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神様のおねがい  作者: もやしいため
第五章:休息の時間
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報酬の精査

緊急依頼の報酬が遂に明かされます。

といっても、時系列的には2日後なので遅いわけではありませんが。

翌朝、清々しい気分と共にぱっちりと目が覚める。

身体に違和感は残るものの、昨日のように痛みがある訳ではない。

むしろ活力に満ち満ちている感じがする。


 過剰に動いたりさえしなければきっと大丈夫。

 戦闘はもう少しお預けだろうけれどね。


朝ごはんは言うまでも無く美味しかったです。

ということで、朝からギルドに向かう。

フィリカにはその後に会いに行く予定だ。


ちなみに今の服装は戦闘服(・・・)である。

街人スタイルでも良いのだが、いきなり【神託】が降って沸く可能性も否定できない。

最低限の装備は必要ということで着ている。

どうせなのでフィリカに「普段着(・・・)を作ってもらうのもありだな」とも思う。

あのレベルの生産者に普段着を頼むのはおかしな話ではあるが、日常的に最低限の戦力を持ちたい理熾としては必要だとも割り切る。


そうこうしている間にギルド内、討伐カウンターに到着した。

相変わらずの着心地ににんまりする。

というか洗う必要が無い(・・・・・・・)というのは驚異だ。

まぁ、汚した分だけ魔力を喰われるわけだが。


「先日の緊急依頼、魔物討伐での報酬を受け取りに来ました」


そう言ってギルドカードを差し出す。

結局あの依頼でどれだけ倒して、どれだけの素材が手に入り、結果報酬がいくらか全く知らない。

ジンが全てを担ったらしいことだけはギルバートとフィリカから聞いて知っているのだが。


「リオ様、ですね。

 今回の緊急依頼の討伐数は、

 ウッドウルフの61、オーク22、オークアーチャー12(全滅)、ハイオーク1です」


そして「ご確認下さい」と言われる。

だが理熾には数を知る方法など無かった。

確認する時間など無かったし、何よりハイオーク戦でぶっ倒れていたのだから。


 いや、確認しろって言われても。

 僕が総数知ってるわけ無いじゃんか…。

 まぁ、思ってたよりも多いから良いか。


と考え直して「それで良いです」と伝える。


報酬は単価で

ウッドウルフ:1000カラド→6.1万

オーク:1500カラド→3.3万

オークアーチャー:2200カラド→2.64万

ハイオーク:1万カラド


更に特別報酬(ボーナス)として1万8600カラド。

ということで合計15万カラド。

日本円で約1500万円以上という荒稼ぎ振りだった。

命の値段としては安いか高いかは意見が分かれるところである。

だが理熾について言えば五体満足で帰ってきてるので良い稼ぎだったと言える。


「お確かめ下さい。

 また、素材としてご利用いただける分を全て倉庫にて保管しております。

 立会いとしてジンを向かわせますので、これからお時間いただけませんか?」


それにしても今までの対応と一変している。

やはりこれだけ稼ぐ討伐者にはそれ相応の対応を取るということだろうか。

だとしても最初の態度を知っている以上は、全ての印象が「現金だなぁ」としか写らない。

特に理熾のように態度が改まるまでの時間が短い場合は違和感しか抱かない。

なので基本的に手遅れなのだ。

受付としての最低限すら身に着けていないということなのだろう。

等と思っていても理熾は出来る子供(・・・・・)なので顔には出さない。


「はい、大丈夫です。

 それで何処へ向かえば良いでしょうか?」

「ご案内いたします」


そう言って先導してくれる。

しかしそれすらもパフォーマンスにしか見えない。

理熾はこっそりと「穢れてしまったなぁ」と心でつぶやく。

もっと好意的に感じれていただろうに、今ではこの様である。

スフィアにしても神様にしても理熾を荒ませるには事欠かないので仕方ないのだが。


「ジンさん、おはようございます」

「あぁ、リオか」


倉庫に着くと既にジンが居た。

受付嬢は理熾をジンに引き渡してすぐにカウンターへ戻っていく。

その変わり身の早さにある意味で仕事人なのかもしれないと理熾は思うことにした。


「フィリカさんが無茶言ったみたいですみません」

「構わない。

 『フィリカが』というのは気に入らないが、君には世話になったからな。

 これくらいさせてくれ」


そう言いながら案内を始める。

討伐依頼では理熾に無能っぷりを指摘されまくっていたが、単にそれだけではないのだろう。

気さくで良い人のようだ。

でなければ指揮官など勤まらない。


「でだ、材料として回収できているのは、

 ウッドウルフ53、オーク22、オークアーチャー12、ハイオーク1だな」

「おぉ、ほぼ討伐数と同数ですね」


感心してしまう。

オーク22体ともなるとそれだけで4tを超える。

この世界にはトラックなどという運搬手段が無いことを思えば、なんと言うか凄まじいの一言だ。

どれだけの荷馬車が往復させられたのだろう…怖くて聞けなかった。


「まぁ、回収に関しては俺だけじゃなかったしな。

 待機中のギルド職員も回収、運搬を手伝わせたんでな。

 総動員ってかなり久々だったなぁ…。

 にしても、どうすればウッドウルフの身体があんなにバラバラになるんだ?

 原型留めなさ過ぎて討伐部位すら危うい固体がいくつかあったんだが」


ジンが言っているのは恐らく投剣で射抜いたヤツと斧で粉砕したヤツらだろう。

あれは本当に爆発じみていたからなぁと思う。

所有者(理熾)がビビッてたのだから、他の者はもっと驚くはずだ。


「その辺はフィリカさんの装備のお陰かな」


正解ではあるものの、100%の答えではない。

斧にしても、投剣にしてもあれほどの威力を持たせるようにフィリカは設計していないのだから。

初心者に使い方を教えずに渡すというのはこういうリスク(面白さ)があるのだ。


「フィリカめ…。

 まだそんな隠し玉を持っているのか」


とか言っているが、そもそもオーク系の討伐の際はジンの目の前で行動していたはずなのだ。

何故それが話しに上がらないのかというと。

皆目の前のオーク処理に忙しすぎて理熾の戦いぶりを見ていないのだ。

それはどの討伐者にも言える。

理熾の動向よりもよほど目の前の危機(・・・・・・)の方が深刻なのだから仕方ない。


「そういえばリオは弓兵なのに斬撃で倒された敵が多かったのは何故だ?」


だからこういう質問も出てくる。

別に本当のことを言ってもいいのだが、説明が面倒だから、


「弓兵だからかなー。

 ほら、近接されちゃ負けちゃうでしょ。

 だから護身用ってヤツですよ。

 得物自体はフィリカ印だから威力も使いやすさも分かりますよね?」


という風に、「むしろ近接が本業です」とは言わない。

認められないなら別に良いし、問題が解決すればそれで良い。

実際今回の問題に関しての【神託】をクリアしたので、報酬は待機状態だ。

少なくとも世界の危機(・・・・・)の一つは多分潰せたのだから、今回はそれで良いだろう。


「確かにな…あいつの腕は確かに良い。

 後は性格さえよければなぁ…」


否定できない部分があるのでスルーする。

フィリカに敵意を向けられたら多分理熾は泣いてしまうだろう。

それくらいには口と目と雰囲気がきつくなる。

恐ろしい限りである。


「んっと、それじゃ…とりあえず全部解体。

 そんでそれぞれ1体分の素材丸ごと欲しい。

 基本その他は買取でお願いしたいんだけど…その辺はまた今度ちゃんと依頼してもいいかな?」

「あぁ、構わないぞ。

 この量だとすぐに解体しきるのは無理だからな。

 とりあえず順番決めておくか。

 数の少ない順番に、ハイオーク、アーチャー、オーク、ウッドウルフで解体していく。

 アーチャーまでなら今日中に終わるだろうから、欲しいなら夕方にまた量の指摘をくれ。

 オークは明日、ウッドウルフは更に多分2~3日掛かるだろうからそれまでに教えてくれれば取り置いておく」


とさらりと答えてくれる。

そもそも良く考えたら、何をするにも解体は必須である。

魔物の剥製とかそういう偏った趣味が無い限りは、丸ごと必要なことは基本は無い。


 そう考えると…フィリカさんは無理に解体を後回し(・・・・・・)にしたのかな?

 現場で解体した方が持ち帰り分は軽くなるはずなのに、何とも無茶なことを…。

 え、もしかしてこれジンさんに対する嫌がらせでは?


少し可哀想になりつつジンを眺める。

倉庫に積みあがる大量の魔物の死体を見て「改めて凄いな」とか言っている背中を見ていると、それほど気にしていないらしい。

降格までされたのに、心の強さは光るものがあるらしい。


「ジンさん、それじゃ僕はこの辺で」

「あ、待て待て。

 こちら(ギルド側)から少し用件があるんだ。

 アルス管轄のギルドマスターがリオを呼んでるんだ。

 中央カウンターで名前言ってカード渡してくれれば案内するから、行ってくれるか」


そういえば昨日、確かに報奨金の話が出ていた。

しかし先程貰った…のは、特別報酬だったことも改めて思い出す。


 めんどくさいことにならなきゃ良いけど。


ぼんやりと思いながら、倉庫を後にするのだった。

お読み下さりありがとうございます。

今回の報酬額は多く感じたでしょうか、それとも少なく感じたでしょうか。

オーク1体が通常単価800カラドだと思うと一人で倒して肉を持ち帰れば、月に2体狩ることで平均収入になります。

命がけというだけあって、1日とは思えない稼ぎになっています(。。

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