13
唇を噛むように耐える。
目の前に居る男はおそらくただの人間では無い。
魔法を使う者でも無い。
自分の世界に私を招こうとするのだから、あぁそうか、この男は。
「貴方、神様なのね」
男は睨むように見上げる私に楽しげな顔をする。
「神か。
まぁそういうことになるんだろうな、お前の世界から見るのならば。
どうだ?興味が出たか?」
「ならこの世界くらいどうにかしなさいよ!!」
少し嬉しそうな顔にカチンときて、大声を出し城を指さす。
男は、ふむ、と考えるような素振りをし、
「この世界を消すことなら出来るが」
「違うわよ!人を助けるって事!」
何故通じないのか。
恐らく私の死を何度も見ていたはずなのに。
憤る私を男は難しそうな、よくわからないというのをありありとさせている。
「お前はわかってないだろうが、我々は何でも出来るわけでは無い。
この世界ではこの世界だけのルールがあり、それにより動いている。
生み出されれば後はこの世界の者達で進まねばならない。
唯一出来るのは消すことだけだ。
お前はそれを願うのか?」
頭に血が上りそうだけれどおそらく男の言っていることは正しいのだろう。
なのにむなしい気持ちが襲ってくる。
そもそも私は何も出来ていないのに、神だとわかったら何とかしろと縋るのもおそらく違う。
突然腕を掴まれ引き寄せられた。
がっちりと背中に手を回され抱きしめられる。
顔が!顔がその胸板にめっちゃ当たるのですが!
肌から伝わる体温が、この神という男も生きているのだと感じさせて恥ずかしさが一気に落ち着いてきた。
「何故こんなにも愛しているのにつれないのだろうな。
他の物などいらぬというのに」
その声はとても寂しげに聞こえた。
振り回されているのはこちらなのに、何故私が罪悪感を持たなければならないのだろう。




