02 四神との出会い
私の頭は混乱していた。
「そうか、これ夢だ。つねってみればわかるはず……」
私は頬を思いっきりつねってみた。痛い。すごく痛い。
「夢じゃない……」
すると、神社の中から小さな光がこちらに飛んできた。
それはポンッと音を立てて、2頭身の見た目はクリオネのようなものが現れた。
「やぁ、はじめまして! 僕の名前はシャオ。君が新しい契約者だね」
「はい?!」
私が驚いていると、シャオは神社に呼びかけた。
「おーい! 出てきても大丈夫だよー! 早くこの子に挨拶しないと」
シャオがそう言うと、今度は大きな光が4つ、こちらに近づいてきた。
それはすぐに人の形となり、私の前に姿を現した。
しかし、人の気配ではなく神々しい気配をその4人はまとっていた。
「おい、シャオ。やっと契約者が現れたのか」
「そうだよ! もう、ずっと待ってたんだからね。って、あれ?」
シャオが言い終わる前に、私は全速力でその場から逃げていた。
走るのには自信があった。あんなのに、関わっちゃダメだ。私の心がそう訴えてくる。
「ちょっとー! なんで逃げるのさ!」
「ぎゃぁ! なんでついてくるのよ!」
「だって、僕飛べるもの」
「あ、そうなんだ。ってだから追ってこないでよ!」
「それは出来ない相談だね。あ、でも気を付けた方がいいよ?」
「なに言って……?!」
私が言い終わる前に、足元の地面が無くなったのだ。というより、急な下り坂になっていて、私はそれを転がり落ちた。
「きゃあぁぁー!」
「坂があるから気を付けてねって言おうと思ったんだけど」
「それを先に言えー!」
私は坂の下から反論した。体中が痛い。すり傷だらけである。
「もうやだー……なんなのよ、ここ……」
「大丈夫かい? あらら、傷だらけだね。ビャッコー! ちょっと来てくれー!」
シャオが上に呼びかけると、上から誰かが飛び降りてきた。
すごい音を立てて着地したその人は、さっきいたうちの1人で、筋肉質でガタイの良い大柄な男性だった。
「おぅ、シャオ。俺を呼んだか?」
「うん。この子をさっきの所に連れていってほしいんだ」
「でも、こいつ逃げただろ」
「それは、いきなりのことでびっくりしたんだよ。話せばわかってくれるさ」
1人と1匹は私を置いて、どんどん話を進めている。
私がぽかんとしていると、ビャッコと呼ばれたその人は、私を担いで地面を強く蹴った。
「きゃぁー! 今度はなに?!」
「おいおい、耳元で騒ぐんじゃねぇよ」
「騒ぐわよ! だって怖いもの!」
私とビャッコが言い合いをしているうちに、さっきいた神社まで戻ってきてしまった。
ビャッコは乱暴に私を下ろすと、他の3人の所に行った。
「いてて……もう少し優しく下ろしてよ……」
「ごめんねー。あいつ、ちょっと乱暴だけど、根はいい奴だから」
「ふんっ」
なんだろう、明らかに嫌われている気がする。
「失礼な子だね。いきなり私たちを見て逃げ出すなんて」
「スザク、そう言わないで。彼女は驚いて逃げちゃっただけなんだから」
スザクと呼ばれた赤い髪の男の人は、大きな扇で口を隠していた。
「あと、ゲンブ。すまないけど、彼女の傷を治してくれないかい?」
「……仕方ないな」
ゲンブと呼ばれた黒髪の少年は私に近づくと、傷に手をかざしてきた。
すると、徐々に傷は治っていき、あっという間に傷は治ってしまった。
「あ、ありがとう……」
「君は、敬語も使えないのか」
「え?」
「僕は君よりだいぶ年上なんだよ?」
私が目をパチパチしていると、シャオが飛んできて説明してきた。
「ゲンブはこんな姿だけど、かれこれ500年くらいはいってるかな」
「ご、500?!」
「まぁ、見た目にだまされないことだね」
私が驚いていると、ゲンブは私から離れていった。
どうしよう、第一印象は最悪だ。だって、逃げるなっていう方が無理な話だろう。
私は彼らに気づかれないように、心の中で文句を言った。




