幻想ミッドウェー戦記 ナチス・ロシア攻略編 その6
蜀王国軍の司令官王泉は参謀長の意見を入れて第3陣への奇襲を発動する。
幻想ミッドウェー戦記 ナチス・ロシア攻略編 その6
蜀王国軍の司令官王泉は平凡な将軍であり、凡将とか昼行燈とか呼ばれていたが其の採用する戦法は常道であり、誰もが取る方法を常に選択していた。
最後に発言した参謀長兼軍師たる董苗がいつも通り締めくくる。将軍ここはまずドイツ軍の鋭鋒を鈍らせることが肝要です。第3陣を奇襲しましょう。
一番常識的に合うやり方だろう、バイエルライン上級中将率いる15万余の部隊はよく鍛えられた部隊だB級師団だがそれを感じさせない程よく訓練されていた。
主力戦車は今は少し古くなった80ミリ砲を持つパンターⅠで主力のA級師団が装備するパンターⅡの88ミリ砲よりは戦力が落ちていたが、まだまだ戦える。
ロシア軍の主力戦車はT-34,35で76ミリ砲に過ぎないのだ。アメリカ軍の主力も76ミリ砲を持つシャーマン戦車だしドイツ軍の戦車が進んでいたのだった。
現在では98ミリ砲を持つタイガーⅢやパンターⅢが完成まじかであった。
アジア連合の主力戦車は88式戦車甲で名前通り88ミリ砲を持っていた。
日本軍は98ミリ砲を持つ3式重戦車を配備しつつあり、ドイツより少し先を走っていた。更に108ミリ砲を持つ3式駆逐戦車(砲塔固定式)も配備されつつあった。
現在は128ミリ砲を持つ5式重戦車を試作中で年内には試験車両が完成する見込みだ。
168ミリ砲を持つ2式自走砲も88式自走砲としてアジア連合では生産が進み配備されていた。
日本軍では188ミリ砲を持つ3式自走砲が整備されつつあり、戦力的にはドイツ軍を上回っていた。
王泉はモンゴル騎馬隊より1万余の軽歩兵を選んで第3陣への補給部隊を編成しドイツ軍の制服と軍用車両でカムフラージュさせていた。
何時も向かう補給部隊より少し遅れて補給部隊はドイツ軍指揮官の元(捕虜より転向した者)夕やみ迫る中補給部隊は到着する。
本来の補給隊はモンゴル騎馬隊がせん滅していたので、ダブる心配は無い。
補給隊が到着した時には夕闇が背後の部隊迄隠していたので、2千余の補給部隊が1万余に増えたことも分からなかった。
ドイツ軍指揮官の号令で補給部隊は簡易陣にゆっくり入っていく、いやにトラックの群れが長いなと守備隊の配下たちが見ているとトラックよりサブマシンガンを持った兵が一斉に下りて来る。
戦闘が開始され見張りの少数の部隊はたちまち打倒され、現在守備部隊の大半は食事か休息に入っていて、対応できるものは極少数だった。
1万の軽歩兵の後方からは9万余の騎馬隊が雪崩れ込んで来て忽ち第3陣は陥落した。
ドイツ軍3万余と補給部隊1万余が表門から敗走しバイエルライン上級中将に第3陣が陥落したことを知らせた。
ドイツ軍の守る第3陣は奇襲を受け脆くも陥落した。バイエルライン上級中将に打つ手はあるのか?




