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神様のおねがい  作者: もやしいため
第六章:魔石収集
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新たなる集団2

相変わらずの残念設定の神様です。

単に理熾が優秀なだけだったりしますが…。

相対評価とは残酷ですね。

残念系神様のお陰で汚れ集団に目星が付く。

国が危険に晒されるほどの『偽装集団』と明記されれば自ずと答えが出てしまう。


 あぁ、あいつらどっかの国のスパイか工作員だ。

 やっぱり神様って馬鹿だよね?

 『真相究明』が目的なのに答え出るって何さ…。

 というか『偽装集団』って書いちゃってるよ!


 …まぁ、現状で報酬がもらえないって事は裏があるってことか。

 やっぱり捕まえる必要ありそうだなぁ。

 ところで報酬が『妖精』って何だろ…?


何にせよ、汚れ集団は『偽装している』ことが確定だ。

まさか神様が間違うはずがない…とも言い切れない辺りがあの神様らしい。


「フィリカさん、とりあえず挨拶行こっか。

 知らずに攻撃受けても嫌だし」

「そうだな。

 隠れる理由もないしな」


フィリカの同意を取って、周囲を改めて警戒。

騎士団以外は居ないことを確認してから、亜空間から弓と矢筒を取り出し背負って近付く。

フィリカが疑問符を浮かべたので「弓兵としか言ってないんだよね」と軽く説明すると納得された。

「流石分かる人」と理熾は笑顔を浮かべる。

理熾達が姿を現すとあちらもすぐに気付いてくれた。


「エリルさん、ルルガさん、こんにちは」

「何故君がここに?」

「リザードが出たということで私と狩りに来たんだ」


「フィリカ…。

 君が出張るとはそんなに入れ込んでいるのか?」

「あぁ、ぞっこんというやつだ。

 訓練場で世話になったと聞いているが、面白かったろう?」


「…いや、あの光景を面白いと言えるのはお前だけだからな?」


と殺伐とした訓練兵との初対面の場面でも思い浮かべたのだろうか。

エリルは苦い顔でそんなやり取りをする。

やはり二人は知り合いらしい。

しかもお互い良く知っている風だ。

念のためにギルドカードを提示し、相手からも騎士の認証章を見せてもらう。

証明が出来なければそれだけで危険人物なのだと改めて思う。

理熾の居た日本では顔を知らなくても普通にもののやり取りをするし、身分を明かす必要も無い。

そう考えると『確認する必要があるほど街の外は危険』なのだろう。

それこそ魔物も、人も同じくらい…いや、騙せる分人の方が危険かもしれない。

あっちはあっちで話しているので理熾はルルガと話をする。


「まさかフィリカが関わってるとはな。

 どうりで肝が据わってる訳だよ。

 やっぱりあいつは強いだろう?」

「ぁー…実はフィリカさんが戦ってるところ見たこと無いんですよ」


「は?

 パーティー組んでるんじゃないのか?」

「僕の基本はソロですよ。

 今回のリザード狩りは誘われたので着いてきた感じ?

 んで、今のところフィリカさんに手伝ってもらうような相手は出てきてないかな」


「って、じゃぁここまで一人で戦ってきたのか?」

「ですよ。

 相手はEランクだし楽勝でしたね」


それを聞いてルルガは「すげぇな…」と呟く。

ルルガにしてみれば驚きしかない。

討伐者は基本的にパーティーを組んで狩りを行う。

理由は相互補完のため。

一人より二人の方が強い。

二人より三人だし、三人より四人だ。

単に人数が増えたという話ではなく、根本的に出来る幅が増えるからだ。

大体のパーティー人数が3~5人になるのは満遍なく役割を担うとそれくらいの人数になるのだ。

そして5人より増えると維持が大変(仲違いも起こす)になるので結局3~5人前後に落ち着くという寸法だ。

よってパーティーのランクと魔物のランクが連動するように設定されているのだ。


だから同一ランクの魔物討伐の推奨人数は3人以上。

つまりD・Eランクの魔物を狩るなら同一ランクの討伐者3人が適正難易度(・・・・・)となる。

それを無視して自分と同じランクの魔物を一人で狩るという話があるのは本来おかしいのだ。

何よりB寄りのCランクのハイオークを一人で下しているのでEランク自体が詐称に近い。

だがその辺りの事情を理熾は知らないし、フィリカも特に気にしない。

よってこんなことになっているという訳である。


ちなみにルルガも騎士団所属でギルドの設定は大雑把にしか把握してないので『驚く程度』で済んでいる。

「魔物のランクか規約でも変わったっけ?」程度である。

倒した魔物の名前が出ればルルガも良いリアクションをするはずなのだが、全員無知だからこそ騒がれないという絶妙な状況である。


「それよりルルガさん達は何しに来たの?

 昨日訓練所に行ったら遠征だって聞かされたんだけど、何かあった?」

「あ、あぁ…そうだな。

 ちょっとした盗賊狩りをな。

 最近出没するようになったらしくて駆り出されたんだ」


とルルガが理由を説明する。

確かに先程見た偽装集団は『盗賊団()』ではあったが、被害は無いはずである。

何せリザードが発生したので鉱山が閉鎖されているし。


 ま、この辺は大人の事情ってヤツかな?

 少なくとも国に関わることだから簡単には事情を話せないだろうし。


と理熾も納得する。

どうやら向こう(フィリカ側)の話も終わったらしい。

騎士団の面々と分かれて、リザードの巣へ向かう。

魔石を手に入れなければならないのだ。


 出来ればプラス偽装集団かな。

 んー…捕縛系スキル持ってないんだけどどうしたもんかなぁ?

 工作員とかだったら捕まえたら死を選びそうなんだけども…。

 何というかこの世界は人の命が軽いからなぁ…。


そんなことを考えると頭が痛い。

腕に覚えのある相手を殺さずに無力化、鎮圧するのはとても難しい。

それに生きたまま捕虜にするのはもっと難しい。

初心者セットにロープが入っていたはずなので、とりあえずそれで縛り上げることにしておく。

その先は考えない方向でいようと理熾は思う。


「フィリカさん。

 相手の動きを止めるような魔法使える?」

強制睡眠(スリープ)とかなら使える。

 精霊魔法に状態異常(デバフ)系は余り無いんだよな…。

 単純に力押し出来てしまうからわざわざ相手を弱らせる(・・・・)必要がないんだ」


「なるほど。

 んー…んじゃとりあえずスリープかなぁ。

 射程とか、条件とか何かあるかな?」

「射程は10m程。

 条件は単純に抵抗(レジスト)されるかどうか。

 後、スリープさせた後に起こされる可能性もあるから、そんなに強い異常じゃない」


「てことは、レジスト出来なくても割と簡単に戦線復帰?」

「あぁ、普通に起こせるからな。

 眠り自体は深いが起こせないこともない」


改めて考える。

相手は5人も居る。

それを一人ずつ眠らせていけるかどうか…。


 無理かな。

 眠らせる端から蹴飛ばして起こすよね。

 足止めにはなるから…良いかな?


と結論を出す。

無いよりは遥かにマシ。

人相手に殺し合いをするのには抵抗がある。

出来れば無力化でことを終えたいのだ。


「さてと…お目当てのリザードの巣だ」


ようやく到着した巣は、簡素な洞穴だった。

100mほど先に見える巣はリザード達にしてみれば仮宿でしかない。

少し休める場所さえあれば良いし、卵が隠せればそれで良い。

何より2体は夫婦という括りでもなく、単なる同族である。

1体で狩りをするより効率が良いし、リスクも下がる。

索敵範囲も広がることを思えば共同生活くらいはする。

が、理熾が気付く。


「…おかしい。

 この状況はおかしいよ、フィリカさん」

「何がだ?」


「何で2体居る(・・・・)の?

 魔力溜りから発生するのって複数なの?」

「いや、リザードともなると流石に複数は生まれない。

 単に卵が孵っただけじゃ…そうか、タイミングと規模がおかしい」


とフィリカも思考が理熾に追いつく。

リザードの成体(・・)が2体いるのがおかしいのだ。


「そうだよ。

 食欲旺盛なリザードが成体になるまで1ヶ月掛かる。

 1体目のリザードが1ヶ月間も見付からないはずがない」

「あぁ、例え見付からなかったとしてもだ。

 1ヶ月も放置されていれば2体どころじゃない。

 現に卵も20個以上存在するのだから、1ヶ月経てば20体は成体だ。

 何よりこの岩山がとっくの昔に食い尽くされてアルスに到達しているはずだ」


卵を産む周期は分からない。

しかし成体が2体というのは確実におかしいのだ。

生長期間をすっ飛ばした状況に二人が疑問を持つのは当然の話。

少なくともこの状況は「おかしいのだ」と。

しかしやることは一つである。

というより分からないことに拘っても仕方が無い。


「とにかくリザードは討伐対象だ。

 分からないことはいくつかあるが、とりあえず依頼を終えよう」


フィリカがそう結論付ける。

それに全く異論はないが、理熾は何だか嫌な予感がする。

けれどそれが何かが分からない以上は、強弁も出来ない。

嫌なもやもやを抱えながらも戦闘準備を始めた。

お読み下さりありがとうございました。

良い意味でも悪い意味でも理熾の本当の実力を知っているのはフィリカのみです。

パーティーを組んでいないので当たり前なんですが。

ちなみにガゼルもきちんと把握はしていません。

認めたのは作戦立案能力であって、戦闘力ではありませんので。

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