登場人物(主人公と地図)
〔物語:白い魔女と漆黒の騎士(ラフレスタの白魔女 第二部)登場人物〕
★主人公:
アクト・ブレッタ 二十歳 男性/大学生(研究補助員)・剣術士
魔法をなんでも分解・無力化してしまう魔力抵抗体質者の金髪青年。剣術士の名門ブレッタ家の次男で、ラフレスタ解放の英雄として祭り上げられている。研究補助員としてハルとともに帝都大学に通い、ハルの魔道具作製を手伝っている。好青年であり、帝都大学内では有名になり過ぎた自分を隠すためにアークと言う偽名を使う。銀色の普通の片手持ちの剣と、黒色の魔剣『エクリプス』のふたつの剣を帯剣している。この魔剣は滅多な事で抜くことはなく、通常は普通の剣で対応する。
ハル 二十歳 女性/大学生(研究補助員)・魔道具師
黒地に青の混ざる特徴的な髪色を持ち、魔道具開発に異常な情熱を注ぐ天才的な魔術師。若くして全属性の魔法が使えて、無詠唱魔法ができるなど達人的な魔術師素養を持つ天才肌。その正体は異世界から飛ばされてきた女性であり、元の世界に帰る方法を必死に探している。いろいろな事があってアクトと恋仲になり、現在は『心の共有』という魔法により互いの心を共有する存在となった。そんなハルは帝皇デュランから依頼を請けたとある魔道具を製作するため帝都大学に通っている。
白魔女エミラルダ 二十歳 女性/白仮面の魔術師
目元部分を白い仮面で隠す美人魔術師。すべての属性を無詠唱で放つことのできる無敵の魔術師だが、その正体は魔道具『白仮面』を身に着けたハルである。魔法の効果でエメラルドグリーンの瞳と長くて美しい銀髪の女性に化け、そして、女性も羨むプロポーションを持ち、魅力あふれる存在。『ラフレスタの乱』以降は周囲に引退を宣言していた彼女だったが、仮面を装着しているときはいろいろな力が強化されるので、それを利用するために時々白魔女へと変身する。
--- 地図データ ---
★ゴルト大陸:
東西四千キロメートル×南北二千キロメートルの大陸で、この惑星の北半球に位置する。
・エストリア帝国:
ゴルト暦元年建国の千年国家で、帝皇が支配する封建制社会。ゴルト大陸の西側三分の一を支配する巨大国家。
・ボルトロール王国:
ゴルト暦八七五年建国。
約三十年前に即位した国王セロⅢ世以降急激に拡大している国家であり、大きな軍事力を誇る。
近年、ゴルト大陸の東側を併合しつつあり、勢いのある国家。
・神聖ノマージュ公国:
ゴルト暦三一四年に建国された宗教国家で、ゴルト大陸の南側に位置している。
・砂漠の国:
ゴルト大陸の南西部に広がる砂漠地帯
・辺境:
ゴルト大陸最高峰のトゥエル山(標高五二四五メートル)を有す未開の地。
龍を初めする強力な魔物の棲家でもあり、加えて、珍しい魔族や亜人も生息している。
人間国家の開拓が難しい土地であり、有史以来、開拓は進んでいない。
各国から暗黙の了解で不干渉としている土地でもある。
・北方国家・南方国家
小国家が多く集まる。
ひとつひとつが弱くて小さい国だが、連合を作ってボルトロール王国に対抗している。
しかし、滅亡するのは時間の問題だと言われている。
・エクセリア国
ライオネル・エリオスがクリステの乱を鎮めたことにより大陸中央部に「エクセリア国」が誕生した。
現在は国王制だが、将来的には民主主義による国家運営を宣言している。
★エストリア帝国:
ゴルト大陸の西側に位置し、東西二〇〇〇キロメートル×南北二〇〇〇キロメートルの国家。
ゴルト暦一〇二二年現在、第四十二代皇帝デュラン・ファデリン・エストリアが統治しており、国は豊で安定している。
ここ三百年ほどは大きな戦争を経験していない平和国家でもあり、ゴルト大陸の実質的な覇者でもある。
教育熱心な国家としても有名であり、全国民に初等学校までの義務教育を課している。
・帝都ザルツ
現在のエストリア帝国の首都であり、政治・経済の中心地。
エストリア帝国を支配している帝皇の居城がザルツの中心に存在している。
貿易と経済活動が盛んであり、ゴルト大陸経済の中心地でもある。
ラフレスタから約二日の距離に位置する。
・ラフレスタ
別名『学園都市』と言われるほど学校の集まった城塞都市。
また、この城壁都市の周辺にも小さな村が点在しており、それらを含めて『ラフレスタ地方』として扱われる。
一年を通して気候が安定しており、過ごしやすい地域でもある。
・港町クレソン
閑静な港町で、大魔導士リリアリアの故郷。
・古都トリア
かつてのエストリア帝国の首都であった都市。
約千前にこの地でエストリア帝国が建国され、四百年前に現在のザルツへと遷都している。
現在は歴史ある街並みが残っていて、どこか落ち着いた平和な雰囲気の都市でる。
トリアの北側には海のように大きなリドル湖があり、この湖畔にブレッタ家の屋敷がある。
トリアの南側は辺境が近く、時折、辺境の魔物が暴れることもある。
・スタム
エストリア帝国南部で一番規模の大きい要衝都市であり隣国の神聖ノマージュ公国や砂漠の国とも近い。近隣諸国との交易も盛んであり、様々な文化が入り乱れている。帝国の南に位置しているため、暑い気候で乾燥している。
★帝都ザルツ:
エストリア帝国の首都で政治経済の中心地。
★砂漠の国:
砂漠の国とはゴルト大陸の南西部に広がる砂漠地帯を示す。辺境より吹く異常に乾燥した風が砂漠の原因だとも言われていて、鉄鉱石の雨が降る過酷な場所。国と称しているが正式な国家が樹立されているわけでない。現在は砂漠の牙と呼ばれる一族が実効支配している。砂漠にはオアシスが点在していて、そこに人々が暮らしている。
・オアシス・ナリウク
商人の町。スタムとの交易で栄えており、砂漠の国では最も人口の多いオアシス。
・オアシス・アプルテ
砂漠の北のオアシス。すり鉢状のオアシスで砂漠の国の巫女の本拠地。暗殺者養成の訓練所や暗殺者組織『蟲の衆』の待機連絡所もある。ミールや蛍の生活の本拠地でもある。砂漠の国の巫女の信仰が強く、ここの住民は巫女の信者が多い。
・オアシス・牙王城
選ばれた人間のみが住む事を許されたオアシス。住人は牙王とその側近、そして、上流階級者と牙王が擁護している鍛冶師達である。砂漠の国で最大のオアシスであり、その中心に一枚岩をくり抜いた『牙王城』が存在している。ここに牙王が住んでいる。
★神聖ノマージュ公国:
ゴルト暦三一四年建国の宗教国家であり、英雄ハルシオンⅠ世によって建国されたのはゴルト大陸で英雄譚として有名な物語となっている。平和・融和を掲げるノマージュ教を国教とし、現在は総司教ヤコブ・ローレライ・アナハイムⅥ世が統治している。平和・融和を掲げるノマージュ教を国教としていて建国以来国内で大きな争いは起きていない。首都アレグラは神聖魔法使いである修道僧の総本山にも当たるため、人が多く集まり賑わいをみせている。他国との関係は中立を保つ。
★辺境:
ゴルト大陸の中心に鎮座する人類未踏の地。強力な魔物と中心にそびえるトゥエル山には伝説の銀龍が住むと言われる魔境。
★エクセリア国:
ライオネル・エリオスがゴルト歴一〇二三年六月五日に建国した新生の国家。旧クリステ領とその周囲をエストリア帝国より割領して誕生した。東の国境はボルトロール王国、南の国境は辺境を有している。ゆくゆくは民主国家を目指しているが、現在はクリステの争乱から復興の途上である。
★ボルトロール王国:
ゴルト暦八七五年に建国した比較的新しい国家。三十年前に即位した国王セロⅢ世の政策により急激に領土を拡大している軍事国家。現在はゴルト大陸の東側を次々と併合している。ゴルト大陸中央部に存在する山岳地帯に隣接する場所に首都エイボルトがあり、『世界一進んだ都市』と自称している。ただし、最近は東沿岸部に新興都市リースボルトを開発しており、ここに遷都することも噂されている。