幻想ミッドウエー戦記 インド攻略編 その6
いよいよ日本軍はオード王国への侵攻準備を整えつつあった。呉王国の勇猛な馬元将軍も手柄を立てようとビハール王国内に進撃してきた。
幻想ミッドウエー戦記 インド攻略編 その6
昭和18年8月10日
漸く簡易飛行場が完成し、空軍の100式司令偵察機や新雲偵察機がベンガルのカルカッタ飛行場より進出してきた。
本格的な攻撃隊を編成するには後1月飛行場を拡張強化する必要があった。
其れ迄は攻勢には出れない、丁度雨季と云う事もあり、イギリス側も引きこもって出て来ることは無かった。
当時のイギリス部隊は食糧の調達に四苦八苦していて、一部の兵が民衆より略奪する事件が多数発生し、インドの治安の悪化と民衆の怨嗟が町を覆っていた。
海上の戦力が壊滅したので、アフリカやアラビア半島などから運んでくる商船の食料が頼みの綱であり、その量は小さくて30万人の兵士を養えなかった。
インド国内は打ち続く混乱のため土地を持っていた農民も逃散し、生産者がいない畑は作物を生み出すことは無い。
これに対して日本軍はタイやビルマ、カンボジアなどから多数のコメを輸入し、第4護衛隊がしっかり商船を守りインドのベンガル王国まで輸送していた。
クシャーナ王朝やパルティア王国は充分な蓄えを持つ陸軍強国であり、その辺は心配がなかった。
9月になり、雨季も終わりに近づき漸く飛行場の拡張が終了して、空軍の4発大型爆撃機連山Ⅱ(海軍名新撃)が2個大隊(16個中隊)256機が進出してきた。
連山Ⅱは5トンの爆弾を積んで4千キロを飛ぶことが出来る強力な爆撃機だ。
これを護衛する鍾馗Ⅱ隊はビハールとオード王国との国境近くに新たな簡易飛行場を建設し任務に就く。
その数2個大隊、その他2式襲撃機襲雷や2式軽爆襲山、1式戦闘機隼(海軍の零戦の陸軍バージョン)も参加していた.
この世界では陸軍の1式戦は採用されなかった。13ミリ機銃2基しか積めない弱武装の軽戦闘機では強力なアメリカ等の陸軍機に対抗できないからだ。
同じ時期に改良完成した零戦の強化バージョンたる23型は13ミリ機銃4基と機首に弾数は100発だが強力な20ミリ機銃を1基積む。
新型の零戦とは比較にならず当時の陸軍も零戦23型を採用した経緯があった。
御かげで加藤中佐率いる隼戦闘隊はビルマ、ベンガルで敵航空戦力を圧倒した。
陸軍式に改装された隼Ⅱは防御力もそれなりに強化され加藤中佐が戦死する事も無く、イギリス空軍はほぼ壊滅的な損害を受けインド方面へ後退した。
ハリケーン戦闘機はハエのように叩き落され、スピットファイアでさえ敵わない隼Ⅱ。
新たな新鋭機鍾馗Ⅱが出てからは13ミリ機銃では落とせない鍾馗Ⅱは英空軍を圧倒し、インド方面の英空軍は間もなく壊滅した。
日本の先鋒たる2個軍各10個師団はラクノーの町を長射程の砲兵部隊の射程に捕らえた。
更に爆撃隊が連日町へ猛攻を加え、1週間程で守備軍の大半は砲撃と爆撃で戦死した。
更に功名を立てようと馬元将軍率いる呉王国軍10個師団が追い付いてきて、ラクノーの町に突入し瞬く間に占領してしまった。
馬騰や馬超を先祖に持つ勇猛な家系の馬氏である、忽ちオード王国を占領し、オルーニ将軍率いる守備軍は半数以下に打ち減らされデリー方面へ敗走していった。
オルーニ将軍は全兵力の7割を失い元ムガール帝国の首都デリーに逃げ込んだ。
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