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100回生贄として殺されたので101回目の転生では幸福な人生を願って令嬢になったけれど何故か元凶が偏愛してくる  作者: 桜居かのん
第一章 101回目の転生くらい幸福で愛される人生を味わいたい。違う、違う、そうじゃない
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*********




「今宵のパーティーが実に楽しみだね」


朝食を囲み、奥に座る父が嬉しそうに語りかけてくる。

父親はまだ白いシャツを着ているだけなのに様になるイケオジだ。


父親は国王の側近であり、王族の血を引くこの家は公爵家。

貴族の中でも身分が高い。

おかげで何不自由なく私は育てられた。


頭が良く仲間に信頼される父、優しく時に厳しい母。

私に兄弟はいないが同じ公爵家で親族でもあるヘリオドール家とは親密で、その公爵家の長男で私の二つ上、18歳のディオンとは兄弟のように今も交流している。


ディオンは身体が弱く戦いに向いていないものの18歳とは思えない博識で、王家のブレーンとして仕えている。

黄色の目に優しげな風貌。

分け隔て無くとても優しい性格なので女性に人気も高い。


「今夜はディオンも来るのよね?」


「もちろん。仕事を早々に片付けてくると意気込んでいた。

それに、今夜彼は絶対に来なくてはならないだろうからね」


父は私の質問に思わせぶりな笑顔を見せる。

それがわからずに不思議そうな顔をしていると母が、まぁと呆れた声を出した。


「今夜は貴女の16歳の誕生日パーティーではありますが、貴女に正式に交際を申し込みたい殿方が来る日でもあるのですよ?」


え、とフォークを持ったまま言う。


「何ですかその驚いた顔は。

16歳となれば既に結婚していてもおかしくはないのです。

それを貴女が16までは誰とも交際せずに知識を身につけたいと言って、なら16歳の誕生日パーティーで交際相手を見つけることにしようと話し合ったではありませんか」


ですよね貴方、と母が父に同意を求め、父も深く頷いている。


しまった、そんな事忘れていた。

言われればそんな事があったかもしれないが、昨夜の情報量が多すぎてどうもティアナとしての記憶が曖昧になってしまっているところがある。


これはまずい。

もっと記憶を失っている場所があるのだろうか。

それともまだ混乱しているだけなのか。


「実はティアナ様は昨夜非常に夢見がわるかったようで、起きてからもぼんやりされていたのです。

よほど恐ろしい夢でも見られたのでしょう。

パーティーの準備までまだしばらく時間はありますし、その間ティアナ様はお部屋で身体を休めておいた方がよろしいかと」


斜め後ろに控えていたハーディスが助け船を出してくれ、両親は驚いた顔から一気に心配そうな表情で私を見た。


「確かに顔色が良くないな」


「いつも朝食はしっかり食べるのに進んでいませんね。

あと少し食べられるようなら口にして、その後は部屋でゆっくりしていなさいな」


「ありがとうございます、お父様、お母様」



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