幻想ミッドウェー戦記 第1章 開戦編ーその6
いよいよ史上初の機動部隊同士の戦いが始まる。日本軍は小道具として浮遊機雷を出してくる。
この戦いが如何に進んでいくか?太平洋での帰趨を決する戦いがここに始まる!
幻想ミッドウェー戦記 第1章 開戦編ーその6
10月20日先行するハルゼーの艦隊は巡洋艦より水上偵察機を4方に飛ばしながら06:00ウエーク島に300カイリまで接近していた。
早朝よりハルゼーは出撃するパイロット達に「ジャップを殺し尽くせ!」とだみ声で訓示し、朝から盛り上がっていた。
06:30敵基地を攻撃すべく3隻の正規空母より艦爆18機艦攻12機艦戦12機計42機 総計146機がウエーク島攻撃に向かった。
軽空母の艦載機は敵の機動部隊攻撃の為待機している。
正規空母の残る艦攻は雷装で待機し、同数の攻撃隊が日本艦隊を発見しだい、すぐさま出撃出来るように準備を完了していた。
しかし、この時点でウェーク島の新雲偵察隊20数機はアメリカ軍のレーダー波を捕捉し、三角測量でハルゼーとキンメルの部隊の位置を確実に捉えていた。
第1艦隊と第1機動部隊はウェーク島の北400カイリで遊弋して、アメリカの偵察機の索敵範囲の外側に居るので見つかることは無い。
第1攻略部隊と第1護衛隊もウェーク島の西200カイリにあり索敵範囲外で待機していた。ただウェーク島への上空援護の為戦闘機は半数が島の上空にある。
両者とも潜水戦隊の攻撃開始と共に敵艦隊撃滅に動く予定である。
間もなくハルゼーの部隊は日本軍の潜水戦隊により設置された浮遊機雷群に接近しつつあった。是は奥行き1キロ、幅10キロにも達する。
先行するハルゼー部隊に帯状に長く待ち構えていた浮遊機雷がさく裂し、先頭を進む軽巡と駆逐艦2隻が大爆発を起こす。3隻は炎上大破し、間もなく沈んでいった。
続く駆逐艦が急速に面舵を取りコースを変えるが、その先でも機雷は待ち構えていて、同じく駆逐艦2隻が大爆発を起こし炎上した。
機雷源はかなりの広範囲に広がっているようだ、ハルゼーは一旦後退しコースを変更する選択しかなかった。ここで艦隊も少し隊列が混乱し、針路変更に手間取る。
そこへ左右から接近していた第1・2潜水戦隊イ号潜32隻がオオカミ戦法で雷撃を加えてくる。
彼らはシュノーケルを装備しているので水中でも23ノットで行動できた。
続けざまの雷撃を食らい、混乱していた艦隊には避けようがない!図体の大きなサラトガが片舷に6本の魚雷を受け大破炎上後爆沈した。
レキシントンも4発を受け機関が故障したのか動かなくなり、軽空母3隻も炎上していた。
更に重巡洋艦2隻も炎上し、素早いエンタープライズは軽症だが魚雷2本命中、残る軽空母1隻と重巡洋艦3隻と10隻余の駆逐艦を従え後退していく。
このままでは全滅してしまう、ハルゼーもクソッタレ!と叫んだが如何にもならない。今は退却あるのみだ。
スプルアンス率いる軽巡洋艦3隻と駆逐艦12隻は大破した艦艇の救助と潜水艦対策で走り回っていた。
そこへ最精鋭たる第1機動部隊の第1次攻撃隊艦爆48機艦攻48機艦戦96機が到着し、損傷した艦艇と残る軽巡以下に猛攻を加えてきた。
レベルの低い上空直掩機F4F30機余りを護衛の戦闘機1式戦100機余が上空より急襲して瞬殺する。
レキシントンは更に艦攻隊の4本の魚雷を受け大爆発を起こし爆沈し、炎上している軽空母3隻と重巡洋艦2隻も数本の魚雷や爆弾が命中しレキシントンの後を追った。
スプルアンスの率いる軽巡洋艦部隊も命中率8割の艦爆隊の攻撃で次々と撃沈されていく、500キロ爆弾が真面に命中すればオマハ級の軽巡など1発で轟沈である。
20分ほどでアメリカ艦隊は1隻残らず全滅する。更に第2次攻撃隊が先に逃げたエンタープライズ以下の部隊に攻撃を加えこれも1隻残らず撃沈した。
ウエークに向かったアメリカ空母の攻撃隊140機余りは200機を越える日本軍戦闘機隊の迎撃を受け、遇えなく全滅していた。
ハルゼー率いる機動部隊は全滅し、ハルゼー提督やスプルアンス、フイッッチ等の有能な艦隊司令官も全員乗員とともに戦死した。
残るはキンメル率いる戦艦部隊だ。潜水艦や水雷戦隊で始末しても良いが、ここは戦艦同士の打ち合いが好ましいだろう。
横須賀の司令部より連合艦隊司令長官古賀大将は第1艦隊司令官宇垣中将に敵艦隊の撃滅を命じた。
伊号潜水戦隊は後方へ回り込み、万が一生き残った敵艦のせん滅の為、補給後移動を開始していた。
オオカミ戦法とは1個潜水戦隊伊号潜16隻が4列縦隊となり、第1列が攻撃して左右に別れ、縦隊の最後尾に移動して魚雷を再装填し攻撃態勢になる。
第2列以下も攻撃して最後尾に戻る、第3,4列も同じことを繰り返し、予備魚雷1回分を残して、何回でも攻撃を行い敵を撃滅する。最後は退避して位置を晦ます。




