1話 桜田学園入学式前編
「竹田先輩…。」
目覚まし時計が部屋中に鳴り響く。
俺は小中高一貫校とかで、小学校の頃からこの学校に通っている。
この学校は全寮制。通うよりは、ほとんどをこの学校で生活をしている。
だから、ほとんど家に帰ることはない。
去年までは、俺の妹である「綾」と一緒の部屋で寝ていた。まだ、綾が小さかったからだ。
そして、妹の綾も小学校4年生になり、自分の部屋が与えられた。
小中高一貫学校(通称:桜田学園)には、小学校4年生になると、1人1人に部屋が与えられる。完全単独部屋だ。
また、全寮制という理由から、この桜田学園に入学してからは、母親が作った最後ご飯を食べたことが、記憶に残っていない。
そして…。
「おはようございます。今日は4月8日月曜日です。今日は桜田学園入学式・進級式です。今日も1日頑張りましょう。」
と、朝の放送が流れている。
「朝かぁ…。」
「ピンポーン」
部屋の呼び鈴が鳴った。
「朝から、誰だし!」
そう言って、部屋のドアを開けると、そこには…
「竹田…。」
クラスメイトの「竹田 雪菜」だった。
周りの男子がこっちをずっと見ていた。
「健斗はいいなぁ…朝から、雪菜にモーニングコールなんて…」
と、笑いながら話していた。
「とりあえず、入って…」
「うん…」
「お…おはよぉ…」
と、あくびしながら彼女に言った。
すると…。彼女は俺はにらみつけながら、言った。
「健斗くん…。今、お目覚めですか?」
「う…うん。なんだよ…急に…。」
「今日は何の日か忘れたの?」
「え~と、進級式?」
俺がその言葉を言った瞬間、彼女は俺に向かって、ため息をした。
「今日は放送当番でしょ!?」
「あ!忘れてた…!ごめんごめん。」
「もういいわ…!明日は絶対に忘れないでね!」
と言い、彼女は部屋を出て言った。
1話 終わり