんだよぉ」
「ふむ……つまり異界との接触拠点か」
「……うーん、言い方ぁ〜」
雫は頬をかきながら小さくため息。
「そういう事です!」
雅は全肯定で頷く。
「……いや、違うってばぁ」
辺りを見渡すと棚の上には大小さまざまな瓶や古書、壁際には怪しげなマントや仮面、そして中央の机には大きな水晶玉が鎮座していた。
「むむっ……これは──」
リリスが水晶玉を両手で持ち上げ、目を輝かせる。
「七つ揃えば、夢が叶うと言われている……!?」
「……それ、ドラゴン〇ールじゃないかなぁ〜」
雫はほんわか笑顔で首を傾げる。
「ただの水晶玉だよぉ」
「なっ……では願いは叶わぬのか!?」
「叶うですっ!」
雅が全力で肯定する。
「ドラゴンボー〇じゃないから叶わないかなぁ〜」
リリスはふっと机の横を見やり──
「おお……これは……怪盗マッドの外套……!?」
マントを手に取り、ひらりと羽織る。
「たぶん文化祭の時のマジックショー衣装だよぉ〜」
雫は相変わらず穏やかにストップをかける。
その時、リリスの視線が部室の隅へ吸い寄せられる。
そこには、白く不気味な骸骨がぽつんと置かれていた。
「こ、これは……じ、人骨!? く、黒魔術の儀式を……!?」
「それはただのレプリカの頭蓋骨だよぉ〜」
雫はのほほんと手を振る。
「オカルトの必需品だよぉ」
「必需品……なるほど……!」
リリスが真剣に頷く横で、雫はにこっと笑う。
「……それでそれでぇ〜」
と口調は柔らかなまま、しかし目だけがすっと細く鋭くなる。
「あなたは──だぁれ?」
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投稿予約日を間違えてしまいました……(´・ω・`)




