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100回生贄として殺されたので101回目の転生では幸福な人生を願って令嬢になったけれど何故か元凶が偏愛してくる  作者: 桜居かのん
第三章 なんということでしょう、生贄のプロはその経験を生かさずにはいられなかったのです
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*********




見えてきたのは青い湖。

晴れた空の色をそのまま湖面が映すように光り輝いていて、私はわぁと声を出した。


今日は朝からカール様と馬で遠乗りしていた。

と言っても私だけで馬を扱えないため、大きな黒毛の馬にカール様と供にいる。

流石に二人でまたがっては馬にも負担になること、私の身体を考え休み休み来たのだが、森を抜けたところにある大きな湖は驚くほど美しい。


「気に入っていただけましたか」


「はい!」


ゆっくり馬を歩かせ、しばらく湖の畔を移動してからカール様に手伝って貰い馬から下りる。

今日は馬に乗るため、乗馬用の服を着て長い髪は一つに結んである。

デートならお洒落をと思うしカール様から貰った髪留めをしたかったけれど、落としたら大変なので我慢した。


「馬車で来られればティアナ嬢の負担を減らせたのですが、何分馬車の走れる道はここには無いので」


「ということは、この場所はあまり知られてないのですね。

そんな場所に案内していただけて嬉しいです」


素直に伝えると、いえ、とカール様は言って顔を背けた。

この恥ずかしそうな態度がたまらなく愛しい。


今居る場所は森から少し抜けた場所で湖が近い。

その対岸は緑の山が連なっているが、端の方の山肌は木々で覆われてはおらず広範囲に土が見えるようだった。


「あちらの山はどうなっているのですか?木が生えないのですか?」


私が対岸にある端の山を指さすと、あぁ、とカール様が、


「そうではなく木々を伐採した後です。

対岸の少し奥に小さな村がありましてそこは木を切って売ることを生業としています。

食事はその村に向かおうと思っているのですが、簡素な場所になる事をお許し下さい」


申し訳なさそうに言うカール様に、謝ることでは無いですからと言う。


馬車で来られるのならメイドと食事を持ってこられたのだが、こういう場所なので近くの村で質素な食事でも良いでしょうかとかなり気にしながらカール様は事前に聞いてきた。


私はそもそも転生の記憶があるせいか贅沢することが普通とは思えず、カール様の提案に楽しみですと返事をすれば、彼はそういう貴女だから良いのですと真面目な顔で言ってくれた。



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