幻想ミッドウェー戦記 アメリカ東海岸攻略編 その7
西ヨーロッパを支配するナチス・ドイツとの決戦であるが、ビザンツ帝国及びパルティア王国、呉王国等の諸国で建造中の戦艦や大型空母の完成に後2年の期間が必要であった。
この為アジア連合は決戦を2年後に定める、それまではアメリカを中心とした戦力でイギリスを助ける。
幻想ミッドウェー戦記 アメリカ東海岸攻略編 その7
1944年10月10日
遂にアメリカはアジア連合に対し無条件降伏を受け入れた。是で太平洋での戦闘はほぼ終了した事になる。
是から色々な取り決めもあり相当長い協議が続くだろう。兎も角ハワイ及びグアムなどの海外領土は放棄させ、中米・南米における利権も中・南米連合が継承することとなる。
ただベネズエラの石油だけはアジア連合の直轄となった、その他チリの硝石、アルゼンチンの畜肉や、ブラジルの綿花、石炭等も重要物資に指定され連合本部で管理される。
又治安維持の為各州にある州兵部隊は武装を弱化させてその存在を認めたその規模は合衆国全体で各州に付き2個連隊で54州では108個連隊となる。
1個師団4個連隊編成のアメリカ軍では27個師団規模となり、国防軍は基本的に武装解除を受け一部の防備部隊のみが存続を許された。
海軍においては軽巡洋艦を中心とした船団護衛部隊と港を守る護衛駆逐艦、水雷艇、駆潜艇、海防艦、掃海艇等の小型護衛艦艇部隊。
空軍においては偵察部隊と基地防衛のための戦闘機部隊P-40,P-38等を中心とした旧式機の部隊。潜水艦対策のカタリナ水上偵察機を中心とした対潜哨戒部隊。
陸軍は武装を弱化させスチュアート軽戦車等に劣化した戦車部隊・砲兵部隊と40個歩兵師団が存続を許された。
以上を5年の期間として認めた。更に5年後に再び協議会議が設けられ戦力に関しては協議の上決められる事になる。
ただイギリス本土にあるP-47の戦闘機部隊4個中隊とP-38の5個中隊は引き続き防衛任務を与えられた。
更にB-17の4個中隊とB-24の4個中隊はイギリス軍に譲渡されイギリスは購入費用を借金としてアメリカに戦後支払はられる形となった。
パイロット達は傭兵となりイギリス兵が慣れ次第本国に帰還する。当然傭兵代も付けとなる。
アメリカの爆撃機や戦闘機のパイロットは訓練だけは自由に行えたので現在ある航空機での操縦訓練は何時ものように行われていた。
連合内ではアメリカの戦力を低下させるのは戦争継続中の今の時期はアジア連合にも不利益となる為もっとアメリカの戦力を積極的に活用すべしとの意見も多く出た。
連合内でも色々な意見が噴出し、アジア連合の5盟主国の5軍司令官によって決定されることになる。
結局は物凄い戦歴を持つ雪風元帥が何時も決めることになるのであるが、元帥は午前中に7人委員会をいつも招集し今日の午後からの会議での対応を纏めていた。
1週間前より3名の参謀長が組織の参謀を使って作戦内容を纏め上げ、5名の補佐官が修正を加え、副将たる5虎将軍の筆頭知将英星光が完成させる。
ゴーグル侯国の4大将軍の一人雪風元帥様をこの様な小事で煩わせるような恐れ多い事は許されない!最近副官に任命された天水の姜維車騎将軍が檄を飛ばす!・・・・
ただ日本軍がこれ以上前に出るとビザンツ帝国らに迷惑がかかる。漢帝国及びアジア連合の5大国が準備完了となる2年先まで待たねばならない。
其の為にもアメリカ軍に頑張ってもらうしかなかった。ただアメリカ特に海軍の将軍たちが多く戦死し、艦隊司令官として有能な者が少なかった。
捕虜や病人、若手の中堅士官らの中からも人材の探索が始まる、是に凡そ3か月を要した。その中である程度有能な者が選ばれた。
アメリカ軍には来年初頭3個の任務部隊を編成し、大西洋における制空・制海権の奪還を目的とする。
モンタナ級の大戦艦の建造には後1年ほど係るが、アイオワ級戦艦8隻は年内に完成し、その他にも多数の艦艇が竣工する。
エセックス級空母8隻、カボット級軽空母12隻、アラスカ級巡洋戦艦8隻ウイチタ級重巡洋艦12隻、クリーブランド級軽巡洋艦16隻ファラガット駆逐艦48隻が加わる。
これ等で3個任務部隊を編成しナチス・ドイツの大西洋艦隊と対決させる!
イギリス・アイルランドに対する緊急の物資輸送に対しドイツから猛烈な抗議があったが、何とか誤魔化した。ただドイツも最終的にはアジア連合との決戦は避けられないと思っているだろう。
何時始めるかに両者の思惑が複雑に絡み合っていく。ただイギリスとフランスを隔てるドーバー海峡の制空権はほぼイギリス側にあり、制海権はほぼ互角の争いが続いていた。




