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第十八話 エリザベスの放浪記2

 

「ふぅー、参りましたわね」


 ここでそんな溜息を漏らしているのはエリザベス・ケルト。

 現在、彼女が居るのはエストリア帝国東部の主要都市アルマダ領の安酒場である。

 今回はここから彼女の物語が始まる。

 

 

 

 現在、私が憂いでいるのは自分の所持金が少なくなってしまったからである。

 原因は予想外の出費であり、それは古都トリアで一箇月ほど滞在してしまった事による。

 親友(サラ)と遊ぶのが楽しくて、予定外に長く滞在してしまったけど、一泊数十万クロルもする高級宿に一箇月間過ごしたのは流石にやり過ぎだったと後悔している。

 その反省も踏まえて、次の滞在地のマースでは倹約生活をする事にした。

 住まいも安宿にして、食事も宿に併設されている酒場で済ましている。

 しかし、それは私にとって最悪の悪手だった。

 食事は美味しくなく、そして、衛生環境も悪い。

 お腹を壊した事だって一度や二度ではない。

 それに、宿の湯浴み場も共同で、他の男性客に覗かれたことも・・・

 そんな下種野郎には炎の鉄槌を下してやったが。

 それ以外にも、マースの街でいい思い出が一切得られなかったのも大きい。

 私のマースに対する印象は最悪だったが、その根底にはマース住民が帝都ザルツに対するライバル心が強すぎる事が原因にあると思う。

 私が帝都ザルツ出身である事を知ると、あからさまに嫌がらせしてくるし、買い物だって高い値段を吹っ掛けてくる。

 そんな田舎者根性だけは接していて本当に嫌になる。

 そして、マースで観光名所の『アストロ魔法女学院創設者が晩年を過ごした家』を訪れた時も最悪だった。

 私としては魔法に関する高度な展示を期待していたのだが、そんなものなどどこも在りはしない。

 ここにあったのは幼稚な展示と、高価なお土産物を売るだけの施設。

 展示は何処を見ても銀龍と戦ったとされる蒼い髪の伝説の魔女の事ばかり書いてある。

 しかも、そのミニチュア像はお土産品としてそれなりに売れているのだから本当に莫迦らしい。

 彼女――アストロリーナ・ラフレスタ――は、アストロ魔法女学院の創設者のひとりで、髪が蒼かったと言う伝説も残っているが、私はそれを眉唾だと思っている。

 髪色が特別なのは彼女が他の人間と違う存在だとアピールしたかっただけで、彼女の死後にそんな伝説を設定したのではないかと読み解いている。

 そもそも、この人物が残したとされる数々の伝説が魔術師としても常識外れ過ぎるのだ。


 魔法でリドル湖を半分干上がらせた?

 見渡す限りの海を凍らせた?

 辺境の主である銀龍と戦い、引き分けにした?


 どれも荒唐無稽で稚拙であり、本当に馬鹿にしないでよ、と思ってしまう。

 もし、本当にその魔法を成立させたとして、費やす魔力を計算してみると、それは途方もない数字が出てくるのだから。

 アストロ魔法女学院で秀才だった私が紡ぎ出した答えに間違いなどある筈も無い。

 この魔力値は人間では絶対に到達不可能な数字。

 本当にこの数値の魔力を『蒼い髪の魔女』ができたとすれば、それは伝説の魔女という存在を超えて、もう人間ではないと思う。

 神か悪魔のような所存だぞ、本当に・・・

 そんな逸話ばかりを強調しているここの展示物は、アストロリーナが特別な存在である事だけを宣伝している。

 まるで、怪しい宗教の洗脳のようだとも思ってしまう。

 もうこれは『お土産の像』を来館者に売るだけが狙いであると私の推察は至った。

 しかも、この伝説の魔女の存在をマースの住民は深く信じているようで、それが余計に腹立たしい。

 このアストロリーナという魔女がマース出身であることに由来しているようだが、私には魔女伝説で金儲けをしているようにしか見えなかった。

 これは魔法に対する冒涜だ。

 そんな腹立たしい気分で博物館を後にした私は、マースにはもう用が無いと結論付けた。

 こうして、私は最悪の印象しか得られなかったマースより離れる事を決断する。

 

 そして、私が次に訪れたのはマースより東に三百キロほど進んだ大都市アルマダ。

 現在、私がいる場所である。


 このアルマダはエストリア帝国の誇る四大都市のひとつであり、西の帝都ザルツ、中央の古都トリア、南のスタム、東のアルマダと言われ、帝国を代表している大都市だ。

 帝国に四つしかない大学が存在しているほど長い歴史も持つ。

 人口も多くて、人々の往来だって激しく、活気ある街。

 そんな喧騒の街で、私は先刻マースの反省から中堅程度の宿を取り、それなりに清潔な酒場で食事を摂っている。

 全財産を失うほどお金を消費している訳ではないが、それでも予定外に出費している事は確かだ。

 この先の事を考えると、ここで少し稼いでおいた方が良いかも知れない。

 私の計画では三年間家出する事を決めていたし、それぐらい時間が経てばラフレスタの乱の一件だって時間が忘れさせてくれるだろう。

 私の失敗は過去のモノとなり、世間からの注目も無くなると思っている。

 

「しかし、ここでどうやってお金を稼ごうかしら?」

 

 私は自慢ではないが、自分でお金を稼いだ経験は無い。

 何かの商売をする・・・いや、それは無理だろう。

 私に商売の才能があるとは思えないし、このアルマダは私にとって右も左も解らない土地。

 土地や物価の解らない人間が商売できるほど甘い世の中ではないと、私の中では早くもこの結論が出た。

 

「私にあるのは豊富な魔法の知識よね」


 今の自分の得意事が一体何であるかを考え直し、真っ先に出て来た結論がやはり魔法だ。

 

「それならば、他人に魔法を教える先生なんて・・・いや、それも面倒だわ」


 教師になる事も考えてみたが・・・教育と言うのは長く時間をかけないと成果がでない仕事である。

 生徒を募集して二年、三年と長い時間教えるのは、自分の性に合わないと思う。

 そもそも、そんな長い時間仕事をするつもりなど無いのだから。

 

「短期的に仕事をして、簡単にお金を稼ぐ方法って・・・」

 

 私がそんな独り言を呟いていると、ひとりの女性が近寄ってきた。

 

「旅の方、お金で困りのようですね」

 

 その女性は私に友好的な笑顔を魅せて、私が食事するテーブルの席に腰を下ろしてきた。

 

「アナタは?」

「ああ、私は通りすがりの者です。後ろで食事をしていたら、アナタの悩む声が聞こえたものですから」


 そう言ってニコニコ笑顔を崩さない親切そうな女性であった。

 

「あら、(わたしく)ったら、声が少し大きかったようですわね」

「いえいえ、私がたまたま聞こえただけです。それよりも短期でお金が必要だか。私で良ければ、何か力になれないかと思って」

「そうなのです。少し旅銀が足らなくなりそうで、何か手軽な仕事は無いものかと」


 私は自分の困っている事を素直に相談してみた。

 もし、相手に騙されていたとしても、私には力がある。

 この時点で相手から悪い事をされるのも無いだろうとの判断だ。

 最終的にどうするかはその時に決めればいい。

 それならば、自分が困っている事を素直に伝えてみれば良いと思った。

 

(わたくし)は旅の魔術師です。そんな(わたくし)の特技を生かして手軽に稼げる仕事がないものかと思い」

「アナタが黒いローブを着ているのだとすると、相当に実力はありそうですね」

「ええ。少々腕に覚えもありますわ」

「なるほど・・・そんな実力ある魔術師ならば、アルマダ魔術師協会で仕事を斡旋して貰うのが筋ですけど・・・」

「筋ですけど、と言うと?」


 女性のその意味深な言葉に私は何かあると感じる。

 

「現在のアルマダは魔術師も余りの状態です。それは争乱でクリステから逃れてきた人間も多くて、このアルマダで仕事をしたいと考えている魔術師が溢れかえっているからなのよ」

「なるほど。クリステの乱の避難民か・・・」


 私はこの女性の言葉に納得する。

 アルマダより東南の方角へ一週間ぐらい進むとクリステ領がある。

 そこはラフレスタと同じく内乱のあった場所。

 私に禁断の魔法薬を投与した悪の組織――獅子の尾傭兵団の本拠地だった。

 そして、クリステの乱はラフレスタのそれを超える凄惨な内乱だと聞く。

 多くの死者を出して、命からがら逃れてきた人間も多いと噂で聞いていた。

 

「そうなの。現在のアルマダはクリステより流れてきた人で溢れていて、仕事の奪い合い状態なのよねぇ」

「それで街に活気が・・・と言うか、人で溢れかえっているのはそれが原因だったのね」

「そう。ただし、クリステからは逃げてくるのは人だけじゃないわ。新たにクリステへ向かう人もここには多いのよ。あそこって近々独立するらしいからね・・・」


 その独立の話は私も聞いていた。

 それは帝皇デュラン様が戦勝記念式典で許可した事だから、帝国中の巷で話題となっている。

 

「独立の話は(わたくし)も聞いています。なんでも新しい国家ができるとか・・・まぁ、(わたくし)はあまり興味もありませんけど・・・」

「そうですねぇ。でも、魔術師ならば、その新しい国で働けば、仕事には困らないかも知れないわね。隣国のボルトロール王国と戦争になりそうだとの噂もあるから、国防関係の仕事ならば、一杯あると思いますよ」

「ボルトロール王国からの侵攻?」

「ええ、噂だけどねぇ・・・クリステの乱で逮捕した犯罪者の中にはボルトロール王国出身者が多いらしく、それをめぐって向こうから言いがかりをつけられているらしいのよ」

「へえー」

 

 私はそう軽く応えてみたが、彼女の話に深い興味は沸かなかった。

 クリステが解体されて新生国家エクセリアが樹立される事は既に聞いていたし、新しい住民を募集しているのも知っている。

 普通に知る以上に私はラフレスタ時代、このエクセリアの初代国王となるライオネル・エリオス氏とも直接話した事だってあるのだ。

 彼が誠実な人間であることも知っていたし、もし私がエクセリアに行き、彼と直接会う事ができたのならば、何らかの便宜を図って貰える可能性だってあると思う。

 しかし、件のライオネル氏とは最終的に敵対関係で終わっている。

 それは私が『美女の流血』と言う例の魔法薬で支配された結果であり、ライオネル氏と敵対関係になったのは私の本意ではなかったが・・・

 

(・・・駄目ね。この状況でライオネル・エリオス氏を頼るなんて、趣旨が間違っているわ)


 私はしばらく考えて、そう結論付ける。

 私が現在放浪している理由も、元を辿ればラフレスタの乱が原因なのだ。

 そのラフレスタの乱に関わったライオネル氏(彼は解放したという立場ではあるが・・・)を頼るというのも、何だか負けた気がしてしまう。

 だから、現時点で私がエクセリアに行くのにあまり乗り気では無かった。

 

「確かに、金になるのかも知れないけど、私は新生国家エクセリアまで行く気はないわ」


 そう答えた私に、ある意味納得するその女性。

 

「そうよね。国外に出るのだって抵抗あるよね。それならば、アナタ、私のお店で働きませんか?」

「お店?」

「ええ、そうですよ。私はこう見えて酒場(・・)を何件か経営している身です。ちょうど新しい店を出そうと思っていて、現在は人を探している最中です」

「あら。でも、私は給仕の経験なんて無いのだけど・・・」

「それは構わないわ。今、私の集めている人材はお客様を接客(・・)する女性ですから。給仕なんて誰でもできますけど、お客様と楽しい会話(・・)ができる人材って限られています。その点、アナタならば見た目も良いですし、頭も良さそうですから・・・一日当たり金貨一枚払いますから、どうですか?」


 一日で金貨一枚・・・それは一万クロルの価値である。

 なんて安いんだ、と思う。

 今、住んでいる宿だって一泊八千クロルは取られるのだ。

 それも中堅の中で、本来の私からするとかなり低いランクの宿なのに・・・

 私がそんな不服の顔をしていると、その女性からは割増の提案をしてきた。

 

「もっとお金を稼ぎたいならば、特別ボーナスだって出しますよ。金貨二十枚。いや、貴女ならば五十枚は稼げると思います」

「金貨五十枚・・・それは悪くないわね」


 私は突然訪れた幸運に少し顔が緩んでしまう。

 

「興味を持ってくれたようですね。それでは私のお店に行きましょう。詳しい話はそこでしますから」


 笑顔の女性はそう言って、私を伴い酒場の外へと出される。

 そこからアルマダの街中を二十分ほど歩けば、この女性が経営しているお店に到着した。

 そのお店は大きな建屋であり、それなりに造りも良い。

 いや、周りの建物に対して、ここだけが異常に高級、と言った方が正しいだろう。

 『ケバケバしい』と表現しても良い。

 そして、そのお店の入口周辺にはガラの悪そうな男が数人立っている。

 ここまで来て、世の中の事に疎い私でもここがどういう場所であるか理解した。

 所謂、娼館である。

 

「・・・(わたくし)はこの手の店に興味は無いのだけれども」


 そう抗議してみると、私を連れてきた女性からガシッと肩を掴まれてしまった。

 私が逃げないように捕まえたつもりなのだろう。

 そして、口調も少し変わる。

 

「あら、想像していなかった? 確かに詳しくは話していなかったけど、私が言った事に嘘はありませんよ」

「・・・」

「アナタならば見た目も良いし、身体だって悪くないから、絶対に稼げると思ったの」


 そんな事を言う女性は、私の胸を下からすくい、持ち上げられる。

 私の性感を刺激しているつもりなのだろうか?

 別に女に触られても嬉しくもないし・・・

 

「お察しのとおり、ここは娼館よ。しかもこのスタムの歓楽街では、かなり有名なお店なの・・・今度、私、新しいお店を出そうと思ってね。アナタのように見た目の麗しい娘ばかりを集めた高級店よ」


 私の胸を(もてあそ)ぶ女性は、そんな新たな事業展開の話を私にしてきた。

 

「ターゲットとしているお客様は貴族が大半。クリステを脱出した人間の中には貴族も多いのよ。そして、戦いで疲弊した心の荒んだ殿方は私達が癒してあげるの」

「・・・私に貴族男性の相手をしろと?」

「そうよ。貴族ならば、お金だって持っているし。もし、アナタが相手に気に入られたのならば身受けだって認めてあげるわ。そのときの相場は金貨五百枚で、半分は貴女にあげる・・・どう? 悪くないでしょう?」


 そんな金の話で私を釣ってくる女性。

 しかし、私はコレにげんなりする。

 

「いいえ、断るわ。(わたくし)はそこまでしてお金を稼ぎたくは無いもの・・・それに、そもそも私の旅の目的は変態貴族の元に嫁ぐのが嫌だったから始めたのよ。だから、貴族の情婦になるなんて、それこそ本末転倒だわ」


 話にならないと、私はこの商談を無かった事にする。

 

「なぁに。断るのぉ?」


 その女は私の胸を強く絞るように揉み、凄んで来る。

 脅しているつもりなのだろうが、私はこの女の小物ぶりに呆れるだけだ。

 確かに私は世間知らずかも知れないが、今まで修羅場を何度も経験してきた。

 この程度の脅しで怖がるほど弱くはない。

 

「その汚い手を放して頂戴」


 私は警告する。

 

「何よそれ。ここまで来て逃す訳ないでしょ!」


 そんな女性の荒々しい言葉に呼応して、娼館の入口に(たむろ)していた用心棒達が集まってきた。

 顔に傷のある男や、筋肉の盛り上がった男・・・正に悪人達だ。

 そんな悪人達に女主人が命令を出す。

 

「お前達、この娘の身体に男の良さってものを教えてやんな!」


 そんな女主人の命令に、悪人達の顔が嫌らしく歪む。

 普通ならば、多勢に無勢で、呪文の詠唱を必要とする魔術師にとって危機的な状況であるが・・・

 しかし、私はあまり危機感を感じていなかった。

 

「これが最後の警告ですわ。(わたくし)を解放しなさい・・・そうしないとヒドイ目にあいますよ」


 だけど、私の警告はこの頭の悪い悪人達にあまり意味を持たなかったらしい・・・

 

 

 

 

 

 

 数日後、私はアルマダの魔術師協会を訪問していた。

 魔術師として短期仕事を斡旋して貰うためだ。

 

「・・・そうですか。割が良く、短期で完結する仕事ってそうそう無いものですね・・・」

「エリザベス様、申し訳ございません。現在はクリステからの多くの魔術師の流入もあって、依頼人よりも請け人の方が多い状態でして」


 申し訳なさそうに現状を伝えてくる魔術師協会の受付嬢。

 その丁寧で礼儀正しい仕事ぶりは教育も行き届いていると評価してあげたかった。

 

「そうね。これは仕方ないわ・・・アナタのせいじゃないわ」


 私も簡単に仕事が得られないと諦めかけていた。

 受付嬢も申し訳なさそうにしていたが、そんな受付嬢の元に別の職員から唐突に一枚の紙が手渡された。

 その書類に素早く目を通した受付嬢は、私にひとつの依頼を提案してくる。

 

「これは今、入ったばかりの依頼なのですが、火事現場の調査が一件あります」

「火事現場?」

「そうです。一昨日、アルマダの歓楽街で起きた火災なのですが、娼館がひとつ燃えて多数の犠牲者が出ています」


 その依頼に私の目が泳ぐ。

 

「目撃証言からその火災の原因は魔術師による放火の疑いがあるのですが、あまりにも物証が残っていなくて、アルマダ警備隊から魔術師協会に協力要請が来たのです」

「そ、そうなの・・・」

「期間が十日ほどの協力で金貨五枚。真相究明に多大なる成果があると認められれば、増額でさらに金貨五枚です。これは破格の依頼ですし、短期を希望されているエリザベス様にはうってつけの依頼かと思われます。如何でしょうか?」

「うーーーん。いや、この依頼は止めておきましょう。私に捜査依頼は向かないわ」

「そうなのですか? 経歴書を見るとエリザベス様は炎属性の魔法にも大変優れているようですが・・・」

「い、いや。炎が得意だからと言って、それが捜査に向いているって道理はないでしょう? 私ったら炎をぶっ放すのは得意ですけど、って・・・あ、あなた、もしかして、火属性が得意な私がその犯人だと疑っているのかしら!?」

「・・・何もそこまで言っていませんが・・・」

「そ、そうよね。とにかくこの依頼は却下、却下よ。私は請けないわ」

「解りました。そこまで言われるのでしたら・・・」


 受付嬢と多少ちぐはぐなやり取りをする私。

 もう、この街に居られないと決意した瞬間でもった。

 

 こうなったらしょうがない。

 少しだけエクセリアへ行こう。

 あそこなら魔術師の仕事が一杯あるらしいから。

 そこで少しだけお金を稼げれば、それでいいのよ!

 

 こうして、私は生活の為にエクセリアへ行く事を決意した。

 


これで第四章は終了になります。

登場人物は既に更新済みです。

次回からは『神聖ノマージュ公国』編に入りますが、地図関係を登場人物の下段に追記しております。よろしければお楽しみください。


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