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メモ5  作者: 弐紙ム
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プロローグ ー神話ー

遥か昔のこと。


全てが始まる前、原初の世界には混沌のみが広がっているだけだった。




この世界に、いつからか秩序がもたらされ、五人の巨人が生まれた。定まった形を持たない彼らは、時に交わり、時に反発しあい、いつしか大地、天、光、闇、時を生み、天地が誕生しました。




ある時、兄弟たちに意思が、それぞれ理性、欲望、怒り、愛、希望が芽生えた。


ただ漂うことに満足できなくなっていく欲望の巨人は、どんどんとその体を大きくし、世界を覆いつくす勢いでした。


これを見た理性の巨人は、これに罰を与えるために、他の巨人たちの力を借りて、三つの武器を生み出します。『宇宙をも破壊する雷霆ゼウス』『大海と大地を操り、全てを支える矛オリュンポス』『何者も逃げ出すことのできない奈落タルタロス』です。


これらの武器を駆使し、十年に及ぶ戦争は、欲望の巨人の敗北で幕を下ろします。不死だった欲望の巨人は、大地の下、タルタロスの底にある深淵に封印されます。




混沌を生む欲望の巨人が去ったことで、理性の巨人を主導に、秩序のある世界を形作っていく。


太陽と月が誕生し、昼と夜が生まれ、更に記憶と時、運命と予言が現れます。




深淵に封印された欲望の巨人は、その光景に嫉妬するも、ただ見守ることしかできなかった。しかし、その止めどなく溢れる欲望は歯止めが効かず、誰の目も届かぬ場所で、ただ蓄積していった。


時が流れると、その欲が遂には奈落から溢れ出し、地上へと流れていき、いつしか『悪魔』となった。


彼らは身の回りのもの全てを自在に操ることができ、火や水、あるいは木や土といった自然、牛や羊などの動物であっても、意のままに操ることができた。


彼らが生まれてすぐに、どこからか現れたその悪魔を見た巨人たちが、それをマネて同じ姿をした『人間』をつくった。


欲を満たすために暴力の限りを尽くす悪魔とは反対に、人間は欲を嫌悪し柔和で賢き者たちとなった。



悪魔達は力があれど、知恵を使った人間たちにしだいに大陸を侵略されてしまい、いつしか世界の端へと追いやられてしまう。


それを見た欲望の巨人は、同じ境遇となってしまうことを危惧し、深淵から愛の巨人をそそのかし、理性の巨人から知恵を与えるように仕向け、憐れんだ理性の巨人は悪魔にある条件と引き換えに知恵を授ける。


その知恵をもとに、万物の根源にあり、この世の全てに通ずる『魔法』と呼ばれる力を駆使し、その強大な力で人間の力が及ぶことのない塔を創った。引き換えに、その踏破不能の塔の頂点に辿り着けた者には、魔法を継承することを約束した。


しかし魔を司る法則''魔法''は、自分たちのものである、としてその力を人間に渡すことを嫌い、千にも重なる一層一層に凶悪な罠、呪いを仕掛け、人間の力では絶対に塔を登れないようにした。


~~~~~~~~~~~~~


時代の転換期は、ある一人の人間によって始まる。塔を制覇し、継承者となったヴィブニー・ノイマンの登場だった。




この冒険家が遺した書物によれば、伝説の塔は一つではなく連なる百の塔であることと、その全てを解き明かし、頂上へと登りつめたならば、伝説の通りに、全てを手に入れられると記されている。








その言葉を信じ、無限の力を求めるもの、永遠に遊んで暮らせる富を求めるもの、強大な帝国を求めるもの、全世界の人々は、各々の願いを胸に再び塔へと足を踏み入れる。
















そのうち人々は畏敬の念をこめ、全ての塔を登った者のことをこう呼んだーーー
































''デモンズロード''と。

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