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100回生贄として殺されたので101回目の転生では幸福な人生を願って令嬢になったけれど何故か元凶が偏愛してくる  作者: 桜居かのん
第一章 101回目の転生くらい幸福で愛される人生を味わいたい。違う、違う、そうじゃない
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「あー、それはぁ」


焦っている声。

おそらく言ってはいけないことを、口を滑らせてしまったのだろう。


だが見知らぬ誰かに勝手に選ばれて100回殺され、それで世界が幸せになった、良かったですね、なんて思えるわけが無い。


私はその時々に苦しみ、悲しみ、痛みを味わってきた。

まともな親も、優しい兄弟も覚えが無い。

どれもこれも辛く悲しかった。


そして殺される直前に毎回思う。

あぁまた私は16歳になれなかったのだ、そしてただ殺されるのだと思いながら。


「誰よ!誰なの、私をそんな目に遭わせたのは」


「いやぁだからその」


「世界を救った?

それ聞いてあー良かったですぅ。100回殺された甲斐がありました!

とか私が思うような人間だとでも?!」


「それは思ってないよ、そんな魂の者では調和する力なんて無いし」


「だから、首謀者を、吐け」


私のドスのきいた声に、白い世界が一瞬たじろいだのがわかった。

冗談じゃ無い!知らない誰かのせいで私は100回も殺されたのだ。


未だに沈黙が続いている。

私の苛立ちが高まると供に、何故かこの白い世界にジジッとラグのようなものが走った。


「ま、待って待って落ち着いて。

君が落ち着いてくれないとこの世界が消えてしまう。

そうすると本来の目的が達成できないんだ!」


焦る声と裏腹に、私はイライラが増えて仕方が無い。

だが私は数々の世界を調和するのに役立ったせいなのか、この白い世界で怒ると何かまずいらしい。


・・・・・・もしかして、私は世界を破滅させられる事も出来るのでは?


「ストップ!その危険思想!」


見えないが相手が酷く焦っているのはわかる。

どうやら私の考えを読んだらしい。

その上で否定しないところを見ると、どうやら私の考えもあながち間違っていないようだ。


「あの、ここに君を呼んだ本来の目的をだね」


「その前に首謀者を吐け」


「首謀者という言い方は・・・・・・。

とにかく本題!今回100回生贄を為したから、君には褒美が贈られるんだよ」


「褒美?」


怪訝そうな私の声に、そうなんだよ!凄いんだよ!と声が被さる。

どうやら首謀者を聞き出すことから話を逸らしたいらしい。

とりあえず聞いてみるか、その褒美とやらを。


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