豚トロツキズム
包丁の乙女?
電通起信子校長は、いつものように校長室にいます。
そこでVRゴーグルを装着してエア演説をしています。
「飛ぼうが飛ぶまいが!豚はしょせん豚だろうが!
お前!人間になれよ!諦めんなよ!悔い改めろよ!
豚が飛んだってその先にあるのはガリラヤ湖だろ!
溺れておしまいだろ!お前!それでもいいのかよ!
飛ぼうが飛ぶまいが!豚はしょせんは豚なんだよ!
お前!人間になれよ!諦めんなよ!祈ってみろよ!
豚が飛んだってせいぜい焼き豚にされるだけだろ!
お前!チャーシューでいいのかよ!人間になれよ!」
起信子はどうよ?私の新作。いいとこ突いてるでしょ?
と言わんばかりのドヤ顔を秘密子と理趣子に向けます。
無理に付き合わされている秘密子と理趣子は思います。
私たちだって忙しいのに。授業の準備だってあるのに。
たまの休みにはデートだってしたいのに。人権だって
コンプライアンスだってあるのに。こんなの横暴だよ。
秘密子はふきげんがストレートに顔に出るタイプです。
理趣子はポーカーフェイスなので一見は穏やかですが。
ストレスがたまると身体のあちこちがぷるぷる揺れる。
起信子もさすがに気まずい雰囲気を察したようでした。
独裁者ごっこは好きだけどそういうのはしっかりした
支持があってこそ。愛されるための努力をしないとね。
「二人とも、今日はほんとにおつかれさまでした!
いつも付き合わせちゃってごめんね!私にとって
二人はとても大事だからつい聞いてほしくなって。
今日はほら、あれ!私がこれから焼肉おごるから!
ね?ね?それできげん直そう!ビールも飲み放題!
食べたい豚はいい豚だ!食べたい牛でも食べ放題!」
そういって起信子は二人をお高い焼肉屋でもてなしました。
秘密子も理趣子もこの世の終わりかって勢いで食べました。
お会計はとんでもない金額になりましたが、なんとかして
二人の好感度を維持できたようで起信子はひと安心します。
こうして水面下の工作で教員の団結は守られたようでした。
よかったよかった。めでたしめでたし。ごちそうさまです。
イメージソング。
System of a Down「Know」。
https://youtu.be/GvXjos4EE8g?si=kPXPs4JZ8ONz7pAD
前回のお話。
「アングリー・カントール」。
https://ncode.syosetu.com/n4770kl/
次回のお話。
「式神歌」。
https://ncode.syosetu.com/n6459kl/