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世界最強の殺し屋と愛を知らない少女  作者: 白唯奏


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4/9

まだ、知らない過去

ニーナ。本名、アグルス・ニーナは研究者だった。3ヶ月前までは。

研究所で亡き恋人のために『人を生き返らせる道具』を創っていたときだった。研究所で大きな爆発が起こったのだ。爆発は、一瞬にして研究所を破壊し、大半の人が亡くなったという。

その爆発がなぜ起こったのかは定かではないが、爆発から離れたところにいたニーナは助かった。だが、ニーナには帰る場所がなかった。そして、崩壊した研究所を彷徨っていたところ、レンに保護され殺し屋となった。

まだ下位層の見習いといったところだが、一人で仕事をするほどの実力は持っている。

「…………」

おかしい。何かがおかしいのだ。

そう。ニーナは実力を持っているはずなのに、一般人に騒がれた点だ。しかも、気まで狂っていた。

「…………………?」

ニーナの腕に何か刺さっている。それは、指の爪ぐらいの大きさで丸く、無数の針が刺してある。

レンは、ニーナの腕に刺さったボールのようなものをとった。

「いった…。なんだよこれ」

レンはボールを地面に投げつけ、靴で踏みつぶした。すると、ボールから緑の液体が飛び出してきた。

近づこうとしたところで、誰かがレンの腰を叩いた。

「お主」

「ひぃ」

急に腰を叩かれたレンが悲鳴を上げた。その悲鳴に、声の主がケラケラと笑った。

「お主はいつ見ても面白いのぉ。偉大なる我でさえも笑わせるとは」

「チッ。このクソババアめ」

「誰がクソババアじゃ。我は偉大なる大老シャレルーラ様じゃ」

ふふん、とシャレルーラが胸を張る。

「あーそうだったな、クソロリババア」

「なっ」

シャレルーラは見た目は8歳ほどのピンク髪の少女だが、500年は生きているという。が、500年生きている証拠がないため、一部の人間には相手にされていない。

シャレルーラのことを、レンは信じているのかいないかは分からないが、少なくとも信用はしているようだ。

しかも、シャレルーラはレンと同じく、上位層にいる。

「お主っ。我はシャレルーラ様だ!!」

「はいはい」

レンはポカポカと叩いてくるシャレルーラを無視して、後ろで煙草を吸っている人物に目を向けた。

「で、ヨーラたちは何しに来たんだ?」


そろそろ『お嬢様』だしたい…

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