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第三話 ‐銀髪の少女 対 調査兵団‐

休日はお家でまったり過ごすのが良いですよねー☆


さて、今日は一日で連続投稿出来たらいーなー。頑張るー。

「我々は王の命を受け、我が国に敵対する反乱分子を探し出す為に結成された『調査兵団』である! 

この度、この村に幾人かの愚か者がいるとの情報を掴んだ為、調査しに来た次第である!」


大柄な兵士が中央広場に集まった村人たちに、大声で伝える。

抵抗したためだろうか、何人かの村人の顔面には明らかに殴られた跡があり、

出血している者もいる。

すると、ガタガタと震える人々の中から一人の老人が進み出る。


「どうか、手荒なことはせんでおくれ、調査兵団様。

ここは小さく平和な村じゃ。

そんな輩はおりゃせんよ。」

「誰が発言を許可したぁああーッ!!」


老人の顔面を立派な体躯をした兵士がぶん殴る。

老人は地面に倒れ伏し、血を吐いた。


「村長っ!」

「てめーよくも村長をッ!」

「許せねぇ!!!」


目の前で行われた非道に我慢できなくなった三人の男達が兵士に立ち向かう。


―――グサッ―――バシュ―――ザンッ―――


広場に複数の悲鳴が響き渡る。

血だらけで、もはや絶命したことが確実な三人の肉体が、地面に横たわる。

多量の血が付いた両刃の剣を上下に振り、鞘に戻す兵士。

そして、年長の兵士が馬上から大声で語りはじめた。


「我々に反抗する者は、即ち国に敵対する者、反乱分子と判断する! 

これよりこの村全ての家屋を調べる! 

五年前に、『兵士でない者の武器の所持を禁ずる』、

そして二ヵ月前に『兵士でない者の魔道具の所持を禁ずる』

法律が制定されたのは、周知のことであろう。

これら武器、魔道具が発見された時点で、その家の者全て処刑する!!」


広場の空気が凍りつく。


「そ、そんな!? 武器だけじゃないのか!!?」

「魔道具も対象なんて初めて聞いたぞ!?」


驚きと絶望の悲鳴をあげる村人たち。

黙れっ! 

と、奇声を発した者たちを次々と殴り、大人しくさせる兵士たち。

さきほどの年長の兵士に、同じく馬上の兵士が近づき小声で話しかける。


「隊長、今回も即処刑して良いのですか? 

有力な情報を持っている奴がいるやもしれないですよ?」

「ふん! こんな辺境の村々にいるわけがなかろう。

いちいち捕縛、尋問などしていたら日が暮れてしまうわ!」


隊長と呼ばれた年長の兵士は、表情を変えず、面倒そうに返答する。


「確かにそうですね。

ここ数日は野宿ばかりでしたから、

 そろそろ町の宿屋に泊まりたいですね。」

「そういうことだ。

こんな小さな村など、適当に調べ、適当に殺せば良い。

それに、要の人物は、既にひと月も前に、我が軍の手中にあるのだからな。」


二人の兵士は、ニヤリと互いに不敵な笑みを浮かべる。

そして今度は、大勢の兵士たちに向かって隊長が声を張り上げる。


「手筈通り監視と捜索の二手に分かれろ! 

必ずや反乱分子の証拠を見つけ出してこいッ!!」

「「「はッ!!!」」」


まさに兵士たち数十人が行動を開始しようとした、その時


「・・待って。」

「ぁあ!?」

隊長、その他大勢の兵士たちが後方を確認すると、いつの間にいたのか、

少女が一人立っていた。


この村の子供の一人なのだろう。

年は十を超えた程だろうか、低い身長、細い体、安価で素朴な服。

特に変わった所はない、強いて言えば髪の色が銀色ということぐらいか。


「なんだ、まだ村人が残っていたのか。

おいお前、こっちの円形の中に入れ。」


そう言いながら、未だ恐怖で震えている村人たちを、兵士が指さす。

その指さした方向には、三つの死体もあった。

少女がそれを見て兵士たちを睨み付ける。


「・・この村には恩がある。

 あなたたちは全員サラが殺してあげる。」


幼い少女の口から発せられた言葉とは思えない内容に、

驚きながらも一人の長身の兵士が、数十メートル離れた少女に向かって歩き始める。


「おいおい、物騒だな、さら?ちゃん?

 こっちは調査兵団だぞ!? 

今の発言は“反抗”として捉えていいんだな! ぁあっ!!?」


かなり気が短いのか、兵士はあっという間に少女の目の前に到達した。

そして、自身の剣を抜き、両手で頭上に掲げる。長身の兵士の影がサラを覆いつくす。


「ガキだからって容赦しねー! 死ねやクソがッ!!」


そしてそのまま、サラに向かって剣を力いっぱい真っすぐ振り下ろ、さない。

頭上高く剣を掲げたまま、ピクリとも動かない。


「ハハハ。どうしたんだよ。おーい。」

「なんだあいつ、自分の娘のことでも思い出したのか。情けねー。」

「俺達には大義名分があるんだぞ? 何やってんだ? 

そんな反乱分子さっさと殺してしまえ!」


後方の兵士たちが呆れた顔で、下卑た笑い声をあげる。

しかし、それとは裏腹に、動きを止めた兵士の顔、体からは、吹き出す汗が止まらない


「な・・んだこれ・・? 体が・・動か・・せない??」


途切れ途切れに、やっとの思いで小さな声を発する兵士。

呼吸もままならない兵士は、何が起きているのか全く理解できず、混乱していると、

目の前の、サラと名乗った少女の体が青白く光り始めるのを目にする。

同時に兵士の足が十五センチ程、地を離れ、宙に浮いた状態になる。


「お、おい。なんかあいつ、浮いてないか?」

「ハハ、そんなバカな。あれ、確かにそう言われれば。」


目の前の出来事を把握しようと、他の兵士たちが目を凝らす。

少女が右手を伸ばし手のひらを目の前の兵士に向けた。

と、次の瞬間。


―――ヒュッ―――グシャ――――


嫌な音がした。

少女、兵士、村人たちの順で、一直線上に居るが、

その村人たちより更に後方の大木の方で大きな音がした。

広場に居た皆が振り返り、凝視する。

そこには、原形を失った、ひしゃげた西洋の甲冑が一つ。

抉れた大木、地面に飛散した大量の血、肉片があった。

皆、目の前の光景と出来事をすぐには理解出来なかった。

少女の眼前にいた兵士の姿は消えていた。


「・・言ったでしょ。全員殺してあげるってね。」


無風な広場において、

サラの銀髪だけが、ゆらゆらと揺れていた。

体全体が青白く光り、

右手に嵌めている指輪が異常な輝きを放っていた。

お読みいただき、おつかれさまでした☆


お腹すいた。

お湯でも沸かすかな☆(・ω・)ノ


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