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君が見た、太陽の色。  作者: 輝嬉
僕と君の、秋の色。
4/6

賑賑しい、食の秋。(1)

⊡登場人物紹介


・秋元

年齢:16歳 性別:男 身長:174cm

好きなもの:ゲーム、アニメ、おいしいもの

嫌いなもの:行列、無駄

趣味:読書、散歩

特技:書道、どこでも寝れる

『眠そうな人』


・牧紗由

年齢:16歳 性別:女 身長:151cm

好きなもの:ヘアアクセ、ごはん、???

苦手なもの:料理、一部の細かい作業

趣味:ヘアアクセ集め

特技:綺麗に写真を撮れる

『元気な女児』


・岡崎四葵

年齢:15歳 性別:女 身長:168cm

好きなもの:可愛いもの、小さいもの、甘いもの

苦手なもの:虫(特に昆虫)、怖いもの

趣味:映画、料理

特技:料理、お菓子つくり

『優しい金髪』

 チャイムが鳴った。気が付けば、4限目の授業が終わって昼休みになっていた。昼食は購買に買いに行く人、持参の弁当を持って何人かでどこかに食べに行く人など様々だ。結構みんなどこかに行くから、雨の日以外の昼休みは意外と教室にいる人は少なくなる。今日は朝、雨が降りそうだったが、予報通り今は快晴になっている。ベンチなども濡れていないのでいつも通り中庭などに行く人が多いようだ。僕はいつも通り教室の自分の席で弁当を食べることにする。

「はぁ...。」

高校に入ってから、給食が無いから朝ごはんはちゃんと食べろ、親から言われしっかり食べる日が多くなった。今日はあまり食べてきていないので、とにかくおなかが空いていた。箸を持ち、何から食べようと弁当を見つめる視界の端に、人影が見えた。

「お弁当量多いね!親御さんに作ってもらってるの?」

後ろを見上げると、牧さんが僕の弁当を見ていた。視線を少し落とすと、その後ろの岡崎さんが牧さんの後ろから覗き込む。

「いや、今日は自分で作ったかな。親に作ってもらうこともあるけど。」

「すごいね!量多いと自分で作るの大変そうだね~」

「まあ、朝時間あったし特にかな...。」

「そっか~」と言うと、牧さんは振り返った後、一歩後ろに下がる。

「しーちゃんも自分で作ってるんだよ!みて!」

岡崎さんの弁当を見るように促す。

「別に見せびらかすようなもんじゃないって。あとなんで紗由が自慢げなんだよ」

「いいじゃん!しーちゃんのお弁当可愛いからいいじゃん!」

「それはありがたいけどさぁ...!」

少し照れ臭そうにする岡崎さん。確かに、色取りの可愛いキャラ弁だ。たくさん可愛い熊がいる。作って弁当に詰めてくるだけでも、朝からするとなるとかなり大変だ。それを毎朝自分で、しかも、ここまでこだわっているのは本当にすごいと思った。

「私にはこんなかわいいお弁当は作れません!そもそもお弁当が作れません!」

「だからなんでそう自慢げなんだあんたは...」

やれやれと額に手を当てる岡崎さんは時計を指さし、「飯を食う時間なくなるぞ」と牧さんに声を掛ける。慌てて牧さんは僕の隣の空いていた席を借りて座る。あせあせと袋から弁当箱を取り出し食べる用意をする。

「いただきま~す」

礼儀良く手を合わせてお弁当を食べ始めた。それを見ていた僕と岡崎さんも軽くいただきますと言って食べ始めた。ところで、今更だがなぜ今日は二人ともここにいるのだろうか。いつもは牧さんの席周辺で他の人も一緒に話しながら食べていたり、ほかの場所に行っていることが多かった。たまにこうして牧さんが岡崎さんのところに行って二人で食べていることもあった。今回はそのパターンだったんだろう、とか思いながら心のどこかで友達だから来てくれたのか...?と、嬉しくなっている自分もいる。仕方がない。嬉しいものは嬉しい。人間みんなそうだ。そう自分に言い聞かせて納得して心を落ち着かせた。隣では二人が会話している声が聞こえてくる。内容は聞こえるが、右から左へと流れていく。牧さんの楽しそうな声、明るい笑い声、それを近くで聞いていられる。それだけでよかった。

「―でどう思う秋元くん?」

「...え?」

「もしかして聞いてなかったでしょ!」

「うん...ごめん。」

申し訳ないことをした。普段からこうして考え込む癖があるせいで人の話を聞いていないことが多い。直したいと思うが癖になってなかなか抜けない。

「えっと...ん?」

何を言っていたのか聞こうと牧さんの方を見た時、ん?と思わず声が出てしまった。弁当箱が...空だ。箱自体は小さめだが、二段あった。それがこの短時間で空になっている。食べるのが早すぎる。それに、どっから出したかわからないパンまで持っていた。

「どうしたの?」

「い、いや、なんでもない!何聞こうとしてたのかなぁって。」

「ふぉお!ふぁほぉふお―」

「紗由...あんた食べるか喋るかにしなよ...」

僕が喋っている間に持っていたパンにかぶりついていた彼女は口にいたパンを必死に噛んで飲み込んみ、ごめんね~、えへへ~と笑う。食べている姿はリスみたくて可愛いかった。

「私も頑張れば可愛いお弁当作れるよね!」

「まぁうん、できると思う。」

「ほら!秋元くんもこう言ってる!」

「ほらじゃないよ。...そもそも―」

岡崎さんは「はあぁ」とため息をつくと、僕に耳を貸せと合図を送る。

「まぁなんだ、このおチビちゃん、料理が下手な自覚が無いパターンの料理下手なんだ。」

初めて知った衝撃の事実。岡崎さんの顔を見るにかなりやばそうだ。

「え...。でも、お弁当なら冷凍食品とかあるし...。あ、岡崎さん教えてあげたら?」

「実はもう...」

「あー...だめだったんだ...?」

「ああ、次元の違う下手さだ。とういよりその域じゃなかった。冷凍食品も解凍しただけとは思えないものが出てきたんだ。もはや才能だよあれは。」

得体のしれない何かを思い出す岡崎さんの顔は少し青ざめていた。ここまで来たら逆に見てみたいとうい好奇心が湧いてくる。

「でも最近は少しマシになってきてる気もするんだ」

「...というと?」

「定期的に一緒にお菓子作ってるんだけど」

「岡崎さんお菓子作りするんだ。」

「悪いか?」

「ごめんなさい、悪くないです。」

意外だった。どちらかと言えば牧さんの方がそういう感じがした。人を雰囲気だけで想像するのはやはりよくないなと改めて思った。

「まあ、そんで色々教えながら基本うちがほとんどやってんだけど、紗由、最近ようやくクッキーを取り出せるようになったんだ」

「取り出す...?」

「ああ、うちが見ていない状態でオーブンからクッキーを取り出せたんだ。...っここまで来るのに3ヵ月...」

「3ヵ月⁈」

想像していたレベルが違った。オーブンから取り出すだけに3ヵ月。それまでは一体何が起こっていたのかわからない。

「ねえ、さっきからずっと何二人で話してるの」

不満そうな顔でこちらを見ていた牧さんは、からのパンの袋を握りしめぷくーっと頬を膨らます。

「ごめんなさゆちゃん。ひとりにして寂しかったな」

「ふん、どうせまたしーちゃんが料理下手だーとか言ってたんでしょ、知ってるもーん」

「だって実際そうじゃん」

「ぐはっ」

ダメージを食らう牧さん。

「ま、まあでも...頑張れば、頑張ればできるようになるよ!...多分。」

「多分って言った!さっきは絶対できるよ!って言ってくれたのに!」

えぇ。記憶の改ざんが凄まじい。

「絶対...とは言い切れないけど、牧さんならいつかできるよ。」

「そうだな。まあこれからもうちが教えてやるからさ。元気だしなー紗由」

ううぅ、と泣きながらパンを食べる牧さんを頑張ろうなー、と岡崎さんは撫でていた。

 各自弁当を食べ終わったころには、昼休みも残り少なくなっていた。僕の弁当を見て、量が多いと言っていた彼女は結局、弁当+パン3つ平らげていた。小さな体のどこにそんな入るスペースがあるのか。そもそもどこからパンを出したのかが気になる。ばいばーい、と手を振って自分の席へ戻る牧さんを見送る。教室を軽く見渡すと、教室外に言っていた人たちが戻り始めていた。少しずつ騒がしさを取り戻す様子を聞きながら、晴れた空を眺める。朝と違って眩しいくらいだ。

「...。」

何か考えてそうな顔で、何も考えずにただ空を眺める。予定だったが、正直心臓がドキドキしている。「普通に話してたけど大丈夫だったかな?」とか「なんか偉そうなこと言った気がするけど気にしてないかな?」とか。その辺の不安が今、一気に来ている。でも、ただ不安でいっぱいなわけでもなかった。初めて牧さんとあれだけ話せてよかった、新しいことをたくさん知れてよかった、そんな満足感もある。

「...。」

よく覚えてないけど...牧さんより岡崎さんと話してた気がする。何はともあれ、二人と仲良くなれてよかった。

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