表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻想ミッドウエー戦記    作者: 明日ハレル
19/79

幻想ミッドウェー戦記 第2章 ハワイ攻略編ーその4

日本軍によるハワイ攻略も最終局面を迎えていた。ハワイ7島のうち残るは大きめのハワイ島のみをアメリカの残存部隊が何とか守っていた。


何方かというと、わざと攻略を後らしてアメリカ軍をおびき寄せた感がある。実際日本軍の首脳はこの際にアメリカの主力軍をせん滅する方針であった。

幻想ミッドウェー戦記 第2章 ハワイ攻略編ーその4


昭和18年4月15日

三日月少将は敵の航路に対して3日間で長さ30キロ幅1キロの機雷源の敷設を完了した。これで敵の退路を断ったのだ。


強力な掃海部隊少なくとも5個部隊が参加しなければこれだけの機雷の処理は出来ない。2個潜水戦隊は自動懸垂で封鎖線の後方で待機する。


あー、ようやく終わった!艦長済まぬが先に休息する!後を頼む。


了解いたしました!ごゆっくり。


240名の乗員はほぼ3交代で当直に付く。


当直配置、当直待機、睡眠休息 の3つのシフトを1日で交代する。


当直待機は当直より1段階低い配置で雑用が多い潜水艦の任務で他の部署の応援などの配置だ。


これからは殆どが当直待機になる。戦闘配置が当分ないからだ。


戦闘は後方の味方艦隊と基地航空隊と敵艦隊との間で行われる。


時折部隊の数隻が偵察機を発進させ、敵の状態を観測する。又無線傍受も旗艦であるイ70707が中心となって行い現状を分析していた。旗艦には専門の無線士隊がある。


補給潜水艦5万トンのセ号100潜水艦が到着しこの縦長の潜水艦は同時に4隻とハッチを結んで補給も出来る。水・燃料はパイプで、食料や物資は人力で移動させる。魚雷のみがクレーンで前部の投入ハッチより搬入される。


出来るだけ夜間海面スレスレで補給作業を行う。敵の長距離水上機がこの付近をレーダーで夜間も警戒しているので油断できない。


アメリカ艦隊はゆっくり12ノットで休み休みハワイへ近づいていた、パイロットたちの訓練をしながらなので対潜・対空警戒を厳にしつつである。


大統領命令で出撃してきたが、パイロット達は戦いが始めれば着艦出来ない者たちの大半を失ってしまう。それを防ぐための訓練である。


1か月でほぼ半数が着艦出来るようになる。この調子でゆっくり進撃していた。


ただハワイの現状も厳しい、カウアイ・オアフ島が占領され、モロカイ島にも敵の陸軍が上陸を開始し、守備隊である2個師団の残存戦力2千名が何とか戦っていた。


カウアイ・オアフ島には空軍の第5航空集団より第557~560航空戦隊らが出撃し、敵基地の夜間爆撃を行っていた。


日本軍は確実に前進し、ライナ島も1週間ほどで占領される。


凡そ2か月の訓練で大半が着艦出来るようになり、アメリカ艦隊も漸くハワイ目指して進撃を開始した。既に5月後半になっていた。


5月24日06;00ハワイ救援部隊はハワイ島まで500カイリまで接近してきた。前日補給部隊から最終の補給を行い補給部隊を分離した。


偵察機と上空直掩機が次々と発進する。3隻の空母ワスプ、ヨークタウン、ホーネットと4隻の軽空母から発進していった。


既にマウイ島まで占領され、日本軍は防衛陣地を作っていると偵察機から報告が入る。


残るハワイ島には4千の守備軍がいるだけだ。陥落も時間の問題であった。


アメリカ艦隊の司令官リー中将は偵察部隊より敵機動部隊の位置を知りたがったが、こちらの偵察機の到達範囲にはいないようだ。


仕方なく本格的に整備され利用されている。マウイ島の飛行場への攻撃命令をキンケイド中将に伝える。ただ敵の機動部隊が近隣に必ずいるので索敵も命じた。


07:00

3隻の正規空母より、それぞれ艦爆20機艦攻20機艦戦20機各60機小計180機が出撃する。軽空母の攻撃隊は敵の機動部隊に備える。


0600

其の頃オアフ島にある空軍の倉田中将率いる第557航空戦隊より1式戦128機新雷爆撃機64機が出撃する。


これらは高度5千からの水平爆撃だ。余り戦果は期待できない。今回の攻撃主力は第3護衛隊になっていてうっぷん晴らしとの噂もあった。


新雲4機が先導し指揮官は新雲に乗る神田少佐である。基地防衛は1式戦108機がモロカイ島に待機し。マウイ島の基地にも1式戦96機が配備されていた。


其の頃第1機動部隊・第1艦隊はハワイの北500カイリにあって敵の動きを見極めていた。2隻の新造艦が加わったのでほぼ毎日特殊訓練を行っていた。


第2機動部隊・第2艦隊も南500カイリにあって何時でも敵を攻撃できる体制にあった。こちらも新造艦を加え訓練に明け暮れていた。


両機動部隊は敵に隙が出来るのを待ち、一気に接近してせん滅させることも容易だが、今回は護衛隊の若手パイロットの訓練もかねて攻撃を任せる。


第3攻略部隊と第3護衛隊はオアフ島の南300カイリにあって遊弋していた。今回はこの若手中心の部隊が攻撃の主力となる。


第3攻略部隊 司令官山口隆志中将(山口多聞中将の従弟実際は5つ子の一人)

高雀級軽空母4隻(龍驤改級)海燕級護衛空母4隻防空巡洋艦4隻重巡洋艦8隻軽巡8隻防空駆逐艦32隻護衛駆逐艦24隻


第3護衛部隊 司令官柳本少将

高島級護衛空母4隻大島級護衛空母4隻重巡洋艦8隻軽巡洋艦8隻駆逐艦24隻護衛駆逐艦24隻


量産型赤松級護衛駆逐艦

950トン 最高速度26ノット 長10センチ連装高角砲2基(前部) 40ミリ聖級4連装機銃4基 爆雷投射機2(ヘッジホッグ) 爆雷射出機2基 98式5連装魚雷発射管1基 乗員20名


量産型の護衛駆逐艦赤松型(松型改)で松型を省力化し小型にした物、使い出も良くブロック構造なので防御力もそれなりにある。対空・対潜に特化した護衛艦。


現在同型艦120隻 建造中240隻 計画中240隻 月間30隻造られている。



アメリカ軍の偵察機シーホークの航続力はおよそ1500キロであり、敵部隊より800キロ離れれば発見はされない。


この空域には新雲偵察機隊が20数機展開し、警戒網をひいている。それらの指示で各艦隊は敵の偵察機の捜索範囲外に出て、敵に発見されないようにするのは容易だ。


アメリカ軍の不慣れな新人中心の航空隊は機動部隊が見つからなければ、使用可能な日本軍の基地を狙うだろう。そこで多数の戦闘機隊で迎撃し敵の主力航空隊に大打撃を与える。


これで敵の機動部隊の戦力を消耗させ、最後のとどめを第3攻略・護衛隊に任せる。是で味方の新人たちにも十分経験が加わり、戦力の底上げが出来る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ