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最後の魔女は目立たず、ひっそりと暮らしたい  作者: アイイロモンペ
プロローグ
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プロローグ

 ここは、私の楽園、私の王国。

 ここは、アルム山脈の山すそ、人里はなれた森の中です。


 私、ロッテが住むここは、行商人のハンスさんが時折訪れる以外には訪れる人が居ない、そんな場所。

 ここに佇む古びた館と二百エーカーの敷地、それを取り囲む広い森と館の後ろにそびえる低い峰、それが私の世界の全てです。


 私は生まれてから十五年、ここから出たことがありません。

 

 えっ?馬鹿にしないで下さい、社会情勢くらい知っていますよ。

 行商人のハンスさんが、来る度に数種類のニューズペーパーを届けてくれるのです。

 ちゃんと、前回訪れたとき以降のバックナンバーを揃えて届けてくれるので情報は切れ目なく届いています。

 二ヵ月ほど遅れていますけど……。


 もっとも、それを知っているからどうということもありません。


 例えば、海の向こうでは蒸気機関という物が発明されたとのことです。


 それを用いた大きな紡績工場があちこちに建っていると読みました。

 工場ですか、周囲十マイルに住む人の無いここには関係ないですね。


 また、海の向こうで発明された蒸気機関車という物が、この大陸でも走るようになったとか。

 隣の大国セルベチア共和国の首都と近くの町の間で開通したと書いてありました。

 これも関係ないです、こんな片田舎に鉄道なんか敷いても乗る人がいないでしょう。


 同じく、蒸気で動く船も出来たそうですが、海のないここではますます関係ないです。

 川だって狭くて急流です、船など使う余地がありません。


 戦好きのセルベチア共和国がまた他国に攻め込んだ?

 それこそ関係ないです。

 人里はなれて街道からも外れたこんな場所を攻めてくる物好きはいないですもの。


 一事が万事そんな感じで、社会の情勢は知っていても、何の役にも立ちません。

 そんな、時代の流れから取り残された場所で私は暮らしてしています。


 でも、私の停まっていた時間は、一人の少女との出会いで動き出したのです。


 それは、私が十五歳、初夏のことでした。


 今日からこの物語を投稿させていただきます。

 今日は、本編の第1話から第5話も同時に投稿しています。

 予定を変更して話の導入部分をまとめて投稿することにしました。

 まとめて投稿して申し訳ございませんが、よろしくお願いします。


 明日以降は、前作同様毎日20時に1話投稿しますので、お読み頂ければ幸いです。 

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