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【超工事中!】てんさま。~転生人情浪漫紀行~  作者: Otaku_Lowlife
第二部 5章 デモーショナル
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berserk_10

「ヒヒン!? 全員…リタイア!?」


 先ほどの不毛な第三戦の次は、いよいよ本日の最終戦である「フードファイター」。

ようは大食い・早食い対決だ。 

これが終わればやっと解放されるのか、とホッとしていたのだが、事件は起きた。


「大変っちゃ大変っちゃ! どうするっちゃどうするっちゃ!?」


「どうする!? どうするどうする!?!?」


 と、ワタワタと焦る司会のホビットとユニコーン。

そう、先ほどの闘いで体力と気力を全消耗したホビット達は精神に異常をきたして一人残らず鬱状態になり、ナチュラルに帰宅。

更にユニコーン達は慣れない2足歩行で全身酷い筋肉痛になり、ナチュラルに帰宅。

あぁそうだ。

総勢22名、残らずナチュラルに帰宅しやがった。

因みにこれまでの総合得点だが……



 パンツァー 12ー14 ノーパンツァー



 と、なっている。

つまりこのまま引き分けとなれば、今日の勝利チームは「パンツァー」で決まりだ。

むしろもうそれでいい。

と、思っていたのだが……


「そうっちゃ! こうなった時は審判の方々に闘ってもらう決まりになってるっちゃ!!」


「ヒヒン! それだー!!」


 なぜ、そうなるんだ……。

そして今オレはノーパンツァーの代表として、ステージの席に座っている。

下手に抵抗すれば騒ぎになりかねん、そうなれば、後は説明せずとも解るな……。

して、この場合、下着事情的にシヴの方が明らかに適任だと思うのだが、「アイツは小食っぽい」という理由からオレにされてしまった。

なお、パンツァーの代表はというと、言わずもがな……


「うふふ。まさかこんな所で食べ放題にありつけるなんて、アタシたちって本当にラッキーよねっ!」


 ファラだ。

このバカが。

これの何がラッキーなものか。

隣に座ったアホ女がしめしめっと手を擦り合わせて、とても嬉しそうにヒッヒッヒッと笑っている。


「街は祭りを望んでいない……。」


「…え? なに? なんか言った?」


「いや、なんでもない……。」


これは、度し難いな。


「それでは早速いきましょう!

 最初のメニューは! これだー!」


「む……。」


「え?」


そうして運ばれて来た大きな器の蓋が開けられると、その中には……。


「ヒヒン! ピーナッツ虫の踊り食いだー!!」


「早速スタートっちゃあ!!」


 そして鳴り響くゴングと共に、戦いの火ぶたは切って落とされた。

…ふ、勝ったな。

あまりのイージーゲームに、思わず笑みがこぼれてしまう。

なにしろこれはオレにとってのご馳走な上、丁度腹も空いてきた頃だ。

そして虫類を常食としているリザードと違い、ヒュムにはその文化が一切ないと聞く。

ましてファラは仮にも女。

これはいきなりリタイ……ア……


バリッ! ゴリッ! ガリッ! ムシャムシャ!!


「なん…だと……?」


「ヒヒ~~~ンッ!! ファラ選手!

 両手で鷲掴みにして次から次へと口へ掻き込んでいくー!!!」


 なんという…ことだろうか……。

これは、グロいぞ。

ファラは器の中で蠢くピーナッツ虫を躊躇いなく鷲掴みにし、うぅ……。

ヒュムのこれは……見るに堪えない……。

言葉にするだけで吐きそうだ……。 

現にケズオリンピア民は目を見開いて仰天し、顔を引きつらせて言葉を失ってしまっている。

そしてドン引きしているシヴと目が合った。


「おっとメノ選手!

 呆気に取られて未だ手を付けられないっちゃ!

 勝負あったかっちゃ!?」


「は……。」


 そうだ……オレは、負けたくない!

例えどんなに下らん勝負であったとしても、オレはこんな頭の悪いヒュムの女に負けたくない、負けたくないのだ!

リザード族の、一族の誇りに賭けて、こんなバカ女に負けるわけにはいかないのだ!


「うぉぉおおおおおおおおおおおっ!!!」


「!!?!!!?」


バリバリッゴリゴリッガリガリッムシャムシャ!!


「あぁ~っとメノ選手! 凄い勢いで掻き込んでいくー!

 ヒヒ~ン! これは早い! 早いぞー!」


 ー ヒヒヒヒヒヒ~~~~~~ンッ!!!! ー


 オレの凄まじい追い上げに気圧されたファラが手を止め、驚きで目を見開いたまま固まっている。

あぁそうだ、そうしていつまでも固まっているがいいさ。


行ける。


行ける。


行けるぞ。


今なら、どこまでも行ける。


加速しろ、加速しろ、加速しろ。


覚悟が、執念が、信念が、魂が、オレを更なる高みへと導くのだ。


 ファラ、貴様にそれがあるか?

この高みへ、ついて来れるもの…な……ら……


ゴシャーーーーーーー!!! バリバリバリバリバリバリッ!!!


「な……嘘……だろ……。」


「ヒヒン……。は…あの女…まさか!!」


 あろうことか、ファラは…コイツは、器から、一気に胃袋へ流し込んだ、ピーナッツ虫を、生きたまま……。

誰もがその信じがたい光景に沈黙し、ピクリとも、動ける者はいなかった。

モリモリと貪りながら、勝ち誇ったように笑顔でピースをするバカなげっ歯類のようなファラの口から、ピーナッツ虫の黒い足が飛び出している。

そうか、コイツは……


「沈黙せし…ケズデットの食神……。

 ファイティング・モンチッチ……。ちゃ……。」


これは、度し難い……。



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