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神様のおねがい  作者: もやしいため
第三章:始まりの街
6/537

やさしくない世界

8/9訂正

思いっきり叫んで消費する体力。

ぜーはーと全ての空気を吐き出した肺に新たな空気を送り込みながら「落ち着け」と自分に告げる。

消費した分だけはストレスも発散されたようで理熾は少しだけすっきりした。

やはりかなり煽り耐性がなくなってきたようだ。


 うん、少し落ち着いた。

 元の世界ならこんなことでも怒らなかったと思うんだけど…。

 やっぱり危険だからかな?


取り合えず受諾するため《Yes》を選択し、他の【神託】を開いていく。


---+---+---+---+---+---

【神託】

見つけたあいつをやっつけよう!

達成内容:野うさぎの討伐


野うさぎはとてもすばしっこい

子供でも10歳くらいであれば負けないが、油断するな!


報酬:1000カラド

---+---+---+---+---+---


 索敵&討伐(サーチ&デストロイ)ってことね。

 なるほど、分かります。

 普通の事だけど。

 負けたらどうしよう…いや、むしろ負けるんじゃないかな?

 というかそれより前に見付からないんだけどさ。


そんな感想を抱きながら《Yes》を選択して次の【神託】を開く。


---+---+---+---+---+---

【神託】

ちゃんと装備しなきゃただの荷物です

達成内容:武器・防具等の装備


所持している装備を身につけよう


報酬:魔力値1

---+---+---+---+---+---


 おぉ、これでようやく僕も魔力0から脱却出来る!

 遂に魔法使えちゃう?!

 時代が僕を呼んでいるね!!

 …って、装備品どころか荷物すらないよ!!!


何かを叩き付けたい衝動に駆られたが手元には何も無い。

そういえば玄関を抜けるときに持っていた学生鞄すらない。

一体何処へ消えたのだと絶望に打ちひしがれながら《Yes》を選択して次の【神託】を開く。


---+---+---+---+---+---

【神託】

今どこ!?

達成内容:地図へのマーキング


自分が居る場所がどこか確認しないなんて馬鹿のすることです

地図などに位置を確認してマーキングして下さい


報酬:魔力値1

---+---+---+---+---+---


 だから着の身着のままだって!!

 周りに何も建物無いし!目印ないし!

 何より地図なんか持ってない!!

 むしろお前(神様)が馬鹿だよ!


と当然のクレームを入れて項垂れる。

相変わらずの不親切設計である。

《Yes》を選択して次の【神託】を開く。


---+---+---+---+---+---

【神託】

使って初めて意味がある

達成内容:アクティブスキルの使用


アクティブ欄に入っているスキルを使用してみて下さい

初めの内はスキルを意識すると『発動《Yes/No》』が出るので、《Yes》にて発動して下さい

※《Yes/No》は今後省略することも出来ます


報酬:MP5

---+---+---+---+---+---


 僕のアクティブ欄は空っぽだよ!!

 神託一つ一つがわざわざ僕の逆鱗に触れるとかあの馬鹿神滅ぼしたい!!


持っているのはユニークだけ。

せめてアクティブスキルを手に入れた時にこの【神託】を出せばいいのにと思いつつ《Yes》を選択して次の【神託】を開く。


---+---+---+---+---+---

【神託】

取ってみよう

達成内容:スキル取得


ユニークスキル【スキル取得】にて、新規スキルを手に入れて下さい

スキル発動を意識すると取得可能な一覧が表記されますので選択後、最終確認《Yes/No》のYesにて発動して下さい


報酬:SP5

---+---+---+---+---+---


 これもできねぇぇぇぇ…ええって、あれ?

 コレ使える。

 というよりコレくらいしか使えない。

 ようやくできる物が出てきた!!


大喜びである。

ステータスを開いた以来始めてなのでなおさらだ。

すぐさまユニークスキルである【スキル取得】を意識する。

すると


○○-----------------○○

スキル取得

 ・SPを消費してスキルを取得できる

  消費SPが10以下のものから選択出来る

  ※ユニークスキルを除く

○○-----------------○○


 あぁ、なるほど。

 SPってそのための数字だったのか。

 そういえばスキル所持数に限界とかあるのかな?

 10個とか。

 もしあるなら【スキル取得】の無意味さが半端無い。

 まぁ…初めてだし、取り合えず使えそうなの一つ手に入れればいっか。


と思い、【スキル取得】を選択すると


○○-----------------○○

スキル取得

 現在取得出来る技能がありません

 取得に関しては、技能名・効果について最低限の知識が必要です

○○-----------------○○


「うがぁぁぁぁぁぁあああ!!!」


怒りの…というより、感情の計測器が振り切れた理熾が大声で叫ぶ。

もしも周りに誰かが居たら大惨事だろう。


 思わず叫んだよ?!

 これまで頑張って抑えてたのに!

 ありえない…ホントにありえない!

 どうやらあの馬鹿神はスフィアを滅ぼしたいらしい。

 あの説得は何だったの?!


ふーふーと荒い呼吸をしながら心を落ち着ける。

ここで暴走しても何にもならない。

むしろ悪化しか招かない。


 落ち着け、落ち着くんだ理熾。

 今はまだ慌てる時間じゃない。

 いや、十分慌てる時間な気がする…?


落ち着けているのかどうなのかさっぱり分からないが、気を取り直してまだ開いていない【神託】を開ける。

これを除けば後一つである。


---+---+---+---+---+---

【神託】

夜は危険が一杯だ!

達成内容:野宿


夜は夜行性の獣にとって絶好の狩場

しかし、危険を承知ならば狩りに向うのも良いでしょう

ご利用は計画的に


報酬:体力5

---+---+---+---+---+---


「ぎゃーーー!!

 やっぱりいいいぃぃぃぃー!?」


取り合えず叫んどいた。

わざわざ異世界からスフィアを救いに来たのにこの扱い。


 異世界の風がこんなに冷たいとは思わなかったよ!

 というかマジでどうしよう…。

 サバイバル知識ゼロなんだけど…。

 まさか転移初日で死ぬかもしれない…。

 しかも獣に生きながら食べられて…あ、あ、ぁ…あの馬鹿神ぶっころ!!


そんなことを思いながら現在発生している最後の【神託】を開く。


---+---+---+---+---+---

【神託】

身体に良い草がある

達成内容:薬草採取×5


薬草の採取をしてみよう

これで君も冒険者の一人だ!


報酬:アルス(街)までの地図

---+---+---+---+---+---


開かれた【神託】は今まさに欲しいものだった。


 あぁ…ようやくまともなのが来たよ。

 というか(地図)の報酬もあるんだなぁ。

 そういやお金も出てるし、そんなもんなのかもしれない。

 …ところで、『薬草』ってどんなの?


と思い至り、改めて叫ぶ羽目に。

流石にそこまで酷い仕様ではなかったのか、薬草の【神託】をさらに開くと特徴と画像が見れた。


 気付くのが後5分ほど遅かったら悲観の余り危うく自殺しそうになっちゃったよ☆

 それにしても異世界がこんなに冷たいとは思わなかったよ。

 ねぇ、お父さん今更だけど『損切り』ってどうやるのかな…?


とそんな現実逃避をしつつも時間は進む。

実はもうそれほど時間的に猶予が無いのだった。

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