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普通の勇者とハーレム勇者  作者: リョウタ
2章 スキル「???」
22/217

プロローグ 〜スキルとの出会い〜

沢山の感想ありがとうございます!


本日2回目の投稿です。


今回、新キャラ登場。


朝、昨日と同じ時間に目が醒める。

この世界に来て四日目だが、この広い部屋での目覚めは未だに慣れないな。


橘達と顔を合わせるのが嫌なので昨日から起きる時間を少し早くしている。

生活リズムをあんな奴に変えられるのは癪だが、お陰様で昨日は一度もアイツに遭わなくて済んだぜ!

訓練所にも来なかったみたいだしな!


穂花ちゃんに会えなかったのは少し残念だけど、あの子は良い子だから、弘子の兄である俺がひとりで居ると気を使って話掛けに来てしまうだろう。


あの子と橘の仲は死んでも応援しないけど、だからといって引き剥がすと好感度が下がりそうだし……



──まぁとりあえず飯にするか。


俺はベットから起き上がり、食事場へと向かう事にした──




「もうお目覚めですか。おはようございます、マイマスター」


「……ふぇ?」



完全な不意打ちだった。

ベッドから起き上がり、着がえよとしていた俺に聞き覚えのない女性の声が聴こえてきた。


俺は声のした方を向くと、ベットの脇にその女性は立っていた。


水色の長い髪の毛に青い瞳をした女性。

見た目は、人形みたいだな…めちゃくちゃ綺麗だ。



そんな女性が何故か俺のベットの脇に立っており、目を覚ました俺に対してマスターとか言って話掛けてきた。

いや、突然のことで理解出来ないんだが…俺寝る前になんか召喚したんか?



「もうそろそろこの世界にも慣れた頃合いかと思い、馳せ参じました」


「いや、まだ全然慣れてないけど……てか誰?」


「もう四日目ですよ?」


「まだ四日目だぜ?……ところで誰なの?」


「それと早起き過ぎません?もう少し寝ててもよろしいですよ?」


「いや誰だか名乗ってくれない?!」



全く自己紹介をしようとしないんだがコイツ……てか体の所々が機械で出来てるみたいに見えるな、アンドロイドってヤツなのか?顔は人そのものだけど。

この世界に獣人とか龍人がいるのは聞いてたけど、機械仕掛けの生命は聞いてないな。


まぁ本人に聞けばいいか。

よく分からない、なんか嬉しそうな表情でこちらを見ている彼女に問い掛けた。



「もしかして、ロボットの方ですか?」


「……なるほど……マスターには私が心の通っていない人形に見えるのですね、ぐすん」


「…な、泣いてるのかい?」


「え?ぐすんって言っただけですけど?」


「くっ、言い方腹たつ!」



俺のことマスターとか言ってたよな?

明らかにマスターに対する態度じゃないぜ?



「もう少し勿体振りたかったのですが、仕方ないですね。教えて差し上げます」


彼女はやれやれといった感じでわざとらしく首を振ると、ようやく自分の正体を語り出した。



「私の正体は、あなたのスキル、アルティメット・マスターズ・スペシャルです」


「アルティメット……なんて?」


「この世で唯一の自立人型スキルです」


彼女はドヤ顔で言ってくる。

自立人型スキル?凄いのだろうか?


更に彼女は自身の詳しい説明を行った。


「マスターのスキル項目に【???】と記載されていたスキルがありましたよね?そのスキルの正体が、この私、アルティメット・マスターズ・スペシャルです」


本日2回目のドヤ顔である。

アルティメット何とかを口にする時は、本当に誇らしげだ。

とりあえず彼女の性能はさておき、俺の【???】の正体がわかって良かった……いや、能力については良く解って無いけど。



「それで、何か特殊な能力でもあるの?」


まさか彼女が存在する事だけがスキルって訳ではないよな?もしそうだとしたら戦えるのかコイツ?



「イエスでございますマイマスター……わたしには全部で3つの能力が備わってます。いまマスターに教えられる能力は第1能力だけですが、必要な局面になったら残りの2つも解放致します」


「全部で3つ……その能力ってどれも凄いのか?」


「まぁ早い話がチートスキルですね……」


「おお!やったね!」


「はい、ですので、どうか私任せで思う存分成り上がってくださいまし、ゲス野郎」


「なんだその言い方!ええ!?俺はマスターなんだぜ!?」


「あまり強い言葉を使うと弱く見えますよ?」


「なん……だと……?」



ちょっと嬉しくて変なテンションだったな……穂花ちゃんと比べた時の自分の弱さに凹んでたからな。


でも目の前の彼女に頼ると言うことは、彼女が言う通り人任せみたいな感じになるのだろうか?……まぁ良いけどね!



「能力が3つあるのは解った。それで結局、今使える第1能力ってどんな効果なんだ?」


「能力名、パーフェクト・ヴァリアヴル(完全防御)……その能力効果はバリアです」


「バリアか……なんかショボくね?」


「!!……おう、短い付き合いだったなマスター、ぶっ殺してやるんで表に出て下さい」


「おう?やんのか?俺はアリアンさんに稽古をつけてもらった程の男だぞ?つぇーぞ?」


「あ、あのアリアンに!?」


「スキルなのにアリアンさん知ってんの?」


「いえ?知りませんよ?」


「こ、こいつっ!」



なんて女だ……こいつある意味ブッ壊れスキルだろマジで。脳みそが。


俺がショボいと言ったのがよっぽど不服だったんだろう、むっとした顔のまま自らの能力の有用性について語り出した。



「マイマスターはバリアを甘く見ている様ですがそもそも、この世界に回復魔法や身体強化魔法はあれどバリアなんて無いのですよ?つまり私のバリアはこの世界唯一のものです」


この女、自分の弁明の為なら一切ふざけずに喋るんだな。

俺がそんな事を考えている中、彼女は更に説明を続けていく。


「加えて私のバリアはその名の通りパーフェクトで、持続時間こそ制限が有りますが、効果が発動している限り如何なる攻撃も突破を許しません」



おお!なんか詳しく説明を聞くと確かに凄そうだ!

使い所は難しそうだが、絶対防御ってのは凄いな。


能力もあと2つあるみたいだし、彼女の言う様に本当に彼女はチートスキルかもしれない。



「んで?今の説明を聞いていう事は?」


「すいませんでした」


「次は無いですよ?」



くっ、ていうか本当にムカつくな、このアルティメット何とか……いや、それにしても呼びにくい名前だよな。



「なぁなぁ?聞きたい事があんだけどさ?いいか?」


「なぁなぁ?……随分気安いですね??」


「良いじゃん良いじゃん!仲良くしよぜ!」


「で?聞きたい事とは?」


「え?スルー?仲良くしてくれないの?」


「……もう、今回だけ特別よ?」


「サンキュー!マザー!」


「ノープロブレムよ、チルドレン」



なんだこのやり取り……思わず乗ってしまったが……いや、仕掛けたのは俺か……ま、まぁ良い。

とりあえず早々に要件を済ませる事にする。



「アルティメット・バスターズ・ゴージャスだっけ?君の名前?」


「アルティメット!!マスターズ!!!スペシャル!!!!二度と間違えないでくださいねっ!!」


「ひぃっ……ご、ごめんなさい」


「取り乱してすいません」


「本当にな」



てか話進まねぇな。

面倒くさくなった俺は無理矢理に話を続けた。



「アルティメット…マスターズ…スペシャル…か……」


「そんなマジマジと名前を呟かれたら照れちゃう!」


「おだまり!」


「うぃっす」


「さっきから情緒がおかしいよ?大丈夫?」



頭のネジ飛んでんじゃないのか?見た目機械だけに。

俺は呼びにくい名前を何とかしたかったので、また文句を言われそうだったが、彼女にある提案をする事にした。



「名前を愛称で呼んでいいか?…例えば、アルティメット・マスターズ・スペシャルだから、それぞれの頭文字を取って【アルマス】なんて呼ぶのはどうだ?」


「……っ!!!」


「嫌か?名前付けられるの?」


「名前、ですか?……私の名前?」


「嫌なら──」


「アルマス!私の名前!アルマス!アルマス!ふふふ、アルマス!」


「…嬉しそうだな?ええ?気に入ったかい?」


「いえ、別に」


「そんなバカな!」


いやどう見ても気に入ってるだろ?

でもアルティメット何とかを毎回言うのは嫌だし、長い付き合いになりそうな相手をお前と呼び続けるのも嫌だったので、気に入ってくれたのなら良かった。


それと喜んでるところ申し訳ないが、適当に考えた名前だぜ!



「あと、私のことは誰にも言わねぇ方が良いですぜ?自立人型スキルなんてこの世界じゃ存在しないんで、バレたら面倒くさいだわさ」


「お前、言語機能狂ってんの?」


「おまえ?」


「あ、はい、アルマス」


「自分で付けなさった名前なので、貴方は責任持って金輪際アルマスとお呼び下さい、マイマスター」


変なところに拘る奴だな。

……いや、今出会ったばっかりだが、アルマスに関しては突っ込み所しかないので、もはや何も言うまい。



「私はあなたの中を自由に行き来出来ますので、普段はあなたの中に眠ってますが、お呼び頂けたら直ぐに馳せ参じますので、よろしくおねがいします」


「超便利だな」


「……それと、しつこい様ですが、くれぐれも人前で呼び出さないでくださいね?これはマスターの為の忠告です」


「オーケー、とりあえずよろしくアルマス」


「……ぁ…」


「どうした?」


「いえ、もしかして私の中と聞いてやらしいこと考えたんじゃないかと」


「…まぁ、少し」


「やだ、変態!やっぱり私の身体が目当てだったのね

っ!」


「そうだとも!これから楽しみだなぁ」


「私はここで汚されるのねっ……!」


「…もう満足したか?」


「はい」


「よし、帰れ」


「では引っ込みまーす」



引っ込むといって俺の中に入ろうとするアルマスだったが、不意に動きを止め何かを思い出したかのように言う。



「それと最後にもう一つ忠告がございます、マイマスター」



さっきから自分語り以外では真面目さの欠片すら見せなかった馬鹿スキル女が、急にマジなトーンで話掛けてきた…なんだろうか?



「どうした?」


先程までとは違うアルマスの姿を見て、流石にふざけて返すべきでは無いと判断し、俺も真面目に返事を返した。





「私に隠れて自家発電なんかできると思うなよ?」



「最後くらいはちゃんと締めようぜ!」








──てかマジで?もう出来ないの?






♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎



松本孝志

称号:勇者

種族:人間

腕力 F

速度 F

魔力 E

知力 C+

技術 D

抵抗 E

精神 S


スキル

豪運 逆転の秘策 危険察知 アルティメット・マスターズ・スペシャル(アルマス)



《アルマス(アルティメット・マスターズ・スペシャル)》


第1能力《パーフェクト・ヴァリアヴル(完全障壁)》

範囲内に絶対防御のバリアを展開する。

ただし、持続時間は最大で5分。

一度バリアを解除すると、再び発動までに3分のインターバルが必要となる。

また、離れた場所にバリアを張ることも可能。



第2能力《???(???)》



第3能力《???(???)》









マヌケなやり取りですが、アルマスが今の孝志の唯一の戦闘手段となります。



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― 新着の感想 ―
[一言] ヴァリアブルとバリアは全く違う意味だけど誤字じゃない? 裏効果ある感じ?
[気になる点] 恋愛関係以前にヒロインの兄への嫌悪に気づけないのは、主人公の洞察力がないのかヒロインの擬態力が凄いのか。 [一言] いろんな作品のネタを笑える程度にオマージュとして、散りばめてるのが良…
[良い点] この作品滅茶苦茶好き。主人公は周りの人達とネタに突っ込みやすいけど、それが面白い。 それに加え、上手い具合に話が進行しているので、読みやすい。 [一言] ハーレム勇者、ぶち穀す
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