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べとべとさん

作者: たぶれっと

いつもの帰り道。

日課の散歩をするこの道。

たまに怖いのから怖くないのまで、色々と会うのよね。






1月は三が日の最終日。

目出度くない年明けを迎え、仕事を終えていつもの夜街道を歩く。

やっぱり正月は忙しいけども、山場は越えれてホッとする。


気も緩んで足取りも軽く散歩する。

時として、車も人も居なくなる夜の街道。

独りぼっちの夜景。

(絶景かな、絶景かな)

なんてやっていると──ソレは、後ろから聞こえてきた………。



「キュポッ キュポッ キュポッ」



足音のような音。

ブロリーだろうか?

真面目に………強いて真面目に言うなら、海でも入ってサンダルに水でも溜まったその足で歩いたような足音。

いやいや、いくら暖冬つっても入らねーよ。

そこに川はあるけどよ。


……… ………チロリ。


後ろを見る。

誰も居ない。

それはそれで厭だな………。

音楽をかけてイヤホンを装着。



「キュポッ キュポッ キュポッ」



(ちぇっ、駄目か)

イヤホンを外して後ろを視る。

何も視えない。


? ?


ここで久しぶりにデジャブを感じる。

ループ?

前は確か、なんも気にせず帰ったな………。


デジャブは前に経験した、ぐらいの事しか分からないのだが、何故か思い出せた。

すると、怖いようで余り怖くなくなった。

ふと、思い出す。


(おー、これがアレか)


これまた珍しく気付く。

道の横に立ち、うやうやしく一礼をする。



「ベトベトさん、お先にどうぞ」



何も視えなかったけども、足音は止んだ。

調べたら害は無いらしく、奈良の妖怪らしい。

また出張かな?

(害がないなら、まー、またよろしゅう。夜道を散歩しましょうや)

昔、この辺で 住んでた婆ちゃんが言っていた。

婆ちゃんの時は、ヌリカベだったか──

夜道で前に進めんかった言うてたな。

出やすい街道らしい。




一応体験談でした。

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