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神様のおねがい  作者: もやしいため
第三章:始まりの街
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初めてのギルド2

本日は【神託】の回収を行います。

【神託】の内容を即興で考えてるので整合性が無い場合があるかもしれません。

その際はご指摘いただけるとありがたいです。


8/16訂正

ギルドへの登録は金を渡し、手を翳して説明を聞くだけで終わってしまった。

自分を証明するための身分証なのだが、これほど手続きが簡単で良いのだろうかと理熾が感じたくらいである。

恐らく単なるアンケート調査的な気軽な情報収集なのだろう。

高位のランクへと上がれる者は一握りだろうし、逆に証明書だけが必要な者はただの利権(金づる)である。

何より明確な情報倫理やらが無いので仕方ないのかもしれないが。


 今日の仕事は終わり。

 昨日は走り回ってたんだから、少しくらいサボっても良いよね!


だから今朝の考えで行けば最早ギルドに用は無い。

用は無いはずなのだが、状況が変わってしまった。


 …とか本当は思いたかったけど、いきなり300カラドの出費!

 これは痛い、痛すぎるッ!

 もう少しゆっくり出来るかと思ったけれど、余裕が無い。

 とりあえず討伐カウンター見に行くかぁ…。


その場を後にして人に聞きつつカウンターを探しに行く。

どうやら1階の裏手にあるらしい。


 そういえば【神託】をクリアしてたなぁ…。

 あ、幸運が6になってる。

 おぉ…これで少しは運がよくなるかな?


と消化した【神託】を確認する。

ついでに新たな【神託】があるようだ。

色々とあったので「開きたくないなぁ…」とは思うものの、開かない訳にもいかない。

理熾はスフィアについて何も知らないし、生活基盤も無い。

そもそも能力も無いのだから、【神託】による報酬(ボーナス)がゼロでは生活できないのだ。


---+---+---+---+---+---

【神託】

ギルドとはなんぞや?

達成内容:ギルドへの登録


世界最大の組織、仲介業ギルド

ギルド員として参加し、身分証をゲットせよ!


報酬:手ごろなナイフ

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 あっれー?

 …達成しちゃってるんだけど?

 これ、受けられるのかな…。


と思いつつ、とりあえず受けてみる。

報酬をもらえれば儲けものだ。

相変わらずのチュートリアル感である。


 おっ?

 おぉ…後で受けても問題ないらしい。

 報酬貰うにしても邪魔だし、今はまずい…?

 いいや、トイレも行きたいしその時取り出そう。


と報酬が受け取れることに喜ぶ。

ついでに何も無かった装備が手に入るあてが出来た。


---+---+---+---+---+---

【神託】

資料を探せ!

達成内容:ギルド内の参考資料の閲覧


情報とは力なり

持つものと持たざるものの違いを見せ付けろ!


報酬:経験値10

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 ぉー…珍しく(・・・)分かりやすくて有用だ。

 けどこの『資料の閲覧』ってどれくらい読めば良いんだろう…?

 何かあの馬鹿神だし、開けばOKとか逆に資料室全部読まないとダメとかそんなニオイがぷんぷんするんだけど。


討伐カウンターを目指して歩く中でもどんどん【神託】を処理していく。


---+---+---+---+---+---

【神託】

討伐カウンターは危険がいっぱい!?

達成内容:ギルド員に絡まれる


色々貧弱な君へ

屈強なる討伐カウンターに弱卒などはいらん!

自らの強さを示さねばここは通すわけには行かないのだ!


報酬:SP10

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「貧弱とか煩いよ!?」と理熾は危うく声を上げるところだった。

今一番心の柔らかい(デリケート)なところなのだ。

相変わらず一々嫌な場所を突き込んで来る。

というより


 なんで絡まれるのが【神託】に入ってるんだよ!

 確かにテンプレだけど!

 というか強さ示そうにもスライム(最弱?)にすら負けそうなのに!


弱さに嘆きながらも理熾は次の【神託】を開く。


---+---+---+---+---+---

【神託】

初めての魔法!

達成内容:魔法を使う


科学文明との最大の違いは魔法が存在すること!

つまり君には初体験が待っている!


報酬:魔術のススメ

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 魔法使えたら報酬いらなくね?

 いやいや、いくら馬鹿神でも流石にこれは無いよね…無いと信じたい。

 きっと効率の良い使い方とか、色々な属性の説明とかだよね!

 そういやそもそも『魔法』って見たこと無いなぁ…どんなのだろ?


興味はあっても今は手に入らず、見ることも叶わない。

魔法という技術があることしか知らないからだ。

もしかすると既に見ているかもしれないが、今のところ何が魔法で、何が魔法じゃないかすらも分かっていない。

非常に残念な話である。


こうして粗方【神託】を開き終えた。

今回は精神に余裕があるため叫ぶことなく心の突っ込みで事なきを得る。

理熾にとっては大満足の結果…いや、そもそも突っ込みが必要な時点でかなり問題である。


---+---+---+---+---+---

【神託】

役職者は忙しい!

達成内容:ギルドマスターとの会話


人脈は力なり

世界最大の組織、仲介業ギルド

そのアルス支部を任されているギルドマスターと会話せよ


報酬:SP10

---+---+---+---+---+---


 これで最後…。

 にしても、ペーペーに課す課題じゃないよね…?

 どれだけ考えても光の玉の意図が分かんないなぁ…。

 影響を最小限に抑えるのは分かる。

 けどこれ、『どれだけやっても解決できない道筋』とか立ててるんじゃないよね…?


登録したての初心者(ビギナー)がどうやればそんな権力者に会えるというのだろうか。

というかそう考えると報酬が安すぎる感じがする。

しかし開くとあっさりとピコンとクリア音が鳴った。

理由は分からないが、しっかりと【神託】報酬が支払われる。

どうやらクリアしていたようなのだが…


 アレ?

 どっかでギルマスと話したらしい?

 …この街に来て何人か話してるからその内の誰かかな?

 というか、基準が分からないから、挨拶だけでも報酬もらえるかもなぁ。

 あぁ…ギルバートさんだったら良いなぁ。


とスルーしていく。

スフィアに来てからというもの、スルースキルの向上に目を見張るものがある。

主にクライアント(神様)のせいなのだが、話を全部本気で取ると痛い目にしか遭わない。

学習能力の賜物とも言い換えられる。


「ここかぁ…」と、考えに耽りながらも到着する。

見るからに『討伐』という雰囲気がしている。


 威圧感というか、空気感というか、チンピラ風というか…超、行きたくない。


そういう方面の方々とはお近付きになったことが無いから気が気でない。

しかし、いつかは行かねばならないし、むしろ毎日のように来なければならない。

討伐をメインに据えると考えた以上はそれが日常でなくてはならない。


 まずはカウンターに挨拶をして好印象を与え…って、え?

 何か凄い威圧感放ってる人が座ってるんだけど!!


と理熾は躊躇う。

カウンターには『私不機嫌です』というのを放出している人が居た。

愛想が悪いというのは軽く飛び越している。


 あの人に話しかけるのってかなり難しいような気がするんだけど…?

 でも書庫、というか資料の場所聞く必要あるしなぁ…。


何故だか他に誰も居ない。

過疎ってるのだろうか、と疑問にも思うがそれは無いだろう。

守衛も『魔物の討伐依頼が多い』と嘆くくらいなのだから。

つまり全員出払っているだけなのだろう。

ただ、初めて来たのでどれくらいの人数が標準かが分からないので何ともいえないが。

ともかく、意を決して笑顔で声を掛けてみる。


「おはようございます」

「おはようございます」


無視されることを前提に声を掛けた理熾は返事があることに少し感動した。

意味の分からない感動だが。


 おぉ、受け答えは大丈夫らしい。

 言葉がトゲトゲで不機嫌だけど。


と相変わらず感じる印象は変わらない。

ただ挨拶だけで終えても意味が無いし、用があって声を掛けた以上は用件を言わねばならない。

改めて精神力を搾り出して


「教えてください。

 モンスターとか、スキルの資料ってありますか?」

「はい、あちらに書架があります」


指差す方を見てみると確かに本棚が見える。

棚数も本の数もそれほど多くは無いように見える。


「何をお探しですか?」


と受付に問われて考える。

今の最初の段階で何を探せば良いのだろうかと。


 うーん…何を探そうか…って、決まっている。

 モンスターの情報集めたところで何になる。

 いや、どうにでも使いようはあるけどさ。

 でもそれより今は自分の弱さを埋めないことには何やっても相手に勝てない。


結論は相手の分析より、まずは自身の強化。

現地(スフィア)人の13歳より貧弱だと言われた身体を強化しなくてはならない。

『全くダメ』から、せめて『少しはマシ』に。


「うん、スキルの資料を見せて欲しいです」

「分かりました。

 でしたらあちらの書架の6番になります」


「ありがとうございます」


お礼を言って本棚に向かう。


 そういえばこの時間なのにだーれも居ない。

 この街の討伐カウンターって廃れてるのかな?

 それとも、朝早くから出掛けてるのだろうか…。


 ぁーそうだよね、夜怖いし。

 僕も出来たら暗くなる前に帰って来たい。

 そう考えればスフィアという世界はとてつもなく健全なんだろうね。

 日本じゃ昼夜逆転してる人も居たしなぁ…。


そんなことを考えながら言われた番号を探す。

書庫といってもそんな広いこともない。

病院の待合室にある、雑誌棚程度が5つほど並んだ程度。


 大きな町なのに資料ってあんまりないんだなぁ…。

 この量なら聞かなくても探せたかも?

 んー…やっぱり現代日本って凄い?


日本を基準に思う理熾としては情報が圧倒的に足りない。

ネット環境も無ければ文献などの資料も少ない。

ある程度区別、編纂されているだけでも御の字といった感じである。

そんな資料を開くと、ピコンと音が鳴った。

確認するまでも無い。

あの【神託】だった。


 …やっぱりあの神の設定おかしいよね?


相変わらずの【神託】に理熾は呆れる毎日だ。

お読みくださりありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ステータスって、魔法じゃないの? 神は誰でも使える"魔法"って言っていたから、神託はクリアしてない?
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