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神様のおねがい  作者: もやしいため
第三章:始まりの街
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森の歩き方3

戦闘シーンがあるとどうしても血生臭くなりますよね。

今回もそんなシーンがあるのでご注意下さい。

アルスへの帰途でさらにオーク2体と遭遇した。

オークは共に鉄の武器を持っていた。

槍と剣で、どちらも『重そう』なサイズである。


今回も運良く理熾の方が先に見つけた。

隠密スキルに加え、体術・武神の相乗効果で気配を消す能力が高いのだろう。


 んー…まだオーク2体はやったこと無いんだけど大丈夫かな…?

 とりあえず前回の失敗を踏まえて、亜空間発射は行うという方向で。

 どれだけの牽制・攻撃力になるか分からないから、余り信用しないでおこう。

 後、今回は数も2体になっているので奇襲に徹する。


「よし」と心で決める。

投擲用の在庫は石が16、剣が2本、短剣1本。

発射準備完了が剣・短剣…と弾数を数えていく。

その内の石を亜空間から1つ取り出して槍側のオークに投げつける。

槍は攻撃範囲が広いため、手持ちの剣や斧では不利になると思ったからだ。

狙いは前回と同じく踏み込むであろう右膝だ。


理熾が振りかぶった瞬間にオーク2体がこちらを向く。

しかし既に遅く、石は投げ込まれた後だ。

オークが少し動いたため狙いがずれ、槍のオークの右脛に直撃し、悶絶する。


理熾は投げこんだ瞬間に駆け出している。

槍は脛をしたたかに打たれ蹲ってるし、剣は理熾を向いただけでまだ何も戦闘準備が出来ていない。

狙いは動きを止めた槍1択。

亜空間から斧を取り出し、脛を打たれ右膝を立てているオークの胴をフルスイング。


防御など必要ない。

何故なら理熾が振るう渾身の斧の一撃は、踏ん張りも効かないオークには何をしても受けきれないからだ。

防御の挙動すらなく一撃で胴を割られ、背骨までが断ち切れた槍のオークは内臓を吐き出しながら上半身が仰向けにちぎれ折れる。


それを見た剣のオークは怒り狂って剣を振りながら近寄ってくるのだが、既に一手打っている。

斧を振り切った瞬間には亜空間から剣のオークに向かって剣が発射されていた。

いきなり出現し、しかも凄い勢いで飛んでくる剣にオークは驚き身を固める。

が、剣は当たらず後方の木に「ガッ」と音を立てて突き刺さる。


 うっわぁ…これコントロール超難しい!

 投げ込んだ時に亜空間側で直角で受けとかないと、まっすぐがわかんないッ!


理熾は外れた理由をすぐに理解する。

亜空間の開き方で向きを定めるのは割と簡単なのだが、発射となると入射角の影響が出てくる。

距離が近ければ問題なく当たるだろうが、遠ければ遠いほど影響が出てきてしまう。


これは技術と工夫が必要だと心に刻み、手持ちの斧で改めて剣のオークに突っ込む。

その際にも「当たれば良いな」程度で剣を発射する。

命中率を考えて狙いはオークの胴だ。

再度出現した剣に驚くオークだが、2度目ということですぐに立ち直り、剣で切り落とす。

簡単に落とされたところを見ると発射された剣に攻撃力はそれほど無かったらしい。


発射した剣とは違い、理熾本人の狙いは剣を持つ右腕。

飛んできた剣を切り落として振り切った腕を目掛けて斧を振り下ろす。

斧の重量と勢いで抵抗も無くあっさりと腕を切断し、振りの勢いで身体が吹き飛ばないように斧を亜空間に仕舞うことも忘れない。

無手になった瞬間に更にオーク側に踏み込み、オークの胴に渾身の一撃を見舞う。

いくら筋肉の塊とはいえ、力を入れられていない胴に一撃を貰ったオークは膝を着き、顔を下げて悶絶する。

「ゴフゴフ」と喘ぐオークの首に、先程振り下ろした勢いが付いている斧を亜空間から取り出し、首を落として戦闘は終わった。

「ふぅ」と理熾は息を吐く。

2体を相手取っても戦闘時間は1分程度だった。


 何というか、亜空間使えすぎじゃない?


というのも、攻撃の『振り』とは、一撃の為だけに振るう。

そのため『引き戻す』という手順が必要になるわけだが、亜空間に仕舞うと『引き戻す』という工程を飛ばせる。

その代わりに武器無しという無手になる訳だが、理熾の場合は武神と体術で殴り合いが出来てしまう。

その上『振り』の勢いを保管するので、次に持つ際は振る必要が無く、攻撃できる。

亜空間から発射できると分かったときに気付いて実験し、前回のオーク戦の時に改めて確認した方法だ。


 まぁ、武器の保管状態を忘れて取り出すとえらいことになるんだけどさ。

 初速が付いているから手から武器がすっぽ抜けるとか。


という風に、亜空間内で勢いを減衰出来ないという弱点も当然存在する。

装備の状態をしっかり把握しておかないと、特にパーティを組んだ際などは同士討ち(フレンドリーファイア)を起こしてしまう。


 亜空間内の状況は分かるけど、戦闘中に把握できるほど簡単でもない。

 だから何がどの状態かは絶対に分かってないといけないね!


管理は大変なのだが、理熾のような『引き戻し』という行為を省く攻撃というのはかなりえぐい。

そもそも想定されていない動きなのだから、相手が反応できるはずが無い。

ついでに攻撃する際の武器の慣性を持ち越すため、攻撃後の姿勢制御や踏ん張りなどが少なく、隙が異常に小さい。

魔法を使って物理的運用を行うという非常識。

しかも余りにも攻撃的に扱う様は他人が見ると異様な光景だ。

空間魔法は攻防に優れた魔法なのに、余りにも攻撃に特化しているのだから。


 さてと、とりあえずオーク持って帰らないと。

 って…うわぁ…中身が出てるや…。

 火力高いけど斧使うのやめようかなぁ。


とげんなりしながら新たに槍と剣、オーク2体を亜空間に放り込んでいく。

亜空間の容量が気になっているのだが、全く問題ないらしい。

既にゴブリン10体とオーク4体、鉄の剣2本、斧1本、槍1本、勢いのついた錆びた短剣1本と石19個が入ってるというのに。

改めて列挙すると凄い量だった。

ちなみに飛ばした剣2本は折れたり抜けなかったりと使える状況では無かった。


 亜空間便利すぎる…一人でも戦争できそうなくらい物資運べるよッ!


実際戦争は数なのでそんなことは無いのだが、そう思ってしまうのも無理は無い。

【繋ぎの指輪】効果で亜空間利用時の魔力・MPコストが0でこれなのだから、理熾が便利がるのは当然だ。

まさかの低燃費。

とはいえ、もう少し魔法使いらしい魔法を覚えたいと思う理熾。


 火とか水出せればなぁ…。

 野営というか、旅で全く困らないし、色々使えそうなんだけども。

 …アレ?

 何か忘れてるような…。

 あぁぁぁあ…コレダッ!!


---+---+---+---+---+---+---+---+---

【神託】

初めての魔法!

達成内容:魔法を使う


科学文明との最大の違いは魔法が存在すること!

つまり君には初体験が待っている!


報酬:魔術のススメ

---+---+---+---+---+---+---+---+---


随分前に展開した【神託】を思い出した。

報酬は全て手に入れた気になっていたのだが、物の報酬は受け取っていないものもあった。

単純に邪魔だからだ。


 あぁぁぁ…コレだ。

 今僕に必要なのはまさにコレだ!

 まさか魔法使えるけど使えないなんてことになるとは思ってなかったんだよ!!


正確に言うなら『魔法らしい魔法を使えない』だろう。

実際魔法自体は使えているのだから。


すぐに報酬を受け取り、【魔術のススメ】を手に入れる。

巻物(スクロール)でも魔術書でもなく、ただの資料(紙束)だった。


 うっわ…一番邪魔になるやつ来た。

 まぁいいか…。


あっさり諦めて読もうとする…が、ここは森の中だ。

考えを進めたり、展開するのはともかく読みふける訳にはいかない。

亜空間に入れておこうと思って開くも、何故か入らない。


 アレー?

 もしかして容量オーバーかな?

 うーん…別にいらないゴブリンでも吐き出しておこうか。


とドサドサと3体を吐き出す。

改めて亜空間に入れてみるが、やはり入らない。


 え…?

 このアイテムが入らない?

 それともこのアイテムは容量を使うって事?


良く分からないが結果は結果として受け止めなければならない。

とりあえず亜空間の中身を装備を除いて全部吐き出して入れてみると、入る。


頭を抱えてしまう。

この紙束は一体どれくらいの容量を要求するのかと。

同量かどうかが分からないので、一応オークから順番に大きい順に入れていく。

結果残りゴブリン5体というところで入らなくなった。


 おぉぅ…ってことは、この紙束の容量がゴブリン5体と同等って事?

 うっわぁ…何これ捨てたい…。


とも思うが捨てられない。

報酬として受け取ってしまったことが悔やまれる。


 ま、まぁ…ゴブリンの死体なんて使い道が無いから良いか。

 どうせ撒餌だし…。


と自分で納得させて紙束を亜空間に入れる。

ゴブリン5体はそのまま放置である。

あのくらいの数なら勝手に土に帰るだろう。

それにしてももう今日は完全に終了ムードである。


 何かテンション下がるわぁ…。

 理由なんだろ…?

 情報の価値とか?

 いやぁ…亜空間がそんな区別できるわけが無い。

 僕が設定すればまだ分かるけど。


と考えを進めながら

森を進む。

何事も無く進めればよかったのだが、森を抜ける直前くらいでオークに出くわした。

一刻も早く帰って紙束を読みたい(というか魔法が使いたい)理熾はオークを奇襲にて瞬殺する。

ちなみにオークは武器を持っていなかった。

「武器を持たないオークも居るんだなぁ」と適当なこと思ったりした。

討伐部位が分からないのでオーク丸ごと亜空間行きなのだが、代わりにゴブリンを吐き出す。

数は3体で十分だった。


 アレ?

 何かおかしい…亜空間の容量って重さじゃないの?


考えてみればおかしかった。

ゴブリンは理熾より小柄で、体重にすれば20~30kgくらい。

対してオークは最低でも200kgなのだ。

多く見積もってもゴブリンが100kgでオークが200kgで釣り合うはずが無い。

そもそも紙束がゴブリン5体というのもおかしな話だ。


 あっれー?

 亜空間の保存容量ってどうなってるの…?

 まさかホントに情報量が基準に…?

 いや、ゴブリン3体の情報量がオーク1体より勝ること無いよなぁ…。


首を傾げる。

空間使いにとって、この事実はかなり重要なことだろうと思ってはいるのだが、答えが出ない。


ようやく森を抜け、ギルドカードを見せてアルスに入る。

これで本日の討伐は完全に終了だ。

ようやく息を抜ける。


 うーん…今日の夕飯は何だろうなぁ?


理熾は相変わらずの相変わらずだ。

お読み下さりありがとうございます。

理熾はまだまだ自分のクラスを使いこなせていません。

特に空間魔法は全くです…今後に期待ということで。

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