幻想ミッドウェー戦記 第2章 ハワイ攻略編ーその7
アメリカはハワイを救援するために大西洋艦隊の主力部隊を派遣してきた。是が失われると主力部隊は存在しなくなる。是は重大な事態である。
幻想ミッドウェー戦記 第2章 ハワイ攻略編ーその7
5月24日アメリカのハワイ救援軍はリー中将の戦艦部隊を先頭にキンケイド中将率いる機動部隊が後続し、その後方500カイリに4個師団を乗せた輸送船団がいく。
船団はハワイ島の東1800カイリに達していた後もう少しであったが、彼らが着く事は無かった。捕虜の一部がオアフ島の収容所に収容されたがほんの一部である。
12:40攻略部隊の攻撃隊320機が攻撃を開始する。彼らは正規機動部隊には劣るが若手中心で命中率はランクC・Dで、凡そ50~60%ぐらいだ。
敵の機動部隊に残る直掩機はF4F20機余りであり、レベルはEランクである。彼らは
日本軍の基地攻撃隊の護衛機と交戦し大半が撃墜されていた。
1式戦128機の前にF4F20数機は一瞬で全滅してしまう、彼らは巴戦ではなく1撃離脱で敵を撃墜した。戦闘機の援護の無い機動部隊は惨めなものだ。
ホーネット、ヨークタウン、ワスプにはそれぞれ500キロ爆弾4~5発が命中大破炎上し、軽空母にも3~4発が命中し防御力の弱い軽空母は間もなく沈んでいった。
攻撃隊は更に残る巡洋艦や駆逐艦に襲い掛かる、多少早くても若手でもベテランパイロットが操る航空機にとっては地面を這う虫でしかない。
パイロット達は1艦残らず撃滅せよと厳しく命令されていて是は戦争であると言い含められていた。敵艦隊は駆逐艦に至るまで1隻残らずせん滅された。
炎上中の3空母はまずワスプがガソリンタンクに火が入ったのか?大爆発を起こし沈んでいった。残るホーネットとヨークタウンは中々沈まない。
翌日自沈しようとしたが、味方の残った乗員たちを見捨てるわけにもいかない。全ての艦が撃沈され漂流しているものも数千名いるのだ。
彼らは残った2隻の空母に救出されて、何とか生存していた。空母を自沈させれば今いる乗員と共に皆死ぬしかなくなる。艦長として部下の声明を守る義務がある。
キンケイド中将率いるホーネットとヨークタウンは翌日接近してきた日本艦隊に降伏した。数千名の乗員を救う為に!
夕やみが迫る18:00リー中将の戦艦部隊は日本の戦艦部隊と接触する。
土佐以下の第1艦隊が前方より出現し両艦隊は反航戦で相まみえる。
両軍の水雷戦隊が突進していく。前方で魚雷戦がはじまったようで炎上する炎が見えていた。
日本海軍のロングランス魚雷は威力を発揮しているようだ。爆発音も聞こえていたが間もなく静かになる。
両軍の戦艦群が接近して来る、距離3万でリー中将が乗座する先頭のサウスダコタ級戦艦マサチューセッツが前部の40センチ3連装2基6門が火を噴く。
数分後土佐の前方200メートルに水柱が上がった。後続のアラバマ、ワシントン、ノースカロライナも砲撃を開始する。
ア-カーソン以下の低速戦艦4隻は少し遅れ始めた。マサチューセッツが全速の28ノットに速度を上げたからだ。残る4隻の最大速度は21ノットに過ぎない。
更に距離が詰まる、2万5千でアメリカ艦隊は第2射を行う。数分後土佐の前方100メートルで水柱が上がった。まだ遠弾に過ぎない。
宇垣中将が砲術参謀の板垣大佐にアメリカ軍の砲撃技術は未だ未熟とそう評した。
確かに開戦以来アメリカ軍の砲撃はまだまだ不十分であった。これでは戦えないだろう。
更に距離が詰まる、距離2万!土佐のレーダーは完全にマサチューセッツを捉えていた。
長官ご誤差修正全て良し、砲撃準備整いましたと板垣大佐が報告する。
宇垣中将は短く、テー!と発する。
土佐の40センチ砲連装5基10門が火を噴く!
10発の40センチ砲弾がマサチューセッツ目掛けて進んでいく。
数分後9発の40センチ砲弾が命中し、マサチューセッツは3つに折れ轟沈し、リー中将らは壮烈な戦士を遂げる!
後続する加賀の砲撃はアラバマに40センチ砲弾8発が命中し、主砲塔を直撃したのかアラバマも同じく二つに折れて轟沈する。
更に長門の砲弾8発の内5発がワシンントン命中し、ワシントンも機械室が貫かれ機関が故障し動けなくなり大破炎上後、まもなく火薬庫に火が入り爆沈する。
更に陸奥の砲弾4発が命中し、運の悪いノースカロライナも大破炎上した。機関室が損傷したのか動かなくなり止む得ず艦長は白旗を上げて降伏した。
最新鋭戦艦4隻が全滅し、モリス少将率いるアンカーソン以下の4隻は慌てて反転し逃走する。パニックに陥ったようだ。
優速な日本艦隊はドンドン迫ってくる、旗艦以下のアメリカの最新鋭戦艦が敵のただ1斉射で全滅したのだ、モリス少将は止むを得ず白旗を上げた。
残る部隊も従った。ただ水雷戦隊は全滅したのか、無線で呼んでも連絡が返ってこない。どうやら全滅したようだ。実際には4隻の駆逐艦が残り降伏していた。
アメリカのハワイ救援軍2個部隊が全滅し残るは輸送船団のみとなる。
伊吹級高速戦艦
48000トン 最高速度35ノット 40センチ両用砲3連装3基 長10センチ連装高角砲16基 40ミリ聖級4連装機銃24基 偵察機4機
1式水中翼4基 航続力14000カイリ 機械化により乗員を800名に減らせた。
アメリカの主力部隊は壊滅し、1隻も帰ってこなかった。是でアメリカの西海岸を守るのは陸軍とその航空隊のみである。
この異常事態に議会と国民はルーズベルト大統領の責任を追及した!この結果ルーズベルトは退任する以外なく、精神的に追い込まれた彼は年末までに病状が悪化し、12月には死亡した。
多くの将兵を死亡させた結果であり、因果応報というべき事態だろう。この緊急事態にのんびり選挙をする余裕もないので戦時下の特別措置で副大統領が繰り上がって大統領に任命された。
副大統領には上院議長が任命され、副議長が上院議長となる。アメリカもこういう措置は迅速に行われ、政治的空白は発生しなかった。




