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終章 五話  約束のイメージ

「お前が忌子ね・・たく。本家の奴ら、厄介を押し付けやがって」


・・懐かしい声が聞こえた。


「人に必要なのは神器じゃないだろう?もっと世界を見ろよ坊主」


・・忌子として本家から迫害された俺に正面から向き合ってくれた人の声だ。


「がはは!やればできるじゃないか!」


・・数えきれないほどのものを貰い、教えてもらった。


「いいか咲夜?自分で誓った約束は絶対守れ。なに、お前なら出来るさ。なんたって俺の弟子であり、孫なんだからな」


・・俺の・・約束。


「咲夜」

・・親友とは今の生活を守り続けることを約束した。


「咲夜」

・・家政婦のお姉さんとは家族として笑いあうことを約束した。


「咲夜さん」

・・好きな女の子には信じられるように努力することを約束した。


「それで?お前はこんなとこで寝てていいのか?」


突如現れた映像。そこに映るのは・・大量の獣に押されている二つの影。


・・ツバキ!灰!


「ほら、早く行け・・今行くのが一番カッコいいぞ?」


・・行ってきます。じいちゃん!


全ての約束を・・守り抜く!

                       〇✖〇

「・・・・」


目が覚めたのは、夜のせいで見えにくいが見慣れた自分の部屋。


・・早くツバキたちの所に!


「・・っ!」


ベットから飛び起きようとすると両腕に激痛。見ると包帯が何重にも巻かれガチガチに固められていた。

・・こんなこと気にしてられない。


痛みを無視しながら俺は準備を始める。


「咲夜・・起きたんですね!」


「・・花さん」


着替えが終わるのとほぼ同時に花さんが部屋に薬箱と持ってやって来た。


「・・その格好はなんです?どこに行く気ですか?」


険しい顔で俺を睨む花さん。

・・ごめん。その顔をするのが家族としての優しさからだって知ってる。でも


「・・ツバキたちを助けに行く」


俺は二人との約束を果たしに行くよ。


「馬鹿なことを言わないでください!そんな腕では足手まといになるだけ・・」


言って気付く花さん。そう。俺には強力な力がある。


「まさか、咲夜」


・・俺はイメージする。

何一つ傷のない拳を。

想い描くは・・


「常勝の存在」


両腕の痛みが無くなっていき、完全に回復する。


「・・全力で想創を使うつもりですね」


想創・・自身の肉体を想像通りに創る。それが俺の持つ力。


「許しません!その力は今後どのような後遺症を起こすかも分からないというのに!」


こんな神が使うような力を人間が酷使すればどのような副作用が起きるか分からない。

実際、昔はこの力を使ったせいで生死の境を彷徨うことがいくつもあった。


・・けど


「そんな後遺症なんかより・・俺は二人を見捨てるほうがきっと後悔する。じいちゃん、いいや、俺の約束も守れない」


「・・私との約束は破るつもりですか」


確かに、無理をしないという約束は破ってしまう・・けど、


「俺は・・俺は花さんと灰とツバキと・・みんなと一緒に笑いあえる日常を守るっていう約束を守りたいんだ」


「・・そんなことを言われては、止められるはずないじゃありませんか」


悲しそうな顔をする花さん。どうやっても俺を止めることが出来ないと分かるんだろう。


「・・そう悲観しないでよ、花さん!俺は・・俺たちは笑顔で帰ってくるからさ」


俺は全部叶えるために行くんだ。死にに行くわけじゃない。それに


「だから・・笑って送って?」


・・花さんには笑っていて欲しいから。


「・・・・早く帰ってきてくださいね」


「行ってきます!」


・・俺はイメージする。

風すら置き去りにする俊足を。

想い描くは・・


「常勝の存在!」


・・頼む!無事でいてくれ!


想創を終えた俺は、学校へと全速力で駈け出した。


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