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100回生贄として殺されたので101回目の転生では幸福な人生を願って令嬢になったけれど何故か元凶が偏愛してくる  作者: 桜居かのん
第五章 所詮逆ハーと見せかけて答えは出ているものである
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*********



目を覚ますとベッドに眠っていた。

夢だったかと起きようとしたら、自分の頭の下には何かあるし、目の前には肌があるし、自分の腰にはがっちりと誰かの手がある。


恐る恐る顔を上げれば、城で会ったあの体躯のしっかりとした男が目を瞑っていた。

長いまつげ、高い鼻。艶やかな黒髪が顔に一束流れている。

見れば見るほどこの世の者とはほど遠いできばえの顔だ。


「そんなにまじまじと見るほど気に入ったか?」


口元がニヤリと笑い、男が目を覚ました。

いやどうやらその前から目を覚ましていたようだ。


「この状況について説明を求めます」


「お前は約束通り我の世界に来て妻となった。

よって寝所を供にしている。何か問題があるか?」


大きな手が私の髪を撫でる。

それを嫌だと思えない自分が嫌だ。


「前回会ったときの話だけではよくわかりませんでした。

私はそもそもどうなるはずだったのか、詳しく話して下さい。

その前に、貴方の名前は」


自動的に上目遣いになって問うと、男は子供のように嬉しそうな顔をした。


「我が名は『ハデス』。冥界をおさめている」




ベッドに横たわり二人向かい合いながら、ハデスは話を始めた。

死者をここで迎えながら、何か大きな任を背負わす者などを選び、特にそういう者は転生先を覗いたりしていたらしい。


そこで私は一度目の死で世界の歪みを直す生贄の適正者として選ばれた。

本来50回で終えその後消える定めだったのを、ハデスが私を気に入り、無理矢理倍の100回にする変わりに妻に欲しいと周囲の反対を押し切って決めたらしい。

なお私はそんなこと知るよしも無く、無残に16歳の誕生日を迎えること無く100回殺された。


そしてその後こちらに来るのだから一回くらい好きにさせようと101回目のボーナス転生が決めたそうだが、結婚前に一人で自由に旅行するようなノリで決められていたのはなんなのだろう。



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