かけがえのないモノ
今日から連載を再開します。
5日以上、投稿間隔が開く場合前もって連絡しますので、また宜しくお願いします。
これは、弘子と出会う前のアルマスの話。
彼女の人生が大きく変わった……そんな時の話。
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~アルマス視点~
人生とは面白みのないものだ。
産まれた時から自我があり、人のように成長する事もない……文字通り人形として存在しているのが私。
「アルティメット・マスターズ・スペシャル。今回の任務も無事に終えたわ。全て貴女の支援スキルのお陰よ。何か褒美を取らせましょう……何が良いかしら?」
年老いた聖女は笑顔でアルマスに語り掛ける。
一見、人の良さそうに見える老婆だが、それは建前に過ぎない。聖女として異世界から無理やりこの世界に召喚されて50年以上の月日が流れたと言う聖女。
これだけ長い期間この世界で不自由ない日々を過ごしても尚、聖女は呼び出されたその日から自分を無理やり召喚したこの神殿、この国、この世界を恨み続けているのだ。
故に結局婿も取らず、彼女は独身のまま近い将来この世を去る事になる……と、アルマスは彼女本人にそう聞かされた。
兵器として造られたアルマスの存在が自分と重なったのだろう。年老いた聖女はアルマスにのみ心を許していたのだ。
──尤も、アルマスはその彼女にすら心を開いていないが……
「いえ、それが役割なので」
玉座に腰を降ろす聖女。
その近くに居た教皇がアルマスを叱咤する。
「──おい!!アルティメット・マスターズ・スペシャル!!聖女様に対してなんと素気なく無礼な!!」
怒りの声を上げる教皇。
しかし、そんな彼を聖女が咎めた。
「無礼なのは貴方です。私の前で大声を上げるんじゃありません」
聖女が睨みを効かせると教皇は顔を青くして引き下がる。聖女と同じ位の年齢と見受けられるこの男性は聖女に頭が上がらないようだ。
教皇が黙ったのを皮切りに聖女は話を続けた。
「貴女の支援魔法のお陰で、私は本来以上の力を発揮し、迫り来る魔物を数多く浄化する事が出来ました……それに対する礼を受け取って頂けませんか?」
「いえ、興味ありませんので」
「………」
その後もやり取りは続くが、結局、アルマスが褒美を所望する事はなかった。
これ以上は無駄だと悟ったのか、聖女も溜息混じりにアルマスを下がらせる。
「……では、次回も頼みますよ?……けど、次はちゃんと報酬を払わせて頂戴ね?」
「はい。失礼します」
アルマスは深く頭を下げると、周囲に睨まれながらその場を後にした。
──────────
「アルティメット・マスターズ・スペシャル!!貴様っ!!なんだあの態度はッ!!?恥をかかせるな!!人形風情がッ!!」
「……はい。ですが、本当に欲しいモノが無かったもので」
──私は空っぽ。
「黙れ!!誰も貴様の欲しいモノなど聴いてないわ!!ワシや研究者達が欲しがる物くらい解るだろう!?」
「いえ……ですが聖女様は私が欲しいモノを聴いて来たので」
──欲しいモノすらない。空っぽ。
「……!!……ああ~くそっ……本当に融通が効かないヤツだ。人工生命体は性格だけは作れないからな……!!お前は失敗作だよ……!!」
「申し訳ありません」
──知ってる。だって何をしても楽しいと感じないんだもの。
「国宝品だから一切危害を加えられないが、そうでなければ引っ叩いておるぞ──全く、今のところワシらに何の利益も生み出しておらん!ただ莫大な開発費用を使い潰しただけだ……!!──お前なんぞ造らねば良かったのかもな!!」
「……申し訳……ありません……」
──要らないのなら自由にして欲しい。でもそれを求めても叶わない。だから言わなかった。
研究者はアルマスを思う存分罵り部屋を後にした。
アルマスが収容されている真っ白な部屋は、綺麗に手入れを施されたベッドしか設置されておらず他には何もない。余りにも質素な部屋だ。
また、アルマスは食事を必要としない。
味覚はあるので食事を取ること自体は出来るものの、アルマスに食事を与えても食材の無駄だと、今まで用意された事は一度もない。
綺麗な環境に置かれているだけで、その扱いは──
──奴隷そのものだった。
アルマスは何もない部屋の中で、色のない天井を見上げながら眠りに着いた。
─────────
──アルマスが眠っていると、凄まじい轟音と共に警報が鳴り響いた。その音で目を覚ましたアルマスはベッドから体を起こして周囲を窺う。
「…………」
しかし、真っ白な部屋に異変はない。もっと別の場所で何かが起こった様だ。鍵の掛かったこの部屋からは、自らの意思で出る事なんて出来ない。
だったら仕方ないと、アルマスは身体を倒しもう一度眠りに着いた。
「──きて」
「……ん」
「──ねぇ、起きて」
「……え?」
聴き覚えのない声に驚いたアルマスは、ゆっくり顔をそちらへ向ける。
すると、そこには髪の長い女性が立っており、ベッドで横たわるアルマスを見下ろして居た。
髪の色は黒で、更に黒のレザージャケットを着ている女性は、どこかカッコつけた印象だとアルマスは思った。
しかし、そんな女性の独特な印象も、この部屋に知らない女性が訪れてる予想外な出来事に掻き消されてしまう。
「……どうやって此処へ?」
「ある人に、アンタを救って欲しいと頼まれてね。聴いた話だと、貴女って酷い扱いを受けてるんだって?」
「…………貴女には関係ないです」
──うるさい。赤の他人が私の心にずかずか入り込まないで。
だけど、なんでかな?
こんなに素っ気ない態度なのに女性は嫌な顔一つせず──
「取り敢えず部屋を出ましょう。息が詰まるわこの部屋」
「……あ、ちょっ」
──あろう事か私の手を引き、部屋から連れ出そうとしている。
止めても聴いてくれない。
このまま勝手に部屋を出てはまた怒られてしまうのに……なのに私は抵抗せず、彼女に引かれるまま外へ出た。
研究者に囲まれずにこの真っ白な部屋を出たのは、これが初めてだった。
部屋の外へ出ると、先ほど私を口汚く罵った研究者が顔の腫れ上がった姿で地面に横たわっていた。恐らくは私を部屋から連れ出した女性の仕業だろう。
ぼろぼろの研究者は意識が有るようで、私に気付くと縋るような目で助けを求めてきた──
──けど私は彼を無視し、女性の後を追うことにした。意外にも悩みや葛藤が無かったのは自分でも驚きだ。
また、迷わず着いていく決断をした私を、女性は嬉しそうに見ている。
女性……そう言えば名前を聴いてない……でも良いわ。多分、この人とは長い付き合いになると思うから。
「あら?意外と仕事が早いのね?」
「あ、聖女様。頼まれた通り、このアルティメ……なんとかちゃんは救いだしましたよ。後は適当にやりますよ」
「………ッ!?」
神殿の裏口には、なんと聖女様が待ち構えていた。
爆発の騒ぎで此処には聖女様と私たち以外誰も居ないが、話を聞く限り連れ戻そうと来たわけでもなさそう。
それどころか、今の話だと聖女様が今回の騒ぎに加担しているように聴こえてしまう。
そんな事を考えていると、動揺して目をパチクリさせてる私の前へ聖女様がやって来た。
そして、労いの優しい言葉を掛けてくれる。
「……ふふ、貴女の欲しいモノ……確かに渡しましたよ?」
「私の欲しいモノ……?」
──なに?それは私にも分からない。
「良く分からないって顔をしてますね……貴女、自由が欲しかったんじゃないのかしら?」
──自由……それは安易に欲して良いモノなのだろうか?
「……本当にそうなんでしょうか?──けど、外へ出れば自由になれるのですか?」
「ええ。確証はないのだけれど、この松本弘子とは同郷で信頼もおける人物です。それと歳はまだ若いですが、私と同じで向こうの世界に旦那と子供を残しているわ」
「それは……」
─なんて可哀想なんだろう。松本弘子……向こうから来た者が再び戻る事は出来ないと聴いたことがある。彼女は二度と家族と会う事が出来ないんだ。
「──さぁ、そろそろお行きなさい。そろそろ誰かやって来る頃ですよ」
「では失礼します!!──行くわよ、アルティメちゃん!!」
「あっ、待って、松本弘子、まだ聖女様と──」
私は強引にその場から連れ去られてしまった。
手を引かれながら振り返ると、聖女様は口元をパクつかせて何かを呟いていた。
声は聞こえない……だけど、何を言っているのか、口元の動きでハッキリと解る。
『しあわせにね』
──玉座で見せる作られた笑顔ではなく、心から優しそうな表情を浮かべる聖女様の姿に……私は涙が止まらなかった……
……さよなら、優しい聖女様。
でも、こんな私が幸せになれるのかな?
──────────
──それから、私は弘子と世界を観て周った。これまで閉じ込められていた鬱憤を晴らさせてくれるかの様に、彼女は色んな冒険に私を連れ出してくれた。
偶に聖王国から追ってが来たけれど、私と弘子の敵では無かった。
更には色んな街を救い、色んな人に感謝され、美味しい物も沢山食べさせて貰った。初めて食べた屋台の焼き鳥の味は今でも忘れられない。
自由とは本当に甘美で、どこまでも幸せなのね……それを教えてくれた弘子、聖女様……本当にありがとう。
弘子とはいつも一緒だけど、もう一人の恩人である聖女様とは離れ離れ。
それでも、いつかは御礼に行きたいと思っていた。
しかし、弘子と旅をして2年が経った頃、その聖女様が死去されたと知る。
そして私はまた涙を流した。
──────────
それからも語りきれない程たくさんの出来事があった。
弘子が魔王アレクセイを倒して仲間にしたり、それで弘子を追放した当時の国王が廃嫡されたりと……とても刺激的で、命懸けで、でも楽しい日々を過ごして居た。
「──アルマス。恋愛って興味ある?」
アルマス……弘子がアルティメット・マスターズ・スペシャルは言い難いからと、新しく付けてくれた名前だ。物凄く気に入ってる。
「唐突にどうしたの?私には弘子とアレクセイ達が仲間で居るならそれで充分だけど?」
「仲間……ねぇ……ふふ」
「もぉ~、頭を撫でないで。子供じゃないんだからね?」
「まだ産まれてそんなに経ってないでしょ?子供よ子供」
「……別に良いけど」
頭撫でられるのは嬉しい。
でもね、弘子?
恋愛なんて私には縁のない話よ。
弘子は家族、アレクセイ達は友人として信頼してるけど、それ以上に誰かを思うなんて想像も付かない。
きっと異性を強く想うなんて出来ないわ。それに誰かを深く愛するなんて私には似合わないと思う。
私はやっぱり失敗作……特に感情が壊れて居るんだわ。こればかりはもう諦めるしかないわね。
それからもラクスール王国からお詫びに貰った城で暮らしながら、楽しい日々を過ごした。
──そんな中、私達を引き裂く事態が発生する。
一度この世界に召喚されてしまったら、二度と元の世界へは帰れない。
その筈だったけど、女神様が現れ特別に弘子と私を向こうの世界に転送させてくれると、話を持ちかけてくれた。
だけど、私のスキルの所為でそれが叶わなくなってしまった。それを知り悲観に暮れた私と弘子だったけど、自責の念に駆られる私と違って弘子は直ぐに気を持ち直し、ある提案をした。
それはスキルの影響を受けない私を、単独で向こうの世界へ送るというもの。その計画を聞かされた時は、てっきり弘子に見限られてしまったと絶望したんだけど、どうやらそうでは無いらしい。
この世界に来て既に三十年の月日が流れている……けど、向こうでは3年しか時間が経過して居ないのだ。
だから弘子は、まだ若い旦那と幼い娘を私に守って欲しいと……そう話してくれた。
正直、弘子と別れるのは寂しい。
弘子は既に五十を越えた年齢に差し掛かるが、聖女様と同じで、向こうの世界の旦那さん一筋……異性と関係を持つ事はとうとう無かった。
だから彼女がどれだけ向こうの家族を愛し、どれほど強く想って居るのか、私は知っているのだ。
……だから私は弘子の提案を受ける事に決めた。それに二人っきりで旅を始めた頃と違って、今の弘子には沢山の仲間が居る。
アレクセイ、ハルート──
それと、旅先で魔王討伐のパーティーを組んだ【不老不死の龍人姫】、【吸血鬼の姫君】
──彼彼女らが弘子を支えてくれるだろう。
だから私は、最後に弘子と沢山……これでもかと言うくらい、沢山話をして別れた。
──今までありがとう、弘子。
私を救ってくれた恩人で、友人で、家族で……そして何より、私にとってかけがえのない大切な人。
もう二度と会う事は無いと思うけど、松本家は子孫まで私が守るからね?
こうして私は女神ティファレト様の力で向こうの世界へと転移した。
──────────
──しかし、とんでもないトラブルが発生した。
原因は解らない。
でも、向こうの世界へ向かってる最中に、座標がズレてしまった様で、私は想定よりも到着するタイミングが遅れてしまったのだ。
それも数日や数ヶ月程度のズレではない……20年。それも向こうの世界基準の20年だ。
前途多難……弘子の旦那と娘を見守る為に来たというのに、これでは弘子に申し訳が立たない……!!
しかし、幸いにも二人とも元気そう。
良かった……これでもし、二人が不幸な状態だったら私は…………
…………ん?
そこで、ふと私はある事に気が付いた。
転移は弘子の娘の元へ向かう様に設定されて居たので、目の前にいる二十代の女性は弘子の娘・京子である事は間違いない。
でもおかしいのは、この場所と……京子が抱いている小さい生物……そして見渡す限り、この建物には似たような生物が沢山居るみたい。
その生物とは赤ん坊だ。驚いた事に、私は京子が赤ん坊を出産した数日後へと転移したみたい。
ならこの建物は病院ね。
……うん、予定はだいぶ変わってしまったけど、今からでも遅くはない。これから彼女や弘子の旦那……それに、この赤ん坊を護って行く事にするわね。
それにしても赤ん坊を間近で観るのは初めての経験ね……顔は向こうを向いてて良く見えないのだけど、どんな表情をしているのかしら?
どれどれ。
……………
……………
……ひ。
瞬間、アルマスに電流走る。
──ひげぇぇぇッッッ!!!!何この子!!?何この子!!??可愛いいいい可愛いい!!!恐ろしく可愛いぃぃ!!!
私は思わず飛び引いてしまった。
立っていられないわ……なんなのこの子……?
現実の生き物なの……?
──もう一度チラッと……あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛何あれぇッ!!?ヤバイ、鼻血出て来た……た、堪らん。
やっぱり立っていられないんだけど?
……というより──
え?もしかしてコッチ観てる?
私の美し過ぎる容姿が周囲を驚かせるからって、弘子の提案で霊体化してコッチの世界に来たと言うのに、あの子には私が見えてるの?
もしかしてこれが運命って奴?相思相愛?
ヤバテンション上がって来ちゃった。ひひひ。
いやいや、赤子は大人が見えないモノが見えるって言うから、これはそういう類いのアレね。
期待させちゃってこの子ったらもうっ!……でも赤ちゃんだから仕方ないか。
しっかしあらやだわこの子、どの角度から観ても可愛いんだけど……しんどいわ可愛すぎてしんどい。
「キャッキャ!!」
……………嘘でしょ?コッチ観て笑いかけてる!?
おいおいおいおい女神様と天使と妖精のハイブリッドかよ、いや更にそこから十倍したような可愛さね。
コッチは既に死ぬ寸前なんですけど?太陽越える程の眩い笑顔でトドメ刺しに来るのやめて!!
松本京子、あなたとんでもない生物を産んだわね……一体どうやったの?でもグッジョブ。
「うふふ、孝志ちゃん、初めて笑ってくれたわね?」
と、京子は呟いた。
それを聞いてアルマスは更にキモくなる。
──え?これが孝志ちゃんの初笑い?
私ってば、この子に初めて笑いかけられた程の存在にまで昇格したの?やったわ。
それと孝志ちゃんって言うのね……孝志ちゃんの初めて頂きました。
…………
………ってか孝志って何よぉぉ!!
名前まで可愛いじゃない!!!反則よ!!退場よ退場よ!!孝志ちゃん退場!!
違約金としてアルマスと一生共に居る事を命じます。
おお、審判ありがとう。
もう顔中舐め回したい!!いやもう舐め回すし!!
孝志ちゃんぺろぺろ……って霊体化してるんだったぁぁーー!!!!ああああぁぁッッッ!!これだと舐めまわせないっ!!
……もう今この場で解除しようかしら?
騒ぎになるけど京子だけ抱っこしてるさっきからずるい!!私の孝志でもあるのに独り占めしてずるいずるいずるいずる……ん??
ここで私はとんでもない事に気が付いた。そう、この世界には魔力が存在しないのだ。
しかし霊体化、実体化の際には空気中の魔力が必要不可欠。よって魔力が存在しないこの世界では実体化も霊体化も出来なくなってしまうのだ。
つまり、もう実体化する事が出来ない……それを知り私は酷く絶望した。
──嘘でしょ?
弘子、何してくれてるの?
何故!!霊体化した状態での転移なんて勧めたの!!?コスプレ趣味の精神異常者め!!
い、いえそんな事を言ってはダメよ!!弘子は大事な人なんだから……!!
ああでも私の計画が……この子が成長したら手を出すつもりだったのに、それが出来なくなってしまったわ。
私って見た目だけは信じられないレベルの可愛さだから、成長した孝志ちゃんを魅了しようと思ってたのに……実体化出来ないなら、お風呂や着替えを覗く位しか出来ないじゃないのよぉ。とほほ。
──はぁぁぁ~~……最悪だわ……
でも、他の赤ん坊達は全然可愛くないのね。
赤ん坊ならみんな可愛いかと思ったけど、ハッキリ言ってブサイクだわ。なのに孝志ちゃんなんでこんな可愛いの?
っておおぅ?!京子!!乳飲ませようとしてるんじゃないわよ!!ああ羨ましいっ!!私も飲ませたいっ!!
でも私って乳でなかったのよね。
私を造ったイカれジジイ共め……!!私を失敗作扱いしてたけど、乳が出ない事が最大の失敗よ。
いえどっちにせよ、そもそも実体化が出来ないんだったわ……身体中舐め回す事が出来ないとか生殺しだわこんなの。
……でも理解したわ、弘子。
これが貴女の言っていた愛と言うモノなのね。
今の私になら弘子が会えない旦那さんに拘る気持ちも解る。この子を愛してしまった私には、もう孝志ちゃんしか見えない。他の男とか心底どうでもいいわよ。赤ちゃんとか関係ない。成長したら立派な雄になるのだから。
はぁぁぁぁ~~……実体化出来たら、今すぐにでも全身ぺろぺろするのに……いえ、考え過ぎても落ち込むだけね。
もう一度、孝志ちゃんを観て気持ちを落ち着かせるとしまんほほおおぉぉぉーー!!か゛わ゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!!
弘子っ!!私、いまやっと幸せを見つける事が出来た!!なんとなく解るっ!!私はこの子と出会う為に産まれて来たんだわ!!うふふふひひひぃ。
──こうしてアルマスは、真実の愛を見つけるのであった。でも弘子が言っていたのは、多分こういうのじゃないはず。やはりアルマスは脳に欠陥がある様だ。
孝志の容姿は至って普通です。
次回から新章に入ります。
冒頭から穂花ちゃん回です。