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君が見た、太陽の色。  作者: 輝嬉
僕と君の、秋の色。
2/6

歩み出す、秋。(1)

 僕は秋元、16歳。今日、新しく友達ができました。


「はあぁぁ...。」

今日の言動を思い返してはため息をつく。

「いきなり友達になりたい、なんて普通におかしいだろ...。」

そう思うと同時に、よく言ったと満足する自分もいる。心というものは何とも複雑で、家に帰ってからずっとこれだ。考えすぎて、もうずっと前のことのように感じる。どんな会話をしていたか正直、記憶からほとんど抜け落ちていた。

「どうしようかな...。」

明日、どんな感じで顔合わせればいいのか。眠れない暗闇の中、天井を見つめながらそう呟いていた。

 友達になってくれた人、牧 紗由さん。今年の春、僕がひと目惚れした人。彼女は元気で人当たりが良く、とても真面目な人。しかし、少し抜けてるところがあって、やや天然っぽい。この秋までに声を掛けようと覗っていた間に得た印象はこんなところ。わかっている。僕はまるでストーカーだ。でも、もう違う!僕はもう友達だ!そう言い聞かせることしか今はできない。今後はストーカーにならないように友達として、しっかり接しようと心に決めたのだ。身支度を済ませ、意気揚々と玄関へ向かう。久しぶりの感覚。春、彼女に出逢ったときのことを思い出す。扉を開け、飛び出した僕の足は軽かった。

 今日は雨の降りそうな少し暗い朝だ。人の多い、開かれた道の真ん中を避け、木々の下、道の端を歩いていく。まだ緑色に生い茂った木の陰は少し秋を感じさせてくれるような涼しさがある。外に出て、空や雲、川や石、木々や植物など、自然のものに目を向けるようになってから、見慣れた道ですら歩くのが楽しいと思えるようになった。季節だけでなく、その日の、その時間の天気や気温だけでも違う景色の表情が見られる。この灰色の空も、数時間後には澄んだ快晴になるらしい。そんな変わらないようで変わり続ける景色、それが好きなのだ。

 人がぼちぼちいる教室に着いた。教室を軽く見渡したが、まだ彼女はいなかった。僕はいつも通り席に座る。窓側の前から2番目。何とも言えない場所だ。席替えはあったものの、ただ1つ後ろに下がっただけだ。この席はあまり好きじゃない。日の光がとにかく眩しいし、暑いし熱かった。それに、牧さんと遠い、から。定期的に聞こえてくる「おはよー」の声、他愛ない雑談する話し声、朝なのに元気な笑い声、いろんな声が聞こえる。その中で僕は机に伏せる。朝、家を出た勢いはもうだるさや不安、緊張で上書きされていた。それに、やっぱり朝は眠い。昨日は特に寝れなかったのもある。軽く寝かけていた時、ようやく、待ちわびていた声が聞こえてきた。

「おはよ~!」

牧さんの声だ。おはよう、と返す彼女の友達たちの声が聞こえてくる。もちろん、ここで挨拶する勇気は僕にはまだない。また後の休憩時間にでも声を掛けよう。そう考えた僕はこのまま寝ることにした。

「おはよ!」

いつものように、すぐ後ろの方から牧さんの声が聞こえてくる。そう。僕の右後ろの席には、牧さんがしーちゃんと呼ぶ、岡崎 四葵さんがいる。牧さんは毎朝、岡崎さんのところに来てしばらく話をしているのだ。

「おはよー!」

一段と大きくなる彼女の声。…もしかして僕に言ってるのか?と、期待交じりに少し気になった僕はそっと顔を上げ、振り向く。そこでばっちりと目が合った。目が合った瞬間、彼女は眩しいくらいの笑顔で「おはよ!!!」とあいさつする。その笑顔はどんな朝日よりも眩しく、その声はどんな陽よりも温かかった。太陽のような君は今日も綺麗だった。

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