幻想ミッドウェー戦記 アメリカ東海岸攻略編 その4
日本軍とアメリカ軍の航空戦は大損害を出しているアメリカ軍に対し、殆ど損害を受けていない日本軍に軍配が上がる。
幻想ミッドウェー戦記 アメリカ東海岸攻略編 その4
7月に入ったアメリカ軍と日本軍は互いの前進基地を中心に航空戦を繰り広げていた。
昼間はアメリカの陸軍航空隊が攻め、夜間は日本軍が夜間爆撃でアメリカの軍需工場や基地施設、インフラ施設、鉄道、道路、発電所等を次々と破壊していった。
特にフロリダ方面では激戦が続いていた。雷電Ⅱを主力とする日本軍の防空部隊はその強力な4基の20ミリ機関砲でアメリカの大型爆撃機を次々と撃墜していく。
例えB-29でも雷電には敵わない、前世のチャチナゼロ戦ならいざ知らず。B-29の持つ連装20ミリ機関砲でも損傷を与える事は出来るが上手く当たらなければ雷電を撃墜出来ない。
その雷電より強化された雷天は黒い機体からブラック・マーダーとしてアメリカ軍から恐れられた。20ミリ機銃でも撃墜出来ない雷天の防御力を破る戦闘機は無かった。
自動空戦フラップを持つ飛燕や鍾馗は運動性に優れ、アメリカで対抗出来そうなのはP-51であるが、まだ開発もされていなかった。
其れの開発を思いついた技術者と工場施設がバミューダ基地からの最初の爆撃で吹き飛ばされ、関係者は全て戦死していた。
この為この世界ではもしかしたらP-51は出現しないかもしれない、出て来るにしても大幅に遅れるだろう。
アメリカ陸軍の主力戦闘機は相変わらずP-38やP-39、P-40で少数ながらP-47サンダーボルトが加わっていた。
日本軍はP-47の生産工場をすべて把握していて7月に入るや東海岸にあった工場はすべて破壊された。
日本軍は着々と成果を上げていたが、アメリカ軍機は日本の基地にも接近できていなかった。強力な雷電や雷天の為B-29と言えども瞬殺されてしまう。
その他の爆撃機は歯牙にもかけない、唯一P-47のみが対抗出来たが、初期の内に生産工場はすべて破壊される。
この頃から海兵隊が使用するF-4U等も出現するが着艦時の視界が悪い事もあり、操縦のしやすいF6Fが優先された。
F6Fは順調に生産されていたがやはりパイロットのレベルが低いので苦戦していたし、主力武器の13ミリ機銃6基では1式戦鍾馗を撃墜するのも苦労していた。
昼間攻めて来るアメリカ軍機は強力な迎撃機の攻撃を受け殆どの爆撃機は撃墜され、基地に接近するや正確無比の高角砲に1基残らず撃墜された。
日本軍の長15センチ両用砲は最高高度1万2千メートルまで攻撃でき、8門が同時に5式対空弾を打つことで、1キロに及ぶ火炎弾幕を発生させた。
この火の弾幕に覆われれば中は1500度Cあり、全ての航空機は燃え上がり、爆発して何も残らない!恐怖の火炎地獄を出現させる強力な5式対空弾だ!
この為基地に接近した敵機は全て撃墜され戻ってくることは無かった。
出撃したアメリカ軍機は途中で敗走した部隊以外は帰ってこなかった。
アメリカ軍のっ士気も下がる一方だ。出撃した艦隊、爆撃部隊等1隻、1機も帰ってこなかったのだ。士気が上がるはずがない。
テキサスの油田地帯は爆撃で燃え盛り現在でも消火の目途が立たない。各地のインフラは殆どが潰され、ガソリンや電機の供給も途絶えて久しい。今年に冬を越す灯油もない。
世間では反戦デモが各地で頻発し、戦争をやめて欲しいのプラカードを掲げたデモ隊と警官隊が各地で衝突していた。
国民も戦争反対を政府に対して表明し、トルーマン政権は倒れる寸前であった。
ただ彼らには唯一の希望として年内に完成するアイオワ級戦艦8隻があった。
更に同時にエセックス級空母7隻、カボット級軽空母10隻、ウイチタ級重巡洋艦8隻、
クリーブランド級軽巡洋艦12隻、アラスカ級巡洋戦艦4隻がある。
これ等は年末までに完成し、来年春日本への反撃を行うアメリカ軍に取っ手の希望の艦隊である。
その希望を打ち砕くべく日本の7個機動部隊と8個護衛艦隊は8月初頭プエルトルコ基地に集結し、完成まじかのアメリカ艦隊を撃滅すべく準備を整えていた。
いよいよ日本の精鋭機動部隊がアメリカ東海岸攻撃を意図し、プエルトルコ基地に集結していた。




