幻想ミッドウェー戦記 ナチス・ロシア攻略編 その7
バイエルライン上級中将の苦闘は続く。敵方にはかなりの智謀の軍師が要るようだ。
幻想ミッドウェー戦記 ナチス・ロシア攻略編 その7
その日の夕方バイエルライン上級中将は配下の武官たちと夕食を共にし次の作戦内容を考えながらも夕食を楽しんでいた。
夕食も終わり掛けた時突然第3陣を守る補給部隊の指揮官ホフマン少将が士官食堂に飛び込んできた。
ホフマンと同期のリンゼ少将が声を掛ける、オイ、ホフマン食堂で食い損ねたのか?
冗談ではない!総司令官閣下申し訳ありません!第3陣が陥落しました。
そこにいる全ての者の顔が引きつる!どういう事だ!
総司令官バイエルライン上級中将はホフマンを呼び止め落ち着いて説明するよう促した。
ホフマン少将は座らされ、話し始める、周りにバイエルライン上級中将の部下たちも座った。
その日の夕方何時もより補給部隊にトラブルがあり少し遅れると第4陣から伝令が来た。
通信の妨害が激しいので最近は無線機では深夜以外の通信は難しくなっていた。
その日の夕方遅く第4陣から補給のトラック部隊が裏門より入ってくる、基地の守備隊はその日のノルマを熟して早く夕食にありつきたいと勤務に精を出していた。
基地隊員が残る任務に集中している時、何時もより多くのトラックが入って来た事に櫓で待機している守備隊員も何時もの光景なので気が付かない。
多くのトラックが停車し多くの守備隊が降りて来る、彼らは物見櫓や塀の上で外を見張っている守備隊を銃撃する。
守備隊も反撃に移るが侵入した歩兵は1万人近くいたので、堀の上にいた守備隊は全滅する。
更に開いた南側の門よりモンゴル騎馬隊9万余が突入してきた!守備隊5万余も漸く反撃に移るが後手に回ったのは当然の状況だ。
次第に守備隊は圧倒され第2陣への敗走が始まる。この時翌日第2陣への武器・弾薬・食料等の配送を準備していた為そのまま1万の部隊と共に第2陣へ敗走したのだった。
ホフマン少将の説明はこれで終わった。現在でも第3陣では攻防が続いていた。
現状は効いたとおりだ皆の意見を聞きたい時間が無いのでまとめて話すように!
副官のベルト中将がすぐさま10万の主力部隊で応援に向かいましょう!と発言する。
参謀長のレノマス上級少将がそこで言葉を挟んだ。
敵側には恐ろしい智謀の軍師がいるようです。
敵襲から既に物見を放っておりまして、探知した所敵の3軍各10万余がこの陣地から南2キロの所に布陣しています。
更に第3陣と第4陣の間にも何か動きがあるようです。
我々が主力部隊を率いて第3陣に向かえば敵はここぞと手薄な第2陣を強襲して落としてしまうでしょう。
そうなれば我が軍は敵に前後を挟まれ、この地で全滅させられるでしょう。
参謀長レノマス上級少将の言葉を聞き誰もが顔を青ざめさせて、次の言葉を待った。
司令官我々の取る道は一つしかありません。現在交戦中の第3陣の部隊を速やかに収容し、相手の強襲に備える事です。
現状ではそれしかあるまい!幸いここには20万の兵の3か月分の食料や備蓄燃料、弾薬もあり、ホフマン少将が持ってきた第3陣の物資を加えれば半年は持つ。
バイエルライン上級中将はライガン少将とリグナ少将に命じて第3陣の部隊の援護を命じ他の部隊には守備を固めるよう命じた。
藍3陣が奇襲で落ちた。第2陣のドイツ軍は前後を挟まれ苦戦する。ここから果たして挽回出来るか?
 




