ちんこ食い競争
ようい!どん!
小学5年生のチャンスレースは毎年恒例パン食い競争。みんな一斉にパンめがけて走ります!
たたたたたー!!
「がんばれー!」「いいぞいいぞー!!」
校庭はみんなの応援の声に包まれています。しかし、あれれ!何かおかしいです!よく見ると、パンの代わりにちんこのようなものが吊るされているのではないですか?ちんこのようなものではありません。ちんこです。
「あのちんこはどこからきたのか?」
「誰のちんこなのか?」
「どのようないきさつであそこに吊るされているのか?」
保護者は疑問を感じています。
「うわ!パンじゃなくてちんこがぶらさがってるぞ!」
「私たち、ちんこに噛み付かなきゃいけないわけ?」
生徒たちも少し、戸惑っています。毛も生えている、大人のちんこのようです。
「ちょっと気持ち悪い気もするけど負けるわけにはいかない!これはむしろ、チャンスなのだ!みんな、戸惑っている中、チャンスなのだ!」
ライバルたちが躊躇している中、たかしくんはかかんにゆれるちんこに挑み、噛みつきます!
パクパク!パクパク!
スルスルスルスル!
ちんこはこれみよがしにするりするりとかわします。まるで意思があるようです。
「がんばれ!がんばれたかしぃ!」
たかしくんの親は勝利への執念を燃やすたかしくんを必死に応援します!
パクッ!
ついにたかしくんは噛み付くことに成功しました。
グニョッ!
タタタタターッ!!
ゴール!
1組、1着は、たかしくんです!
「うぉおおおお!」
会場のボルテージは一気に高まります!
パクッ!パクパクッ!
タタタタターッ!
続々とたかしくんに続く生徒が出てきました。
ゴール!ゴール!
「2位さとしくん!3位むねたかくんです!」
実況も、意気揚々と状況を伝えます。会場は熱で包まれていました。
しかしやはり、あれらは誰のちんこなのでしょう?もしかしたら、何かよからぬ方法で入手されたちんこかもしれません。ちんこの入手に、私たちが払ったお金が使われてしまっているのかもしれません。
わーわーわーわー!
会場は熱気に包まれています。さとしくんの親は、そんな疑念が頭から離れません。運営基地に近づいていきます。不審者です。その男性は司会者からおもむろにマイクを奪いました。まるで、テロリスト!
「きゃあ!なんですか!」
実況の女性は悲鳴をあげます。
しーん
校庭は、静まり返りました。場の空気を乱すものに、みな興醒めです。
「えー、盛り上がっているところ申し訳ない。私は5年1組のさとるの父です。」
校庭は沈黙に包まれています。
「パン食い競争ならぬ、ちんこ食い競争、というところでしょうか?挑戦的な試み、何も全否定するわけではないですが、やはり資金経路が気になりますね。ちんこの入手に使ったお金はどこから出ているのでしょうか?私たちが必死に働いて学校に納めているお金が説明もなく使われているとしたら、許せない。許せないですよ。」
目は真っ赤です。
「校長先生、どうなんですか?」
.....
「それは、わたしたちのちんこです。」
しばしの間が空いて太く明るい声がしました。まるで、太陽のような声でした。みると、朝礼台のあたりに男の先生たちが並んで、下半身を露出しています。しかし、股にはなにもありません。50人くらいの先生が、パンツを下ろして仁王立ちになって立っています。その様子は、歴代仮面ライダー総集合のようでした。
「私たちのちんこを、私たちで摘出し合いました。皆さんのお金は一切使われていません。」
先生は、堂々と言い切りました。気づくと、校長先生も下半身を露出しています。もちろんちんこはありません。
「おお!おおおおー!!」
「流石だ!すごいー!!」
「誇りに思う!ホワイト!ホワイトスクールだー!!」
校庭は今日一番の盛り上がりを見せます。
気づくとさとるくんの父も、笑顔で拍手をしています。
「人が生きる限り争いは、戦争は繰り返されているのです。だから、ちんこなんかなくなるべきです。世界からちんこがなくなれば、人は滅んでいくのです。子供が増えていくことは無くなるのです。この運動会は、そういう意味を込めたかったのです。」
校長先生が演説し始めました。
うむうむ、みんなうなづいています。笑顔でうなづいています。
「しかしパンの代わりに咥えさせる必要はなかったかもしれませんね。ちんこを咥えるのが嫌な子供達だっているかもしれない。借り物競走で、『先生のちんこ』というお題を出すという手も、あったのではないですか?」
さとるくんの父は完全に納得するまで質問を繰り返します。再び校庭が静まります。
ぐす、ぐす....
........
沈黙の後、校長先生が目に涙を浮かべ喋り始めました。
「パンが、パンが届かなかったのです。戦争のせいで輸送に影響が出ているのです。申し訳ない。生徒たちにひもじい思いをさせてしまって申し訳ない...。」
校長先生は涙を流していました。作り物ではない、心からの涙であるように思えます。憎むべきは戦争だ。戦争だったのだ。校長も、こうするしかなかったのだ。戦争が憎い、戦争が憎い。会場からは校長につられ、啜り泣く声が聞こえてきます。ちんこが風に揺られ、ゆらゆらと虚しそうに揺れているのでした。




