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100回生贄として殺されたので101回目の転生では幸福な人生を願って令嬢になったけれど何故か元凶が偏愛してくる  作者: 桜居かのん
第三章 なんということでしょう、生贄のプロはその経験を生かさずにはいられなかったのです
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「どうぞ」


近くの椅子をカール様が引いてくれ、私は礼を言って座る。

カール様は対面に座るかと思えば、奥に行って何か持ってくると私の前のテーブルに置く。そして自分の前にも置いて座った。


「ここの湧き水なのですが冷たくてうまいですよ」


「いただきます」


貴族の使う薄いガラスでは無く、汎用性もあり耐久性のある分厚いガラスのコップに入った水を飲むと、本当に柔らかくて良い水だ。


「美味しいお水ですね。

ここは井戸より湧き水ですか」


「この村は裏の山に生かされているんですよ」


目の前のカール様に話したつもりが、シドさんがシチューを私達のテーブルに置きながら話してきた。


「木もあって湧き水も豊富、素晴らしいですね。

あの湖も湧き水が元だからこそ美しいとわかりました」


だがシドさんは私の言葉に困ったような顔になった。


「それがその大切な湧き水の出る場所が年々枯れてきていまして」


「先日聞いたよりも減ったのか?」


何度も見に来ているカール様はご存じなのだろう、カール様の問にシドさんはまだそこまではと答える。


「少し前まで雨が続いて湧き水が濁ったんです。

あの湖では山から水が流れ込む部分は茶色になるほどで。

今日は綺麗になっていましたから良いときに来られました」


シドさんが話していると他の店員さん達がパンや付け合わせの品などを持ってきてくれた。

キノコを炒めたものなどを見て、確かに山の恵みでこの村は生きているのだと感じる。


「この湖で捕れた小魚を焼いたのも美味いですよ」


カール様が私にそう言うと、


「今日はお酒をお出しできないのが残念ですね」


「一人というわけじゃ無いからな」


どうやら一人で来ているときはこの料理を食べお酒を飲んで馬に乗っているんだ。

何となくご機嫌で帰っているのではと考えると微笑ましい。

シドさんとカール様の付き合いは長いせいか気心が知れているようで、そういうプライベートな場所へ私を連れて来てくれたことが素直に嬉しかった。


「さぁさ、冷めないうちにどうぞ」


笑顔のシドさんに礼を言って私達は食欲をそそるシチューにまずは手をつけた。



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