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26、のんびり。

 俺とリリは孤児院のお店、コーデリア異世界雑貨店のオープンを見届けてから、ドリッシュ帝国の帝都ローランドに向かった。


 国王が探しているのは分かっているが、テレポートで逃げられるので焦る必要はない。


 再びジム〇をアイテムボックスから出し、俺達はドライブを楽しんでいた。


 最近のリリは初〇ミクが好きらしく、ドライブをしてる間は常にマジ〇ルミ〇イのDVDを再生している。


  Yo◯Tube で初◯ミクを見て以来気に入ったらしく、繰り返し見ていたので、留守番させたお詫びに俺が Amm◯zon で買ってプレゼントしたやつだ。


 初〇ミクが歌う曲の歌詞の意味を、リリが教えてくれせがむので、彼女が気に入っている曲の何曲かを教えてあげた。


 その甲斐もあってか、リリはDVDの初〇ミクと一緒に歌えるほどになっている。


 特に好きな曲は Ha◯d in Ha◯d が大好きらしく、何度もリピートしては一緒に歌っている。


「お兄ちゃん。リリ、日本語を勉強したい」


 ドライブの途中で綺麗な湖を見つけ、その(ほと)りの大きな木の下で、昼食にリリが作ってくれたサンドイッチを食べていると、彼女が突然日本語を勉強したいと言ってきた。


 勿論俺は反対する気はないが、どうして突然日本語を勉強したくなったのか気になる。


 俺はリリが生活するなら異世界が良いだろうと決めつけていたが、もしかしたらリリの考えは違うのかもしれない。


「突然どうしたんだ?」

「リリ、日本にいる時もお兄ちゃんと一緒に行動したい。そのために、日本語を勉強したい」

「日本で生活したいってこと?」

「そうじゃなくて、お兄ちゃんと一緒にいたいだけ」

「ふーん、良く分からないけど、勉強するのは良いことだから頑張ってみろ」

「うん!」


 リリが日本語の勉強か……


 もし喋れるようになったら、日本語が変な外国人でも通用するかもね。


 木陰の中を、湖の方から吹き抜ける涼しい風が気持ち良く、俺とリリは地面に寝転び、のんびりとした時間を楽しんでいた。


 人の命が粗末に扱われる異世界だが、こうやって大自然を楽しむなら地球とあまり変わらない。


 ある意味、地球よりも楽しめるだろう。


 その後も、お気に入りの場所を見つけては、食事をしたり大声で叫んだりと、リリと二人で異世界を満喫する。


 二日間だが、久しぶりにゆっくり休日を楽しんで俺達は、第一の関門であるバスタアニア王国とドリッシュ帝国の国境近くの森にいた。


「リリ、テレポートを使うから、手をつない…… どうして抱きつくんだ?」

「だって、一度空を飛ぶんでしょ。すこし怖いの」

「そっか、それなら仕方ないか」

「うん」


 抱きつくリリの肩に手を回し、彼女を連れて上空にテレポートする。


「綺麗…… 」

「あぁ、本当に綺麗だな」


 上空から国境向こうのドリッシュ帝国を眺めると、雲の切れ間から光のシャワーが大地を照らし出し、神が大地に降り立ったと言われても信じてしまうほど、神々しいまでの美しい景色が目の前に広がっていた。


 リリとともに息を呑むほどの美しい景色を眺めた後、後ろ髪を引かれる思いで帝国の大地にテレポートする。


 ドリッシュ帝国の地図は手に入らなかったが、大まかな場所はロンダさんから聞いていたので、ジム〇をアイテムボックスから出し、今度は帝国の大自然のなかでドライブを楽しむ。

 

 日が沈む頃に、小さな村にたどり着いたので、帝都ローランドの場所を確認するとマンションにテレポートして、その日は休むことにした。


 次の日、俺とリリは朝からドリッシュ帝国を、帝都ローランド手前の街、ザードに向けてジム◯で走り続ける。


 昨日村人に聞いた話によると、ローランドの手前にザードという名の帝国でも二番目に大きな街があるらしい。


 折角だから、俺達は一度ザードに立ち寄ることにした。


 ザードまでは、ゆっくりドライブを楽しんで二日ほど掛かり、その間リリは俺の好きな YO〇SOBI を聴きながら日本語の勉強をしている。


 だが、日本語の勉強に YO◯SOBI のアイドルは適してないような気がするが、本人が楽しんでいるので敢えて言わない。


 まっ、YO◯SOBI のアイドルは俺も大好きな歌だから、繰り返しリピートされても不満はない。


 ザードに到着すると、早速冒険者ギルドに行き掲示板を眺める。


 ここでもバスタアニア王国と同じで、魔物を狩ったほうが一番儲かるようだ。


 試しに王都にいる時に狩った魔物を買い取ってもらったら、王都より高値で売れた。


 好景気という話は、どうやら本当のようだ。


「リリ、折角だからここでも異世界雑貨店をオープンさせよう」

「えっ、帝都には行かないの?」

「行くけど、別に帝都にだけと決める必要もないだろ。これだけ大きな街なら、お店を立ち上げない理由が見つからない」

「それもそうね。分かった。それで、ここでも奴隷を買うの?」

「そうだね、そのほうが手っ取り早いからな」

「分かった。でも、買いに行くときは、リリも一緒に行くからね」

「あぁ、勿論だ。だが、その前に魔物狩りで資金を集めよう」

「うん。リリも詰め替え作業を頑張る」


 俺と魔物を手当たり次第に狩りまくり、冒険者ギルドで買い取ってもらい大金を得て、商業ギルドではリリに詰め替えてもらった日本の商品を買い取ってもらい、ここでも大金を得る。


 王国にいるときと同じ要領で大金を得ていくが、既にお金は夢を叶えるための手段になっており、俺達は目標に向かってひたすら走り続けていた。


 荒稼ぎしてると女性からのアプローチもたまにあるが、冒険者ギルドの受付のお姉さんに求婚された時は、リリが激しく嫉妬して大変だった。


 普段俺と手を繋ぐのも顔を真っ赤にして嫌がるくせに、女性がアプローチしてくると嫉妬して俺に抱きつくところは、母親を誰にも取られないように抱きつく小さな子供のようだ。


 普段は大人扱いしろと言うくせに、まだまだ子供だなリリは。


 ザードで荒稼ぎしながらでもロンダさんとの約束を守り、ザリューム奴隷商会に行きロンダの友人の奥さんと二人の子供を買い取った。


 奴隷として買い取った奥さんと子供は、ロンダさんに任せて俺達は直ぐにザードに戻る。


 奥さんと子供は、暫くは王都異世界雑貨店で仕事に慣れさせてから、異世界雑貨店王都二号店を立ち上げる予定なので、次に会うのはお店を借りてからだ。


 子供と言っても、長男は十八歳なので十分大人だ。

 

 よって新しく立ち上げるお店は長男の、ギルバートが見ることになるだろう。


 ロンダさんが新しく店を立ち上げようと頑張っているので、主人の俺も頑張らないと立つ瀬がない。


 俺は奴隷商会に行き、一組の夫婦を買った。


 夫婦を選んだ理由は、夫のアルバートが商会で働いた経験があることと、妻のマリーナが身重であったからだ。


 流石に身重のマリーナを、放って置くことはできなかった。


 王国とは違い、帝都での俺はある程度自由に動けるため、お店を立ち上げる店選びから参加することができる。


 俺とアルバートは物件を探しながら、一緒に働いてくれる従業員を募集する。


 従業員の募集は冒険者ギルドに依頼を出し、秘密保持契約を受ける事が条件だと伝えた。


 異世界では、従業員募集に秘密保持契約を条件にすることは普通なので、怪しむ人は誰もいない。


 物件が決まった頃、日本ではソーラーパネルの設置作業が始まり、俺は日本と異世界を行き来しながら死ぬ程忙しい日々を送り続け、リリに一緒に寝ることを強要される。


「なぁ、リリ」

「なぁに? お兄ちゃん」

「そろそろリリも、俺と一緒に寝るの止めたほうが良いと思わない?」

「どうして?」

「どうしてって…… 」


 こんな時、どう説明すればいいのか? 


 子供を育てたことのない俺に、性教育なんてできるわけがない。


 だからと言って、このままリリに流されて一緒に寝るのは、危険な行為で間違っている。


 今まで流されてきたが、リリは最近食生活が良くなったせいか、確実に成長していて胸だって膨らみ始めている。


 日本の食品が優秀すぎるのだろう、リリと出会って数か月だが確実に大人の女性に近づいている。


 勿論、伸び盛りということもあるが、女の子の成長は早すぎるんだよ。


 このままじゃ、俺が犯罪者に思われてしまうだろ。


 なんとかせねば……


「何もないなら、早く寝るよお兄ちゃん」

「お、おぅ」

「ほら、電気消して」

「わ、分かった」


 こうやって今日も、流されて一緒に寝るんだよなぁ。


 俺は、長い溜息を一つ吐いた。


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